時短特集 : 「私たちの働き方」 を考えてみませんか?

日建協では、「ワーク・ライフ・バランスの実現」 「心と体の健康」 を目的として、日建協中期時短方針の中で二つの共通目標を掲げ、加盟組合とともに時短推進活動に取り組んでいます。


政府や国土交通省からは、「働き方」 改革として方向性が示されました。

 

政府では・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
働き方改革実現会議において、36協定で定める時間外労働の限度時間のうち臨時的な特別の事情がある場合であっても、年720時間の上限を設けるとしています。

 

国土交通省では・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
建設産業活性化会議による2020年までの工程表に基づき、作業所における週休2日制の実現をめざしています。

 

では、「私たちの働き方」 の現状はどうなのでしょうか。所定外労働時間や休日取得についてみてみます。

2016年11月に実施した日建協時短アンケートでは、所定外労働時間は全体平均で月52.3時間でした。しかし外勤技術者では、建築で71.9時間、土木で72.3時間となっており、日建協の共通目標である平均月45時間以内とはまだまだ大きくかけ離れています。

 

日建協全体でも、外勤技術系の所定外労働時間は減少傾向にあることがわかります。しかし、日建協が目標とする 「所定外労働時間の日建協平均を月45時間以内にする」 とはかい離があり、全産業平均と比較してもまだまだ大きな隔たりがあります。

一昨年から昨年にかけて所定外労働時間は大きく減少しましたが、休日の所定外労働時間については大きな変化がみられず、その割合は所定外労働時間全体の3~4割を占める状況となっています。休日に休むことが所定外労働時間の大幅な削減につながることがわかります。

 

監督官庁でもある国土交通省発注工事をふくめ、どの発注者の作業所でも日曜日は概ね休めているようですが、土曜日については半分程度しか休めていません。現状では多くの作業所で、4週6休が精いっぱいのようです。

 

当然の話かもしれませんが、工期が確保されている (閉所が多く見込めている) 作業所ほど、休める日数は多くなります。ただ、今日の作業所の多くは4週4閉所であり、作業所の状況から休日取得が困難なことがうかがえます。

 

 

「私たちの働き方」 をみてきました。所定外労働時間の削減、休日取得日数の増加、作業所における閉所日数の増加など課題は多く、私たちの努力だけでできるものではありません。国や関連団体においても、建設産業の労働環境改善の取り組みは進められてきています。いままでも、私たちは様々な時短施策に取り組んできましたが、時代の流れに合わせてさらなる改善が求められています。「私たちの働き方」 を、さらに進化させることが必要です。

画像をクリックするとPDFでみられます。

ワーク・ライフ・バランスの実現にむけて

作業所の4週8閉所と所定外労働45時間以内を目標に 「私たちの働き方」 の進化の過程を考えてみました。
 カレンダーによって状況は異なりますが、近い将来、9合目のような働き方をスタンダードにすることが求められています。
登り始めの段階で高みをみてしまうと、くじけてしまうかもしれません。しかし、少しずつ着実に高みをめざして取り組んでいくことで、いずれ高みにたどりつくこともできるのではないでしょうか。「高きに登るには卑 (ひく) きよりす」 と言います。
ただ、「山を登る」 ためには私たちの努力だけでは限りがあります。「装備」 を 「環境」 に応じて整えていくことも必要となります。では、労働時間短縮にむけての 「装備」 「環境」 とはなんでしょう。
「装備」 とは、私たちが働く作業所やオフィスなどの職場や使用する資機材、賃金制度をはじめとする会社の各種制度などのインフラを指します。十分な 「装備」 がなければ、満足のいく成果があげられないというのは、想像に難くないでしょう。
次の 「環境」 ですが、これは私たちの仕事を指します。外勤者にとっては目的物たるビルやトンネル、道路などの構築物を 『いくらで』 『いつまでに』 『どのように』 造るかがそれに当たります。与えられた 「環境」 如何では自らの努力による改善には限りがあります。
「労働時間短縮」 という山を登っていくにあたっては、この 「環境」 と 「装備」 と 「私たち自身の努力」 の三位一体となった取り組みが不可欠です。
皆さんが憂いなく労働時間短縮に努めるうえでの障害はなんでしょう。「環境」 「装備」 をどうしたいと望んでいるのでしょう。皆さんの憂いを取り除くために加盟組合があります。そして日建協があります。
労働環境の改善にむけて、ともに一歩ずつ歩んでいきましょう。

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