NikkenkyoNews Vol.55 作業所で働く組合員の生の声を伝える!・・・国土交通省地方整備局提言活動

北海道開発局 2015年5月22日(金)     近畿地方整備局 2015年6月12日(金)
東北地方整備局 2015年6月 9日(火)   中国地方整備局 2015年6月18日(木)
北陸地方整備局 2015年5月25日(月)   四国地方整備局 2015年6月11日(木)
関東地方整備局 2015年6月 4日(木)   九州地方整備局 2015年6月19日(金)
中部地方整備局 2015年6月 1日(月)

 

日建協(写真左)と関東地方整備局(写真右)

日建協(写真左)と関東地方整備局(写真右)

5月から6月にかけて、作業所の労働環境改善を目的に、提言書 「作業所における4週8休の実現にむけて ~誰もが働きたいと思える建設産業をめざして~」を用いて、北海道開発局及び全国の地方整備局に対して提言を行いました。
提言書はこちらをクリックしてください。

日建協(写真左)と四国地方整備局(写真右)

日建協(写真左)と四国地方整備局(写真右)

各地方整備局からは、
「改正品確法の運用指針で定義された発注者責務をもって、適正な設計変更など、施工円滑化にむけた各種施策を確実に推進していく」
「地方発注者協議会などをつうじ、地方公共団体などと発注に関する情報共有を行い、地域における施工時期の平準化などに努めていく」
「民間工事への波及については、直轄工事が手本となるよう意識して取り組んでいく」
「工事の性格や地域の実情等あるが、4週8休モデル工事を推進拡大していく」
などのご意見をいただきました。
担い手三法が改正され、建設産業の課題解決にむけた工程表が示され、国土交通省の施策が本格化し始めている中、例年にも増して、施策の運用強化・周知徹底に取り組もうとする強い意欲を感じることができました。しかしその一方で、いまだに土木作業所アンケートでは取り組みのバラツキについて訴える声が多く、各種施策の効果が十分に出ているとは言いがたいのが現状です。
日建協では今後も、各地方整備局に対し、各種施策の確実な運用と履行確認を求めるとともに、施策理念を他の公共発注者のみならず民間発注者へも浸透させるよう求めていきます。

 


 

提言の概要については以下のとおりです。

 

 1.民間発注者との理念共有(改正担い手三法)
 2.プロジェクト全体期間の適正化

・日建協の考える適正な工事工程(日建協標準工期)
・工事工程の算出方法(設計施工分離方式の場合)
・着工準備期間(余裕工期)の確保(設計施工分離方式の場合)
・「管理工程表」の活用による進捗管理の共有と適切な工程延伸
・発注時期、納期、施工時期の平準化

3.4週8休現場の推進による作業所の労働環境改善

・4週8休モデル現場の積極的な展開への理解
・統一土曜閉所運動への理解協力

4.施工円滑化にむけた施策理念の共有
5.下流工程への負荷を軽減する建設生産システムの普及促進

・フロントローディング型の実施設計の推進
・フロントローディングで活躍できる人材の量的確保と育成強化

6.産官学連携の建設産業PRでの中長期的な人材確保

・こどもたちにむけた建設産業のPR
・広報コンテンツの提供
・国民的イベント及び観光業との連携強化
・地域社会へのPR

7.技能労働者の処遇改善による作業所の労働環境改善

・賃金向上と社会保険加入促進
・雇用形態の明確化
・労務需給のマッチングを実現する人材派遣システム

 

【1.民間発注者との理念共有(改正担い手三法)】では、改正担い手三法の理念を建設産業全体へ確実に浸透させるためには、民間発注者との理念共有が不可欠であることを訴えました。

 

【2.プロジェクト全体工期の適正化】では、企画、調査、設計、施工の各段階において適正な期間を確保するよう求めています。実現にむけては、管理工程表の活用による四者(発注者、設計者、監理者、施工者)の情報共有化、余裕工期での発注、発注時期・納期・施工時期の平準化が必要であるとしています。

 

【3.4週8休現場の推進による作業所の労働環境改善】では、民間工事においても東京五輪関連など特に社会的注目度の高いプロジェクトを4週8休モデル現場として選定していただくよう求めました。また、統一土曜閉所運動を建設産業全体の取り組みとして広げるため、更なる理解協力を求めました。

 

【4.施工円滑化にむけた施策理念の共有】では、国土交通省の示す様々な施策によって円滑に事業が進むことは発注者を含め事業に携わるもの全ての切実なる願いであり、民間事業においてもその施策理念を共有して施工円滑化を進めることが重要であることを訴えました。

 

【5.下流工程への負荷を軽減する建設生産システムの普及促進】では、後工程にしわ寄せがいく現行の生産システムに対し、四者が協力体制を築き、上流工程で諸課題を解決していけるような事業の特性に応じた建設生産システムの構築と、その普及促進を求めました。

 

【6.産官学連携の建設産業PRでの中長期的な人材確保】では、次世代を担うこどもたちに建設産業の社会的役割を伝える機会を創出するための建設産業のPRや、完成CGコンテンツの提供、東京五輪などを通じた建設産業のイメージアップ、地域社会への社会的役割PRの協力などを求めました。

 

【7.技能労働者の処遇改善】では、技能の見える化(技能に見合った賃金、社会保険加入、就労履歴管理、雇用形態の明確化など)を産業全体で強く推し進めていくことが作業所の4週8休の実現、産業の魅力向上に繋がるとして、技能労働者の処遇改善を求めました。