続・東西細見24 大日本土木労働組合
大日本土木は、大正13年に岐阜市で創業、昭和19年に株式会社として設立、以来、ダムやトンネルなどの土木事業を中心に、公共施設などの建築事業とあわせて手がけてきました。そして今日、手がける事業は多用な広がりを見せ、建築:土木の比率は概ね55%:45%となっており、また建築・土木ともに海外案件も増えてきています。
大日本土木労組の歴史は、昭和26年に大阪地区にて組合前身組織が発足し、続いて岐阜地区と東京地区で設立、その後昭和41年に3組織が統一され、現在の大日本土木労働組合が誕生しました。
本社並びに組合事務所は、都庁や高層ビルそして新宿中央公園に囲まれた新宿区西新宿にあります。
● 設立:昭和26年4月1日
● 組合員数:555名(平成25年12月末現在)
● 中央執行委員会:年9回
● 支部数:3支部
● 本部執行委員数:3名
● 組織率:87%
自ら動き、みんなで考え、“幸せ”の底上げを
大日本土木労組では、労働組合活動の大きな目的は、社員の幸せを実現することであると考えています。“幸せ”とは何か? それは仕事に対し「達成感・充実感・やりがい」を感じられることと、充実した「くらし」ではないでしょうか。これらを実現するためには、組合員一人ひとりが計画達成に向けチェンジ・チャレンジ精神を持ち、自ら行動することが必要です。
また、昨今薄れがちな人と人とのつながりである『絆』をもう一度見直していきたいと考えています。
来年度は、大日本土木株式会社設立70周年にあたります。節目の年度を明るく迎えられるよう『自ら動き、みんなで考え、“幸せ”の底上げを』のスローガンのもと活動を続けています。
大日本土木労組ならではの取り組み
当労組では、若年層の離職問題について取り組みを始めました。他の日建協加盟組合よりブラザー・シスター制度を紹介いただき検討しましたが、今年度は各支部において若手社員の意見交換会を開催することとしました。先の開催では、参加者からは「なかなか会うことができなかった年次の近い先輩後輩と話すことができ有意義であった」と好評でした。来年度以降もこの活動を継続し、若手社員同士の繋がりの創出に努め、そこから得た若者の本音を会社側に伝えるなど、若年層離職問題の解決に向けて尽力していきたいと考えています。
各支部での取り組みとして、名古屋支部では、地元の児童養護施設で開催されるクリスマス会等に参加し、子どもたちとふれあう時間を大切にする活動をしています。子どもたちから手作りの感謝状をいただいた時は、このような社会貢献活動の意義を強く実感することができ、活動継続の大きな原動力となっています。
また、東京ディズニーランド・名古屋ドーム・ユニバーサルスタジオジャパンで支部レクリエーションを開催しました。参加した組合員はみな笑顔にあふれ、家族ぐるみでの交流を深めました。
建設産業の魅力化に向けて
建設産業の魅力化に向けて必要なことは、月並みですが賃金水準の向上と就労時間の改善だと考えています。賃金交渉においては、全国オルグ等を通じてより多くの組合員の意見を聴取し、実りのある労使交渉とすべく全力を尽くします。また、労働環境改善に向けて協議を行う人間尊重委員会では、労使一体で具体的な取り組みの検討を進めています。
「組合に意見を言ったところで何も変わっていない」といったあきらめ感をいち早く払拭したい・・・ただその思いで、日々の組合活動に邁進しています。
日建協に期待すること
土休については、どうしても建設産業特有の構造的な問題が妨げとなり、なかなか実現には至りません。当労組で実施した労働時間に関するアンケートでは、「土休取得に必要なこと」の回答には、適正な人員配置に次いで法整備が挙げられました。人員配置は各社ごとの問題ですが、法整備については各加盟組合では活動を行うことができません。日建協では、関係官庁や諸団体に対して意見発信等を行っていますが、ルールづくりに向けた政策的な活動を期待しています。
熊澤委員長と上堤書記長の言葉からは、なんとか現状を変えたいという強い思いが感じられ、組合活動に臨む真摯で前向きな姿勢がとても印象的でした。また、日建協の活動については、他加盟組合の情報などを取り組みの参考とするだけでなく、組合活動にちする熱い意気込みに触れられることが活動の励みになっているとの言葉をいただきました。
大日本土木労働組合の皆さんの今後の活動が、実り多きものとなりますよう祈念いたします。日建協も全力で応援していきます。