海外お買い物事情

日建協では、海外勤務に関わるさまざまな情報をお伝えしています。今回は生活していくうえで欠かせない食料品を中心に、価格や入手のしやすさなど海外での買い物事情を紹介します。

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(注意 : 為替は執筆時のレート、価格は円換算で端数表示は省略しています。)

カタール国街中にスーパーや商店があり、食料品や飲み物の入手には困りません。値段は日本と同じか少し高めです。特に野菜やフルーツは、輸入品のため驚くほど高いことがあります。

一方でパンは値段が安く、伝統的な中東のパン「ホブス」は10枚30円。ホブスで肉や野菜を巻いた料理シャワルマはカタールのソウルフードです。
イスラム教国のためお酒と豚肉は禁止されていますが、外国人は許可証を取得すればカタールで唯一の専門店で購入できます。

また、お酒は国の許可を得たホテルでも飲むことができますが、ビール1杯が1,000円以上するので日本の居酒屋が恋しくなります。


海に囲まれ、国土を花崗岩の岩山が占めるセーシェルは、ほとんどの品物を輸入に頼っているため物価は高めです。

1年半前にハイパーマーケットが誕生し、以前は手に入らなかった白菜やもやし、ネギなどが買えるようになりました。白菜は1玉2~3千円もするため買うのをためらいます。

セーシェルには日本料理店が1軒もありません。物価の高いセーシェルで唯一安く手に入るのがマグロです。キハダマグロやインドマグロは赤身でも大トロでも一律 600円/㎏で買うことができるため、マグロの刺身が食卓にあがることがとても多いです。


パキスタンには魅力的な食材がたくさんあります。ジューシーでとっても美味な鶏の丸焼きは500円。マンゴーやスイカ、ざくろは甘く深みのある味で世界に誇れる果物です。

日本の食材は入手が難しく、輸入食材店やお洒落なレストランがあるコサールマーケットに行って手に入れます。みそが1,250円、マヨネーズが1,300円もします。

イスラム圏なので当然お酒は禁止です。どうしても飲みたければ免許制の専用売店で買えますが、ビールが1ケース25,000円もします。


 私が住んでいるカットハイ島は、本土ハイフォン市とリゾート地カットバ島の間にある小島です。スーパーはありませんが、小さな売店や朝夕方に路上に広げられる市場で肉、魚、野菜が購入できます。
豚肉は600円/㎏、ジャガイモは75円/㎏、魚は500円/㎏で手に入りますが、ハイフォン市内より少し割高です。

私たちの食事は日本食を作れるコックが食材の仕入れから調理まで全て行っています。肉や野菜はハイフォン市のスーパーで、魚はカットバ島から新鮮な物を仕入れています。昨年9月に島とハイフォン市をつなぐ橋が開通し、30分で行けるようになり大変便利になりました。


 アジアの先進国シンガポールでは何でも買えます。日本の商品も地元のスーパーで簡単に手に入ります。また、日系のデパートやスーパーに行けばさらに品揃えが豊富で不自由さを感じることはありません。

・・・が、値段は日本の2倍近くします。特にタコや長芋といったシンガポールでは馴染みの無い食材は非常に高く、たこ焼きはちょっとした贅沢料理になってしまいます。また、アルコール類も酒税が非常に高く、焼酎や日本酒などは日本に一時帰国した際に購入したものをちびちび晩酌しています。

ちなみに、2013年に飲酒が原因で大規模な暴動に発展したリトルインディア地区の事件がきっかけで、現在では夜10時半以降の酒類販売と公共の場所(屋外)での飲酒が禁止されています。


 タジキスタンは物価が安く、特にロシア製ならタバコが1箱90円、瓶ビールが1本100円で買えます。

首都ドゥシャンベには肉、野菜など食料品が豊富にあり、外国人向けのショッピングセンターもありますが、日本製の食品は手に入りません。でも、多くのスーパーで海苔やわさび、麺類、醤油などが売っています、類似品ですが。

イスラム圏ですがロシア人も住んでいるためか豚肉が手に入ります。一方で内陸国のため魚介類は冷凍品しかなく、そのうえ高価でサーモンが1匹10,000円もします。
また驚いたことに、どの店にもドレッシングが全く売られていません。


 首都ロメには外国人向けのスーパーが数軒ありますが、日本の食品は醤油しかありません。普段は事務所から車で5分程のスーパーを利用しています。野菜から鮮魚、精肉まで一通りあり、特にハムとチーズは品揃えが豊富で晩酌には欠かせません。

困っているのは、精肉類が必ずしも新鮮ではないことです。ショーケース内の商品を指定し購入するのですが、新鮮かどうか素人目利きで判別しなければならずハズレを引くことも間々あります。
今では慣れましたが、鶏肉が一匹丸ごとでしか売っていないので自分で解体しなければならず、購入する度に日本の便利さを感じます。


 ハイチでは外国人向けのスーパーに行けば、蕎麦や醤油、ポン酢など日本の食材を買うことができます。ただ、交通渋滞が激しいので20㎞先の店まで1時間半もかかります。

値段は日本の2倍近く、日本製ビールは440円もします。日本は遠いうえ日本の食材を買う人が少ないので仕方ないですね。

ちなみに、外国人向けのスーパーでは私の母国メキシコの食材も手に入ります。私が赴任してから4ヶ月間が経ちますが、新鮮な魚を買えるお店がまだ見つかりません。自分で釣るしかないかもしれませんね。


海外でのお買い物事情はいかがでしたか。日本になじみのある食材は高かったり、手に入りにくかったりしているようですが、どの国や地域にも安くて美味しい地元の食材があるので、皆さん食生活を充実させるためにいろいろな工夫をしていますね。
ゼネコンの海外事業が拡大する中、日建協は引き続き海外勤務に関わる情報を組合員の皆さんに発信していきます。ご協力いただいた皆さん、お忙しい中ありがとうございました。