日建協第91回定期大会 新たなる風をとらえて つくろう 魅力ある建設産業を
7月31日、8月1日の両日、日建協は東京(日暮里)のホテルラングウッドにおいて第91回定期大会を開催しました。加盟組合から代議員と多数の傍聴者が出席し、活動方針などについて活発な議論を交わしました。スローガン「新たなる風をとらえて つくろう 魅力ある建設産業を」のもと、2014年度の日建協活動をスタートしました。
議長挨拶 「誇るべき魅力ある建設産業をめざして」
議長 植村 芳輝
昨年より引き続き本年度、議長を務めさせていただく植村と申します。この一年間、加盟組合の皆さんと共に、全身全霊で活動を進めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
建設産業は、その事業量が拡大している中で、現場で働く人材が不足するなど大きな課題を抱えています。そのような建設産業に対して危機感を抱いた国や業界団体は、建設産業の持続的な発展に向けて様々な取り組みを始めました。まさに産業全体が変わろうとしている現状において、今が労働環境を改善していく絶好の機会であると考えます。
今年度、日建協のスローガンは「新たなる風をとらえて つくろう 魅力ある建設産業を」です。まさに吹き始めている建設産業への風をしっかりととらえて、変わり始めた動きを正のスパイラルとして好循環に変えていくことが必要と考えます。長時間労働の抑制や賃金水準の向上など課題はまだまだ山積しています。新年度執行部は今一度活動の真意を問いなおし、魂のこもった活動を展開して参ります。
全ては一人ひとりが考えるワーク・ライフ・バランスの実現に向けて。そして、この建設産業の未来を担うであろう若者たちのために。
これまで先輩達が築き上げてきたこの素晴らしい建設産業を、魅力あるものにするために、全力で邁進していくことを此処に宣言し、私からの挨拶に代えさせていただきます。
《活動の2本柱》
◆産業政策活動
・提言活動
作業所ではたらく組合員の長時間労働などの諸問題の解消をめざして、行政や発注者へ提言活動を実施します。
・アドバイザー会議
土建共通の課題も多いことから、これまでの土建別での会議体にこだわることなく、また女性や若手の方にも参加していただき、柔軟性を持った意見発信に繋げていきます。
・産業の魅力化
建設産業の次世代を担う大学生を対象に出前講座を開催し、社会資本整備の重要性やものづくりのすばらしさを伝えます。
これまでの女性技術者会議での声を取りまとめ、関係機関に発信していきます。
◆加盟組合支援
・統一土曜閉所運動の推進
行政や業界団体、加盟組合企業とさらなる連携した取り組みを推進し、産業全体の運動に発展させます。
・休日取得、平日の所定外労働時間の削減
時短アイデア大賞入選作品「ノー残業当番」や時短アイデアグッズ「魔法のシート」、また時短推進委員会で作成した「時短ポスター」などを展開し、時短意識の高揚を図ります。
・賃金交渉基本構想の策定
加盟組合が効果的な賃金交渉に取り組めるよう、しっかりと協議を行い、2015年賃金交渉基本構想を打ち出します。
・日建協個別賃金の改訂
消費税増税や物価上昇による家計への影響を十分考慮し、あるべき賃金水準の見直しを行います。
・加盟組合個別支援
加盟組合がかかえる労働時間や雇用に関する問題、賃金に関する諸問題について、情報や資料の提供をするとともに、日建協顧問弁護士の紹介などの個別支援を行います。
《活動の基盤》
◆データバンク機能
・データの充実
時短アンケートや賃金調査、労働条件総合調査など実施し、充実した日建協活動の基盤とします。また、調査結果は適切に加盟組合へフィードバックします。
◆組織活動
・組織拡大にむけた取り組み
建設産業ではたらく組合員の声をさらに大きくするため、未加盟組合などに対して活動参加を呼びかけます。
・組織内外にむけた広報活動の充実
「Compass」や「Nikkenkyo News」など、活動をさらに知ってもらえるよう興味を惹く内容とします。また「R48」は、提言や時短に関する活動のフィードバックとあわせて、関係法令などの価値ある情報を提供していきます。
分散会で出た主な意見等
・長年にわたる日建協の政策提言の成果について、組合員にも分かるよう情報展開に努めてほしい。
・女性技術者が働きやすい職場について情報展開してほしい。女性技術者会議での意見はしっかりと関係機関に発信してほしい。
・時短推進委員会において、統一土曜閉所運動の産業全体への拡大策や他産別の時短の取り組み事例の展開方法などを議論し提示してほしい。
・賃金交渉については、月例賃金や一時金水準の向上に繋がる有効な情報を収集し発信してほしい。基本構想策定にあたっては引き続き情報の共有化をしっかりと行って進めてほしい。
・海外問題懇談会は、加盟組合間の有意義な情報交換の場となるよう、また抱えている問題の解決に繋がるよう開催方法を検討してほしい。
・日建協ヤング・ゴー!・ゴー!については、地方開催も含め検討の上、ぜひ今後も開催してほしい。
分散会で頂いた貴重なご意見は、今後の日建協活動の参考にさせていただきます。
日本労働組合総連合会(連合)副事務局長 小川 裕康 様
連合では、東日本大震災を風化させないこと、被災地の復興・再生を引き続きオールジャパンで支えていくこととしています。日建協のみなさんと共に課題解決に向け取り組んでいきたいと思います。
国土交通省 土地・建設産業局
建設市場整備課 労働資材対策室長 松下 雄介 様
建設産業は我が国の基幹産業の一つでありますが、今、様々な課題に直面しています。日建協には引き続き建設産業の方々の社会的、経済的地位の向上、働きがいのある職場の実現に向けて、より一層の活躍を期待しています。
厚生労働省 職業安定局 建設・港湾対策室長 上田 国士 様
建設産業の魅力を向上させるには処遇改善が重要なポイントとなります。そのためには、組合の主張、使用者の理解、行政の担保の3つが重要です。しっかりした主張を行うためにも活発な議論を期待します。
内閣府 男女共同参画局推進課長 仕事と生活の調和推進室参事官
内閣参事官 大地 直美 様
毎回活発に議論が行われる女性技術者会議は素晴らしい取り組みだと思います。建設産業での女性技術者の活躍のためにも、内閣府としてもWLBの実現を日建協、関係者のみなさんと連携しながら推進していきます。
建設産業労働組合懇話会(建設産労懇) 副会長
情報通信設備建設労働組合連合会 議長 福崎 信宏 様
建設産労懇の仲間とともに、建設労働者の社会的地位の向上、安全面、安心して働ける職場の確保に努めたいと考えております。日建協のみなさまの引き続きのご厚意を賜りますようお願いします。
~退任役員を代表して~ 前事務局長 澁川 明
第91回定期大会をもって、私たち3人は退任しました。第88回定期大会でデビューし、当時は、右も左もわからず挨拶をしていたことが思い出されます。
この3年間は、多くの方々と交流を持たせていただき、私たちにとって本当に有意義でありがたい日々でした。今後益々発展していく日建協を一OBとして陰ながら応援し続けたいと思います。
日建協は、建設産業ではたらく皆さんの想いにしっかりと応えられるよう、加盟組合とともに全力で取り組んでまいります。
今年度もどうぞよろしくお願いいたします。