NikkenkyoNews Vol.46 第3回 BWI アジア太平洋地域大会に参加しました!

於:フィリピン マニラ
日 時:2015年4月8日(水)~9日(木)
参加者:植村、田中

 

46-14月9日(木)にフィリピンのマニラで開催された第3回 BWI アジア太平洋地域大会に、日建協から植村議長、田中執行委員の2名が参加しました。また、大会前日に行われた「移住者と労働組合:可能性と課題」をテーマにしたセミナーにも参加し、各国の移住労働者や労働組合に関する現状と課題について情報交換を行いました。
BWI は正式名称を Building and Wood workers International (国際建設林業労働組合連盟)といい、2005年12月に設立された建設及び林業に関する国際産業別の組合組織です。現在、130ヶ国326組織1,200万人で構成されています。また、アジア太平洋地域では、90組織が加盟しています。主に、一国では解決できない国家間にわたる労働問題を解決するため、また組合組織が未発達の国に対して、法整備等の支援を行うために様々な活動を続けています。
日本から参加したのは、BWI 日本協議会(BWI-JAC)のメンバーである日建協、森林労連、UA ゼンセン、全建総連から派遣された代表団総勢11名です。

 

セメント企業合併に対するチラシを掲げる各国代表者

セメント企業合併に対するチラシを掲げる各国代表者

地域大会には、17ヶ国52組織から110名の代表を含む150名が参加しました。
開会式にて、パー・オルフ・スジョー BWI 代表から「アジア太平洋地域の経済成長は著しいが、労働に関する多くの課題に直面している。移住労働者の不安定な雇用や不法な搾取をやめ、安全衛生基準を満たした労働環境を創出しながら経済成長を引き起こしてほしい。」と挨拶がありました。

FIFAに対し「労働はチームメンバーである」とキャンペーンする様子

FIFAに対し「労働はチームメンバーである」とキャンペーンする様子

 

2011~2015年の4年間の地域活動報告では、セメント業界大手の Holcim (ホルシム:スイス)と Lafarge (ラファージュ:フランス)の合併により労働者の権利を軽視する問題や2022年カタールワールドカップ開催に関わる建設労働者の権利、人権尊重が守られるよう主催者である FIFA に対応を求めている問題に対するキャンペーンなどの報告がありました。
地域アクションプランは、相対性理論の公式をもじった「E=mc3」を概念に、「E」はエンパワメントであり、BWI アジア太平洋地域が組織を拡大し、安定的な活動を行うためには、「m」の多国籍企業と3つの「C」である森林に関する認証企業、セメント企業、中国企業に接触し、そこで働く労働者が組織化し、団体交渉ができる環境を作ることがプランの原則であると説明を受けました。

 

スジョーBWI代表と握手を交わす植村議長

スジョーBWI代表と握手を交わす植村議長

最後に、アンベット・ユソン BWI 書記長から「組織を持続可能にするためには、若いリーダー達にチャンスを与え、能力を開発していくことが大事である。組織の問題は、財政的な問題だけでなく、次世代のリーダーを育成することも重要な課題である。」との挨拶で大会を締めくくりました。

 

日建協は、今後も BWI および日本協議会の活動をつうじて、国外で起こっている労働問題について情報収集を行うとともに、日本の産業別組織としての役割をしっかりと果たしていきたいと思います。