議長メッセージ第7回 アンコンシャス・バイアス ―― 誰にでもある思い込み
アンコンシャス・バイアス ―― 誰にでもある思い込み
日本では、男⼥平等な社会をめざす取り組みが、以前よりも進められていると実感しています。しかし、最近のジェンダー平等に関する報道では、「⾃覚の無い差別や偏⾒」、すなわち「アンコンシャス・バイアス」と呼ばれる思い込みが、未だに多くの⼈に根強く残っている、と感じることがあります。
昨年12月、連合が約5万人に聞いた「アンコンシャス・バイアス」についてのアンケート結果によると、日常や職場で約96%の人が何らかの形で性別や働き方などで固定的な見方をしていることがわかりました。
調査は、「『親が単身赴任中』というと父親を想像する」など20項目から思い当たるものを複数選ぶもの。私も、アンケートに回答してみたのですが、「子供が病気になったときは母親が休んだ方がいい」など、いくつか思い当たるものがありました。私が子供の看病をする機会が少ないだけで、自分を基準にした思い込みがあることの表れなのでしょうか。恥ずかしいかぎりです。
連合アンケートを監修したアンコンシャス・バイアス研究所代表理事の守屋智敬さんによれば、「アンコンシャス・バイアスはあることそのものが悪いわけではなく、押しつけや決めつけが言動となって表れた時に、問題となる」とのこと。そして、自分が気づいた後、次のステップとして大事なのは、相手に指摘するのではなく、相手に気づきを伝えたいと思ったら、まずは「自分が変わる」「自己開示をする」こと。職場で「これって私のアンコンかも?!」を合言葉にしながら、カミングアウトして、共有していく方法が実際に効果をあげているのだそうです。
さまざまな働き方や生き方を認め合うことは、多様性ある職場づくりにとって不可欠です。多様な価値観を尊重することで、新たな発想やイノベーションのきっかけにもつながりますよね。誰もがイキイキと働ける職場づくりのためにも、日頃から「アンコンシャス・バイアス」への気づきを意識してみませんか?
ご参考に、設問を掲載しますので、ぜひトライしてみてください。↓
このアンケートは、「回答率の高い/低い」を評価したり、「あてはまる項目数が多い/少ない」の良し悪しを診断したりすることは目的としていません。一人ひとりが、「自分自身にも、無意識の思い込みや偏見がないだろうか?」と向き合うとともに、今回の20の設問項目をきっかけとして、「自分自身の他の様々な言動にアンコンシャス・バイアスがあるかもしれない」ということを意識するきっかけに繋がることを切に願います。
(監修者のアンコンシャス・バイアス研究所の守屋智敬代表理事のコメントを引用)
参考資料:連合ホームページ プレスリリース2020年12月
「5万人を超える回答 アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み、偏見)診断」
https://www.jtuc-rengo.or.jp/info/chousa/data/20201204.pdf