NikkenkyoNews Vol.61 「めざせ 4週8休!」作業所訪問記④ 公共建築工事

公共建築工事(合同庁舎)整備事業
訪問日:2016年5月30日

 

「めざせ 4週8休!」作業所訪問記では、週休2日モデル工事や4週8休の実現にむけて積極的に取り組んでいる作業所を訪問し、休日取得のための課題や解決策について取りまとめ、皆さんにお伝えしていきます。今回は国土交通省営繕部発注の公共建築工事の作業所を訪問しました。

2015-61工事名:合同庁舎 整備事業
工 期:延べ32ヶ月
発注者:国土交通省
施 工:日建協加盟組合企業(建築) ※設備は分離発注

 

このプロジェクトは、国の様々な機関が入居する合同庁舎の整備事業です。大規模災害時の対策活動を行う警察局、自衛隊、気象台などが集約し、機能を強化した広域的な防災拠点として計画されました。

 

作業所長からは、「契約時の工期は適正であったが、着工後に地中障害が見つかるなど、工期変更を検討したが、職員は4週6休の勤務体制としつつも、土曜日を稼働することで作業員の確保がしやすくなることから工期を延伸することなく進めてきた。しかし躯体工事が終盤をむかえた現在、今後は日曜・祝日の閉所に加え、月1回の土曜閉所を実施目標に掲げ、休日取得に取り組んでいく」とのお話をいただきました。
また日建協からは、国土交通省官庁営繕部が策定に関わった日建連「建築工事適正工期算定プログラム」について、作業所に紹介しました。本プログラムは、完全週休2日など日建連が定める休日条件をもとに工期を算出するプログラムであり、適正工期の客観的指標となることで、発注者に対する適正工期の理解醸成につながることが期待されていることを伝えました。

 

竣工までには、まだまだ様々な課題に直面しますが、日建協では4週8休をめざす作業所を引き続き、応援していきたいと思います。

 

その他、作業所から各テーマについてのコメントを紹介します。

 

4週8閉所が「できない要因」
・技能労働者の低賃金や日給月給の問題により、土曜日を稼働せざるを得ない。
・当作業所が土曜閉所をしても、技能労働者が他の作業所に行ってしまい、生産合理性を欠く。

 

分離発注方式
・分離発注方式自体に問題はないが、建築と設備の取りまとめ役が重要である。

 

ECI方式
・特命の設計施工方式に近いのではないか。民間工事ではこれまでも行われている方式。
・公共建築工事では、施工者選定の透明性確保に課題があるのではないか。