なぜなに春闘 ~ 基礎知識を身に付けよう! ~ 2023年 賃金交渉
組合から「今年度は2,000円のベアを要求」「年間一時金は満額回答」といった発信を目にするかと思います。
なんとなく意味は分かるけどって人多くないですか?
春闘をむかえる前に改めて確認していきましょう!
そもそも春闘って??
「春季生活闘争」を省略した言葉です。労働組合側が主に使用する言葉で、会社によっては「春季労使交渉」と呼ぶ場合もあります。
新年度にむけて、労働組合が労働条件について会社に要求し、経営者と交渉することをいいます。
内容は、月例賃金・一時金に限らず労働時間短縮、新たな福利厚生制度といった働きやすい制度についても話し合う場です。
ベアって?
「ベースアップ」を省略した言葉です。簡単に言うと、「基本給(ベース)の水準を上げる(アップ)」ということです。ベアは会社の業績などに応じて、賃金表を書き換えることで、すべて若しくは一部を対象として給与を一律で上げる仕組みです。
例えば、「社員全員を対象として基本給1%のベア」が労使の間で決定するとします。これは社員全員の基本給が1%上がります。自分の基本給が25万円なら、25万2,500円に昇給します。
定期昇給って?
定期的に賃金を上げる制度のことです。一般的に年齢や勤続年数、仕事の成果に応じて昇給が行われます。例えば、勤続年数が1年上がると5,000円アップ、人事評価等によってランクが上がったから5,000円アップするといったイメージです。定期昇給は企業によって色々あります。
一時金って?
いわゆるボーナスのことです。会社側が主に使用する言葉で、会社は利益の分配という意味でボーナス(賞与)と呼んでいます。
会社は業績が良いときはボーナスを上げ、悪いときは下げると考えていますが、労働組合は生活に必要な給料の後払いという意味で一時金と呼んでいます。
ベアと定期昇給の違いって?
定期昇給は、個人の年齢や勤続年数、成果に応じて昇給するので、昇給しない人もいます。一方、ベアは賃金表を書き換えるので、対象となる社員の成績や勤続年数に限らず給与を一律で上げる仕組みです。
会社が基本給を勝手に下げるのは、従業員の個別の同意が必要なので違法行為です。つまり、従業員の同意がなければ、基本給を勝手に下げることはできません。会社からすると、ベアの実施は固定費が増えるので負担が大きくなります。
ベアは年収に与える影響は小さいですが安定しており、一時金は年収に与えるインパクトは大きいですが浮き沈みがあるという特徴があります。
まとめ
いかがでしたか? ベアや一時金の交渉は春闘でも主題目として取り扱われるものです。自分の組合・会社の状況に応じてバランスの取れた要求を組み立てることが重要です。日建協では賃金交渉の方針として賃金交渉基本構想や日建協個別賃金を作成しています。基礎知識を身に付けて2023年春闘をむかえましょう!!