木浪議長メッセージ第5回 日建協結成70周年を迎えて ~次世代から選ばれる建設産業へ~
2024年12月12日、日本建設産業職員労働組合協議会(日建協)は結成70周年を迎えました。こうして記念すべき節目を迎えることができたのも、建設産業の魅力化に向けて共に歩んでこられた加盟組合の皆様と、変化の激しい時代において幾多の困難を乗り越えられてきた諸先輩方のご尽力による賜物と感じております。また、常日頃より日建協に対し多大なるご支援をいただいております加盟組合企業の皆様をはじめ、建設産業に関わる関係諸官庁や業界団体の皆様、労働運動において同じ志を持つ皆様など関係各位の皆様方のおかげと心より感謝申し上げます。
日建協の歴史は前身組織である関東土建労働組合協議会結成準備会が1946年に結成されたことに始まります。その後、組織形態の変遷を経ながら、1954年12月12日に16の加盟組合、約9,000人の組合員で結成しました。今日まで各加盟組合が主体性を持ち、様々な課題に対し連帯と協調をはかりながら活動を展開し、建設産業で働く私たちの労働環境や処遇の改善、政策提言などの活動をつうじて、産業の発展と魅力化に貢献するべく邁進してきたことで、今では35加盟組合、約39,000人の組織となりました。
2019年に65周年を迎えてからのこの5年間を振り返ると建設産業のみならず世界的にも激動そのものだったのではないでしょうか。新型コロナウイルスの世界的なパンデミックでは、日本においても緊急事態宣言の発出がされ、さまざまな行動が制限されるなど、これまでの日常が一変しました。そのような中、1年遅れて無観客での開催となった東京オリンピックは記憶に新しいところです。2022年のロシアによるウクライナ侵攻に端を発する食料やエネルギー価格の急激な上昇は世界的なインフレを招き、私たちが働く建設産業にも大きな影響を及ぼしました。2023年にはパレスチナ・イスラエル戦争が起きるなど世界情勢は近年かつてないほどに緊迫しており、不確実で変化が激しく、先行きが不透明な時代の真っ只中にいることを実感しています。
建設業に目を向けますと、この5年間に「建設業の働き方改革の促進」「建設現場の生産性の向上」「持続可能な事業環境の確保」の観点から建設業法が改正され、民間事業者においても4週8閉所や4週8休の推進、担い手の確保に向けて様々な取り組みをしてきたことで、私たちの労働環境や処遇は着実に改善してきています。また、2024年4月には建設業においても時間外労働の上限規制が適用され、6月には第三次・担い手3法が施行されました。今こそ働き方改革を成し遂げ、地域の守り手として社会にとってなくてはならない建設産業を持続可能な産業にするためにも、次世代から選ばれる産業へと変えていかなければなりません。そのような中、日建協は今後の組織の在り方、活動を見据え、これまで長らく友好加盟を続けてきた連合からの脱退を決断しました。ナショナルセンターである連合からの脱退は、産別労働組合として大きな決断であったことは言うまでもありません。これまで以上に建設産業の魅力化に尽力していくという強い決意と覚悟をもってこれからのあゆみを進めていく必要があります。
日建協のこれまでのあゆみは先輩方が築き上げた歴史であり、活動の証です。私たちはこれまでの活動により刻まれた歴史と意志を継承し「誰もがいつまでも働ける 誰からも誇りに思われる産業」の実現に向けて、活動に邁進していきます。
最後になりますが、加盟組合の皆様をはじめ、建設産業に関わる皆様方には、今後とも日建協活動にご協力をいただくとともに、ご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。