角議長メッセージ第6回 2022年度の活動にあたって
未来を創るのはわたしたち
実現しよう 日建協ビジョン2030
皆さん、こんにちは。日建協議長の角です。
第99回定期大会を終え、日建協の2022年度がスタートしました。
組合員の皆さんにおかれましては、日頃より日建協活動に対し、ご理解とご協力を賜り、心より感謝申し上げます。また、すべての経済活動において、コロナとの共存が求められるなか、労働環境の改善や労働条件の向上にむけて日々真摯に取り組まれていることに敬意を表します。
議長としての重責をかみしめながら、引き続き建設産業の魅力向上、組合員の皆さんの処遇向上に邁進します。これから1年どうぞ宜しくお願いします。
さて、世界情勢を見渡してみますと、ロシアによるウクライナ侵攻は、半年近くが経過した今も続いています。この間、多くの方の命と人権、そして平和なくらしが奪われている現状は決して看過できるものではありません。平和を求めることは、これまであらゆる時代、あらゆる場所において人類が追求してきたことです。日々の安全・安心な暮らし、経済の発展、労働環境の改善や労働条件の向上といった労働組合の活動も、そのすべてが平和という礎石があってこそです。何よりも早い平和的な解決を切に望みます。
このロシアによるウクライナ侵攻は世界規模で甚大な影響を及ぼしており、日本国内においても新型コロナウイルスにより傷ついた国民生活や経済に追い打ちをかけています。
私たちの働く建設産業においても、原油高による輸送コストの上昇、木材やコンクリート、そして鋼材などの価格高騰、主要資材の納期遅延など正常な事業活動に支障をもたらし、工事採算の悪化につながるなど、その影響は甚大です。
そうした状況下においても、社会資本整備の要であり、社会生活の安全・安心を支える国土の守り手という、建設産業の普遍的役割に変わりはありません。持続的な発展を遂げることこそが、私たち建設産業に課された使命です。難局の中ではありますが、その使命を全うするためにも、眼前に広がるさまざまな課題を早期に解決し、次なる担い手を迎え入れる万全の体制を整えていかねばなりません。
以上をふまえ、今期日建協は、「産業政策活動」と「加盟組合支援」を2本柱として活動を進めていきます。活動を進めるにあたっては、日建協ビジョン2030の実現を念頭に、組合員の皆さんひいては建設産業で働く皆さんにとって意義ある活動となるよう、これまでにも増して「人と人のつながり」「組織と組織のつながり」を大切にした組合活動を実践します。
産業政策活動では「政策提言」を重点項目として位置付け、活動を進めます。適時的確な政策提言を実施すべく、各種アンケートを通して、作業所の抱える課題や組合員の労働実態について把握し、同様の課題を抱える労働組合組織と連携をはかりながら、行政機関や業界団体などに対して、意見発信を行います。
加盟組合支援では、「4週8閉所ステップアップ運動」、「働き方改革」、「賃金交渉」に特に注力して活動を進めます。建設業においても時間外労働の上限規制が適用される2024年を好機と捉え、4週8閉所の実現や総労働時間の短縮にむけて活動を強化していきます。また、建設産業で働く私たちの「あるべき賃金水準」の実現をめざして、賃金体系を確立すべく日建協賃金政策改訂にむけた準備委員会を設置して議論を深めていきます。私たちが安心して働き続けるためには、賃金水準の向上は不可欠です。引き続き賃金交渉のさらなる充実をはかっていきます。
また、2024年は、私たちの活動にとって節目の年になると考えます。残された1年と数カ月で私たちは何ができるのか、法律による規制、技術の進化にともなう業務効率の向上により、積年の課題であった長時間労働の解消がはかれた折には、私たちは何を活動の中心として取り組むべきなのか、その先の組合活動について、具体的に議論を重ねていかねばなりません。
最後になりますが、10年先の建設産業のありたい姿・あるべき姿を描いた「日建協ビジョン2030」について、このたびロードマップを作成し、具体的な取り組み事項や中間目標をまとめました。私たち日建協はその頂を見据え、具体的な活動に落とし込みながら、着実に歩を進めていきます。ビジョンの実現にむけては、組合員の皆さん、ひいては産業で働くすべての方々の前向きな考動が欠かせません。未来を創るのはわたしたちです。「誰もがいつまでも働ける 誰からも誇りに思われる建設産業」を一緒に築いていきましょう。