NikkenkyoNews Vol.35 業界団体との意見交換会(全建・日建経・日建連)

(一社)全国建設業協会(全建)

於:全国建設業会館会議室(東京建設会館) 2015年3月30日(月)15:00~16:40

(一社)日本建設業経営協会(日建経)

於:日建経事務所(東京原木会館) 2015年4月2日(木)10:30~11:00

(一社)日本建設業連合会(日建連)

於:全国建設業会館会議室(東京建設会館) 2015年4月7日(月)15:00~16:40

 

日建協では、建設産業が抱える諸課題の解決にむけて、産業に関わるものが共に取り組むことが重要と考え、業界団体と定期的に意見交換を行っています。3月下旬から4月上旬にかけて、全建、日建経、日建連の3つの業界団体と意見交換会を実施しましたので、その内容についてご紹介します。

 

1.労働時間の実態および時短推進活動について


 

◇ 日建協説明概要

日建協(写真左)と全建(写真右)

日建協(写真左)と全建(写真右)

2014年の時短アンケート結果を用いて組合員の置かれている現状を説明した後に、日建協の取り組む時短推進活動を紹介しました。また、業界団体に対し超長時間労働解消のために「建設産業独自の労働時間数値目標の設置」「適正工期での受注」、そして建設産業全体で土曜が休めるようにするために「統一土曜閉所運動の共催」「会員企業へのさらなる広報」等を求めました。

 

◆ 業界団体意見(抜粋)

・他産業では所定外労働時間が月20時間程度であり建設産業はまだまだ多い。過剰な労働で産業を成り立たせるようではいけない。経営者も労働者もめざすのは「産業の魅力化」である。

・適正工期を発注者にどう呼びかけていくか。適正工期や納期の平準化は改正品確法にも謳われており、当団体でもしっかりフォローしていく。

・受注者は「適正な価格」「適正な工期」「適正な契約条件」で受注しなければならない。発注者の理解を得ることは勿論だが、受注者自身の意識が重要である。金額も工期もダンピングしてはならない。自らの襟を正さなければならない。

 

2.政策提言活動報告


 

◇ 日建協説明概要

日建経(写真左)と日建協(写真右)

日建経(写真左)と日建協(写真右)

これまでの土木・建築の提言活動を報告した後に、2014年度の国土交通省本省提言「建設現場における4週8休の実現にむけて ~誰もが働きたいと思える建設産業をめざして~」および国土交通省の回答について説明しました。また、業界団体に対し「国交省発注4週8休モデル現場への積極的な関与と民間工事での採用促進」「建設産業のより一層のPR」を求めるとともに、「設計やサブコンとの連携」や「民間発注者へのインセンティブ」等について意見を求めました。

 

◆ 業界団体意見(抜粋)

・プロジェクト全体の工程管理は重要である。建築では今後、設計等の上流工程が遅れ工事工程にしわ寄せがおよぶ事態が増えてくるだろう。工期がこうならばこのコストといったような、2段階発注方式やメニューセレクト方式でのコスト提案が多くなる。その際の支払いは出来高払いであるべきだ。

・週休2日は小規模企業では実施が難しいが、行う意味は理解できる。民間工事でのモデル現場の展開は業界全体で行うべきである。他の業界団体との連絡協議会の場で話題に出し、展開を模索したいと思っている。

・民間工事の週休2日実現には発注者側に理解・協力してもらわなければならないが、モデル工事の実施は民間発注者にとってPRになるだろう。日建協の提言の通り、大型プロジェクトがPR面で効果が高い。

・民間建築工事においては発注者の理解に尽きる。まずは土木公共工事の4週8休モデル現場の運用状況を注視する。国交省が講じている様々な品確法改正に関連する取り組みを建設業界全体に定着させるため、民間建築工事でもモデル現場に取り組んでいければと思う。

 

3.女性活躍にむけた取り組み、次世代にむけた取り組み


 

◇ 日建協説明概要

日建連(写真左)と日建協(写真右)

日建連(写真左)と日建協(写真右)

女性技術者会議および出前講座について、開催意義やアンケートの結果などを説明しました。

また、業界団体に対し「男女均等に活躍できる環境の整備」「女性コミュニティ(学生+就業者)」の形成」「男性の意識改革のみならず女性の意識改革の更なる啓蒙促進」「業界団体による女子学生対象の業界説明会開催」「次世代の担い手への更なるPR」等を求めました。

 

◆ 業界団体意見(抜粋)

・大学教授から「文系の女子学生にも建設会社に入ってみたいという人は結構いるが、文系の女性が入社して何ができるかのイメージがわかないため、その先に進めていない」という話を聞いた。もっと建設産業のPRを行わなければならないと感じている。

 

今回の意見交換では、私たち組合員の労働環境実態および労使にて取り組むべき課題について、共通の認識を持つことができたと感じます。日建協では、今回いただいた意見を参考に、組合員の労働条件の向上や建設産業の魅力化にむけ、今後も取り組んでいきます。