日建協出前講座2022 学生の就職意識は・・・
日建協では、将来の建設産業を担う土木・建築系学科の学生にゼネコンの仕事内容や魅力を知ってもらうために、2006年より全国の大学で出前講座を開催しています。2022年度は7大学で開催し、合計620名が受講しました。講義後に実施したアンケートの結果や、講義の内容を紹介します。
●学生の就職意識
希望就職先を聞いてみると・・・
出前講座アンケートで学生に希望就職先を聞いたところ、2020年度調査より「ゼネコン」が3年連続で最多となり、次いで「設計事務所・コンサルタント」「官公庁・公務員」「住宅メーカー」「不動産・デベロッパー」の順となりました。
就職先を決めるうえで重要視することは・・・
就職先を決めるうえで重要視することを聞いたところ、前年同様、多くの学生が「給料」「安定性」と回答しました。また、昨年より「労働時間」「休日」と回答した割合が増加しました。
●出前講座の紹介
出前講座では加盟組合より講師を募り、「ゼネコンの仕事」「若手社員の一日」「意匠設計・施工管理の仕事」などについて若手社員からの動画メッセージなどを交えて講義をしました。
フジタ職員組合 中島 耕平 講師
ゼネコンの仕事 ―
・工事全体をマネジメントするのがゼネコン。そして、『ものづくり』の中心的役割を担っている。
ゼネコンの魅力・やりがい
・土木・建築工事は、単品受注生産。ひとつのプロジェクトが完成するまでには、設計者や協力会社、職人など多くの方の力が必要であり、大勢の人達を纏め、構造物を構築する事が、我々の仕事。
・スケールの大きな仕事にやりがいを感じる。
・工事の経験を成長として感じることができる。
若手社員の一日
・朝礼では当日の作業内容、注意事項を周知徹底し、体調確認や安全宣言、危険予知活動を行う。
・職員と協力会社職長が集まり打合せを実施。自分の担当だけでなく、全体を把握する必要がある。
学生の声
・一箇所にとどまらず日本各地で仕事ができる点に興味を持った。
・実際に建設産業で働いている人たちの意見を聞けて良かった。
・労働環境が改善されつつあると知り興味が湧いた。
五洋建設労働組合 熊本 健 講師
ゼネコンで働くということ ―
講師より、「自身の経歴」「建設業界とは」「ゼネコンの作品紹介」「ゼネコンの仕事紹介」「海外勤務」などについて講義をしました。「ゼネコンの仕事紹介」では、意匠設計・施工管理の仕事について、若手社員の入社後の経歴や仕事の内容を紹介し、若手社員の仕事に対する思い、魅力を学生たちにむけて動画メッセージで伝えました。
意匠設計の仕事とは ~入社3年目・男性社員より~
・ゼネコンの設計業務の魅力は現場のものづくりの最前線で設計に携われること。多くの人と出会い、施工中・竣工まで携われる。
・担当案件を持てた今、この建物の設計に思いを注いでいる。この建物が完成した時の喜びはきっと大きいと思う。
施工管理の仕事とは ~入社9年目・女性社員より~
・施工管理は大変な仕事だけど最もやりがいを感じられる仕事。人生は1度きりなので私はこの仕事を選んだ。
・現場経験を重ねるたびに知識が増え、現場ごとに成長がある。想像を超える魅力の中で私は働いている。
学生の声
・大規模で後世に残る建築ができるところが魅力的だと感じた。
・若い女性社員の話を聞けたことで、女性でも挑戦していく人がいる環境なのだと認識が変わり、興味を持った。
・ゼネコンは女性が働き続けられる環境づくりをどんどん進めているという点が新鮮でした。
*講師を務めていただいた皆様、ご協力ありがとうございました。
おわりに
学生は就職先を決めるうえで、以前にも増して「労働時間」「休日」を意識していることがわかりました。より多くの学生がゼネコンを志望するためには、建設産業が他産業に見劣りしないように、引き続き長時間労働の削減、休日取得の促進に取り組み、「安心して働き続けられる環境」を確かなものにしなければなりません。日建協では、これからも多くの学生にゼネコンの仕事内容や魅力を伝えられるよう出前講座を開催していきます。