続・東西組合細見19 野村労働組合

手前側左から、糸井副執行委員長、坂田執行委員長
森下副執行委員長、奥側左から、西口執行委員、福本書記長、上嶋執行委員、萩田執行委員

野村建設工業は、1945(昭和20)年8月31日に野村財閥の不動産を引き継ぎ不動産賃貸業と建設業を兼営する企業として創業しました。その後、1989(平成元)年8月18日に業務拡大、発展させるため不動産部門と建設部門に分社独立し、建設業専業会社として生まれ変わり、今日に至っています。

野村労働組合は、不動産部門の野村殖産株式会社と建設部門の野村建設工業株式会社の2つのグループ会社の組合員から構成されています。組合事務所は、大阪市中央区高麗橋にあり、戦前より続くモダンな社屋に構えております。


● 設立:昭和21年7月15日  ● 組合員数:101名(2012年10月19日現在)
● 支部数:2支部  ● 本部執行委員数:11名  ● 中央執行委員会:年20回


 「共存」と「共栄」が組合のテーマ

坂田執行委員長

過去、組合というのは会社と闘うためにあったと思いますが、最近は経済情勢が非常に厳しいのでそういうことも言ってられません。当組合は、会社と「共存」と「共栄」をテーマに活動を行っています。会社が成り立っていかねばなりませんし、組合も労働環境を良くしていかねばいけません。そのためには、会社の意見を組合員に包み隠さず伝える事が必要であり、そのパイプ役として組合活動を進めていきたいと考えています。伝え方ひとつで意味も変わってきますので、会社の考えや思いを真っ直ぐに組合員に伝えたいと思っています。

また、当組合には野村グループ内の建設会社で働く組合員と不動産会社で働く組合員がいます。組合活動をとおして、お互いの顔を知ることができ、仕事もやり易くなると言った声もたくさんあります。

野村労組ならではの取り組み

組合員のヨコのつながりを大事にしています。以前は運動会などを実施していました。現在は、みんなで集まってできるイベントを企画しています。なかなか皆さん忙しいのですが、イベント内容やスケジュールを決めることによって、そのイベントにむかって頑張れるようにしたいと思います。土日に実施しようとすると出席率が下がるので、平日の夜の開催も検討します。

ワーク・ライフ・バランスの実現にむけて

モダンな本社社屋です。

20代から40代は、結婚して子供ができる時期であり、一番生活が充実しなくてはいけない時期ですが、逆に仕事も忙しい時期でもあります。そういう意味で仕事と生活の調和というのは非常に難しい課題となります。仕事と生活の時間をそれぞれどう確保していくかが一番重要になります。「働いている時間をいかに短縮していくか」が、組合活動としてもやっていかなければならないと考えています。

当組合では、時短についての特別委員会をつくっています。委員の皆さんは現場勤務で、集まる事も容易ではありませんが、これからも継続して議論し、時短を進めていきたいと思います。

産業の魅力をあげるために

福本書記長

会社では大学生や高校生を対象に、現場でインターンシップを実施しています。私の現場にも大学生が2週間程勉強に来ました。

大学生は建築に対して「建築=設計」といった意識がはじめは強かったようですが、この2週間のインターンシップにより「現場っておもしろい。」「仮囲いの中で建物が少しずつ出来ていくプロセスに感動しました。」と、現場の魅力を体感して頂きました。

建設産業の魅力を伝えるためには、会社も組合も、もっとこのような活動を推し進めていけばよいと思います。

レトロでモダンな社屋や、組合設立当初の宣言文を見せて頂き、野村労組の歴史の重みをひしひしと感じる訪問となりました。インタビューの最後には、「統一土曜閉所が建設産業全体に広がり、組合員が休みやすい環境が出来ること期待します。」と、日建協活動にエールを頂きました。野村労組のみなさんの活動が実り多きものとなるよう日建協も応援していきます。