NikkenkyoNews Vol.52 損保労連と意見交換を実施
日時:2021年6月16日(水) 16:00~17:45
開催方法:Web会議
参加者:損保労連 落合執行副委員長、日建協 執行部10名
日建協では、建設産業の抱える課題の解決に資する情報や知識を得るべく、他の産業別労働組合との勉強会や意見交換を実施しています。今回、損害保険労働組合連合会(損保労連 加盟組合数:21組合、組合員数:約91,000人)より落合中央執行副委員長を講師に招き、日建協からの事前質問事項に対して勉強会形式で損保労連の取り組みを説明していただきましたので、内容をご紹介します。
☆日建協からの事前質問事項☆
1.損保労連の進める政策提言活動について
2.損保業界の働き方改革について
3.その他
☆回答(抜粋)☆
1.損保労連の進める政策提言活動について
〇産業としての課題抽出方法(アンケートなど)
・産別として組合員アンケートは行っていないが、単組の執行役員が参加する検討委員会や定期大会などの場を通じて単組経由で組合員の声を集約し、単組や個社で解決できない問題を提言に盛り込んでいる。
・損保労連の8名の専従者(本部執行委員)と中央執行委員が、手分けをして各都道府県を訪問し、現地の組合員の意見を収集している。(今期はコロナ禍によりオンラインにて開催)
〇提言先との意見交換の取り組み(行政や労使との懇談会など)
・年3回程度、産業別労使懇談会を開催している。労使懇談会には、加盟企業の社長が出席しており、業界共通の課題について意見交換を実施している。会議内容は、広報誌に掲載している。
・業界団体である損保協会とは必要に応じて個別に情報交換、意見交換を密に実施している。
2.損保業界の働き方改革について
〇残業時間ほかについて
・毎年、労働時間調査を実施しており、月の残業は平均で35時間程度である。各社テレワーク制度は導入しているが、テレワーク実施日の労働時間増についてはデータ上は表れていない。
〇柔軟な働き方について
・柔軟な働き方として、変形労働時間制(始業時刻を一定の選択肢のなかで選択できるもの)を採用している会社が多い。
〇労働時間管理について
・労働時間については、PCログで管理している会社が多い。
〇転勤・単身赴任について
・転勤の有無を従業員が選択できる加盟企業がある。
・単身赴任については、単身赴任者に対して個別の細かい調査は行っていないが、産別内で制度の共有などは行っている。制度は各社によって様々であり、2重社宅、帰省旅費支給、別居手当、別居休暇などがある。
3.その他
〇女性活躍、ジェンダー平等について
・これまでは、連合の「男女平等参画推進アクションプラン」に基づき活動を進めてきたが、次のステップとして連合の方針も参考に「ジェンダー平等推進アクションプラン」の策定を開始している。
〇SDGsについて
・損保労連の掲げる、「損保グループ産業で働く全従業員の労働条件の維持向上」、「損保グループ産業の健全な発展」につながるものと考え、数年前から取り組みを進めている。これまでは、身近なSDGsに関する取り組み事例の紹介を中心に行ってきたが、次のステップとして、各加盟単組の組合員の実際の取り組み紹介などを行っている。
〇コロナ禍での交流イベントについて
・コロナ禍でもできる組合活動の事例として、講師を招いたオンラインセミナーの開催などを実施している。また、直接訪問し生の声を聞くという機会は減少したが、その代わりにオンラインでのオルグの後に現地の組合役員のヒアリングを行ったり、アンケートを実施したりするなど、工夫をしながら進めている。
他産業の労働組合との情報交換・意見交換は私たちの活動の在り方を考える上で大変有意義であると感じます。日建協ではこれからも、他の産業別労働組合との意見交換を通して知見を広め、提言の立案やその他情報発信など各種活動に反映させていきます。(角)