NikkenkyoNews Vol.54 「めざせ 4週8休!」作業所訪問記③ 相馬市役所新庁舎建設建築主体工事

於:福島県相馬市
訪問日:2015年6月8日(月)

 

完成パース

完成パース

「めざせ 4週8休!」作業所訪問記では、週休2日モデル工事や4週8休の実現にむけて積極的に取り組んでいる作業所を訪問し、休日取得のための課題や解決策について取りまとめ、皆さんにお伝えしていきます。今回は相馬市役所新庁舎建設建築主体工事を訪問しました。

 

工事名:相馬市役所新庁舎建設建築主体工事
工 期:平成26年9月19日~平成28年9月30日
発注者:相馬市
施工:戸田建設・小野建設・中村土木 特定建設工事共同企業体

 

 

杭工事開始前

杭工事開始前

このプロジェクトは、福島県沿岸部に位置する相馬市役所新庁舎の建設工事です。現在の市庁舎は東日本大震災での津波被害は免れたものの、耐震診断の結果、防災拠点としての機能が果たせない状況にあることから、隣接した敷地に新築として計画されました。余震がなおも続き、一日も早い完成が望まれる中、当初の契約工期では4週4休にならざるを得ませんでした。昨年10月に着工以来、地中障害の発生などもあり、今回の訪問時はまだ杭工事開始前でしたが、作業所では今後4週6休を目標に掲げ、休日取得に取り組んでいきます。実際の取り組みをいくつかご紹介します。

 

・様々な施工状況を受けて、発注者に対し変更対応工事に対する工期延伸交渉を行った結果、余裕を持った対応工期を獲得でき、結果的に全体工期の中で4週6休を目指せる状況になった。
・工期延伸の結果、分離発注の設備工事会社との総合図作成をはじめ、施工図作成業務が前倒しになり、フロントローディング型の施工図工程が実現した。生産性向上をはかりながら、休日取得の拡大を目指した作業所運営をしていく。
・工期延伸の結果、改めて工法の検討期間ができ、安全で工期短縮を見込める工法を取捨選択できる状況となった。(基礎の在来工法→鋼製捨型枠工法、梁筋の地組工法→先行丘組工法、クレーンの選定、敷地スペースの拡大、簡易排水井戸設置による地下水位低下対策 他)

 

作業所訪問の様子

作業所訪問の様子

作業所長から今後の課題としては、「地域特性として、福島県沿岸部では護岸整備工事がフルで稼働しており、作業員のための宿泊施設が不足している。県外から労務確保する場合は宿泊施設確保が必須だが、工期延伸により躯体工事が約6ヶ月スライドしたため、宿泊問題を含め躯体労務を改めて確保できるかが目下の懸念材料である。」とのことでした。

 

日建協ではこうした作業所訪問をつうじプロジェクトの特性に応じた課題・解決策を整理するとともに、作業所における4週8休の実現にむけた提言活動に反映させていきます。