世界の労働者の権利保護のために~ 第5回BWIアジア太平洋地域大会
第5回BWIアジア太平洋地域大会に参加しました! 2024年9月10日~12日
日建協は、海外における建設事情や労働環境についての情報収集・意見発信を行うために、建設業および林業に関する国際的な労働組合組織であるBWIに加盟しています。「BWIアジア太平洋地域大会」は各地域の持ち回りにより4年に1度開催されており、今回参加した第5回大会はBWIの地域事務所があるマレーシアの首都クアラルンプールのセリパシフィックホテルで開催されました。クアラルンプールは近代イスラム建築の高層ビルが立ち並び、都会を少し離れると夜も市場で多くの人が行き交う、多様な文化が混ざり合った賑やかな街です。今回は大会前日に行われたセミナーと大会の様子をお伝えします。
BWI会長 パー・オルフ・スジョー氏 開会の挨拶
気候変動の問題は最重要項目である。大気汚染や異常気象のために熱帯雨林が攻撃され、持続可能な事業活動に影響が出ている。BWIとしても労働者の権利と環境、アジア太平洋地域の生物多様性、将来の持続可能性や子供たちのためにも未来に向けた枠組みを作っていく必要がある。
第5回 BWIアジア太平洋地域大会のテーマ
「団結すればより強くなる 組合はよりいいものになる!」
ここ数年のアジア太平洋地域の香港、ミャンマー、タイなどの国々では市民の自由、結社の自由、団結権が厳しく制限され、民主主義が大きく後退しています。これらは労働組合の取り組みを直接的に妨げ、労働者が権利を主張することを抑圧するものです。この混乱の時代における連帯の重要性を強調し、労働組合が団結して困難を乗り越えなければなりません。世界が不安定な時代に、労働者の権利を推進するうえでの集団行動と連帯の力が重要だという意気込みがこのスローガンには込められています。
決議の一部抜粋 … 建設業とグリーン産業における女性労働者の技能向上
建設業やグリーンテクノロジー分野で女性労働者のスキルを習得させることで雇用機会の向上、賃金の向上、男女平等の促進に繋がる。BWIとその加盟組合は女性建設労働者向けの研修プログラムを開発・促進し主要な利害関係者と定期的に対話を行うことを推進。
終わりに
BWIアジア太平洋地域大会の参加を通じて、海外の建設労働者を取り巻く現状や取り組むべき多くの課題を再認識しました。労働環境や権利を守るためには、気候変動やジェンダー平等、労働組合がより強固に団結することが重要だということを実感しました。日建協では、加盟組合企業の海外への事業拡大や国内における外国人労働者が増加する現状もふまえ、引き続き国内外の労働環境などの情報収集やBWIとの積極的な連携をはかっていきます。