日建協 2022年政策提言 建設産業の健全な発展とさらなる魅力化にむけて
日建協では、建設産業のかかえる諸課題解決のために、国土交通省本省および各地方整備局に対して政策提言を行っています。今回は11項目について、5月から7月にかけて提言を行いましたので、回答の一部を紹介します。
ASP:「情報共有システム」として、公共工事における受注者、発注者間のやり取りや工事書類の作成をWebにより行うシステム。
遠隔臨場:ウェアラブルカメラやスマートフォンなどを使って、各種確認行為を非接触・リモートで行うこと。
詳しい政策提言書の内容はこちら(http://nikkenkyo.jp/downL/teigen/2022.04-2022seisakuteigen.pdf)→
提言1:「著しく短い工期による請負契約の締結の禁止」について、すべての発注者を対象に周知徹底を
・民間の受発注者を対象に実施したアンケートの結果を踏まえて、「工期に関する基準」があまり浸透していない業界の団体に対して周知していく。
・2024年度から始まる時間外労働の上限規制の適用を見据え、関係機関との会議や講習会等、機会を捉え、周知していく。
提言3:すべての発注者に対し、4週8閉所が可能な工期での発注となるよう働きかけを
・各地方整備局をとおして、地方自治体に4週8閉所が可能な工期で発注するよう働きかけをしている。
・土日に限定して作業所を閉所する工事を2021年度から試行している。2022年度も引き続き行っていく。
・2024年から適用される時間外労働の上限規制について、国交省以外の発注者に対しても周知していく。
提言4:国交省の施策である書類簡素化要領、ASPによる書類のペーパーレス化の適切な運用を
・2021年度から、すべての工事書類について電子での提出を可能としました。
・「土木工事電子書類スリム化ガイド」を活用し、さまざまな機会を通じて周知徹底をはかっていく。
提言5:発注者になりえるすべての対象者に対して遠隔臨場の活用の周知を
・遠隔臨場が今後の施工管理の主流となり、生産性向上や長時間労働の削減につながると考えている。引き続き施策の展開と普及につとめていく。
・初めて遠隔臨場に取り組む事業者にむけて、現場の声などを収録した事例集を作成しているので、活用してほしい。
※ 遠隔臨場事例集(国交省HPより) https://www.mlit.go.jp/tec/content/001473626.pdf
提言10:作業所で使用する安全標識の図記号の統一と多言語表記の定着にむけた取り組みを
・建設業労働災害防止協会(建災防)、日建連、全建などと連携して図記号の統一を進めている。
・建災防で統一の安全標識や多言語化した安全標識を作成している。ホームページに載せているので利用して欲しい。
※ 安全標識集(建災防HPより) https://www.kensaibou.or.jp/safety_sign/index.html
おわりに
国交省本省や各地方整備局において、現場閉所を土日に限定する発注者指定型の週休2日工事を試行するなど、少しずつではありますが、これまで日建協が訴えてきたことが国交省の施策に反映されてきているのを感じました。日建協では引き続き、建設産業の健全な発展とさらなる魅力化にむけて取り組んでいきます。
政策提言の策定にあたり、ご協力いただいた土木・建築アドバイザーの皆さん、また作業所アンケートにお答えいただいた組合員の皆さん、ありがとうございました。