2021年 議長年頭所感

新春を迎え、年頭のご挨拶を申し上げます。
日頃より、日建協活動に対して多大なるご理解とご協力をいただき感謝申し上げます。
「命と暮らし」を守るために、感染予防対策と社会経済活動の両立に努めながら、日々奮闘する組合員の皆さんに心より敬意を表します。

いま日本社会は大きな変革の真っただ中にあります。その1つは、サスティナビリティ(持続可能性)です。国連は、環境など社会的課題に対してSDGs(持続可能な開発目標)の達成にむけて取り組んでおり、世界的に関心が高まっています。政府はサスティナブルな社会の実現にむけて働き方改革等の施策を推進し、企業や労働組合においても取り組みが広がっています。
もう1つは、ダイバーシティ(多様性)です。日本社会は人口減少と少子高齢化による労働力不足が懸念されています。政府はすべての働く人が個性と能力を発揮できる環境の整備を進めており、多くの企業がダイバーシティ経営による女性の活躍や定着、外国人、障がい者の活躍を推進しています。

 

私たちの建設産業では、持続可能な産業であり続けるために担い手確保が急務であり、長時間労働の是正や週休2日(4週8閉所)の実現等、働き方改革が加速しています。昨年10月には適正工期の確保のための改正建設業法が施行され、法整備が進みました。今後は、建設産業全体で発注者に理解を求めていく等の取り組みが不可欠です。また多くの企業で育児・介護の休業、時差出勤や在宅勤務などのテレワーク、フレックスタイムなどの制度や環境の整備が進んでいます。多様な人材の活躍やウィズコロナ、アフターコロナにおける柔軟な働き方を実現するためにも、更なる制度の拡充と職場の理解を広げていくことが重要です。

 

日建協は、さまざまな変革の動きを追い風とし、魅力ある建設産業や安心して働ける労働環境をめざして、働き方改革の実現に邁進してまいります。時短推進や4週8閉所ステップアップ運動の着実な進展を図るとともに、日々奮闘されている組合員の皆さんの声を真摯に受けとめ、行政や業界団体等への政策提言や意見発信を積極的に行っていきます。またウィズコロナにおける活動の試行錯誤を重ねながらも加盟組合間の情報共有と連帯意識の高揚を図り、ともに力を合わせて建設産業の魅力向上への歩みを粘り強く前へ進めてまいります。

 

大きな変革期を迎えている今、私たち自身の意識改革や価値観の転換が求められています。これまでの固定観念にとらわれず、将来のありたい姿やあるべき姿を描きながら、建設産業の未来にむかって「チャレンジ」する1年にしていきましょう。