今から始まる賃金交渉 ~賃金要求の作り方・使い方~
いよいよ2022年賃金交渉が始まります。皆さんの組合でも職場集会が開催される頃でしょう。
作業所で働くお金大好き・金子さんにも職場集会開催のお知らせが届いたようです。
賃金交渉では社会経済や建設産業の動向を分析し、会社の状況をふまえて運動方針を定めます。
〇 社会経済情勢、経済成長や景況感
〇 政府の政策や労働界、経済界の動向
〇 物価指標をもとにした実質賃金の確認
〇 建設投資額など建設市場の動向
〇 決算や業績予想をもとにした会社の状況
各種賃金調査や日建協個別賃金(Point参照)を参考に、自社の事業内容や企業規模等を勘案して目標とする賃金水準を検討。その際には、賃金表により「35歳で年収〇〇〇万円」といったかたちで賃金モデルを設定します。
賞与と一時金
「賞与」とは業績などの成果に対する配分のことで、主に経営者側が使う言葉です。一方、「一時金」は従業員が生活に必要な費用の額と、月例給との差を埋めるために支払われる賃金のことで、主に労働組合側が使う言葉です。どちらも月例賃金などの定期給と別に支払われる賃金で、同じものを指しています。受け取ってしまえば同じですが…
ちなみに、公務員の場合は「期末・勤勉手当」と呼びます。
賃金交渉では主に「月例賃金」「一時金」「初任給」にわけて要求を検討していきます。
〇月例賃金…生活の基盤となる賃金。安定した収入の確保と就労意欲につながる。
・賃金交渉においては、主に賃金表の改定による賃上げ(ベースアップ)を検討。
〇一時金…生活給としての側面があり、将来にわたる安定した生活のためには一定水準の維持は必須。
・一方で企業収益の分配としての側面もあり、会社業績の見返りをしっかりと享受することも必要。
・組合ごとに考え方や交渉方式が大きく異なる。
〇初任給…金業や産業の魅力化や持続的な発展のため、一定水準の確保が必要。
・会社から増額の申し入れがあることも多い。
付帯要求とは、手当や各種制度による処遇改善の要求。組合員の負担に見合った手当や、公平で働きやすい職場環境の実現に必要な制度の導入・改正を検討。2021年賃金交渉では、日建協35加盟組合中17組合が付帯要求を実施。また、会社からの申し入れにより手当や制度が導入されることもある。