秋の夜長にゆっくり『睡眠』について考えよう  そしてぐっすり眠ろう

時短・WLB

 

「最近、朝起きるのがつらい」「十分に寝ているつもりなのにすっきりしない」などと感じている人はいませんか。ひょっとしたら睡眠時間が足りないか、睡眠の質が悪いのかもしれません。夜遅くまで一生懸命働いて、家に帰ってご飯を食べて風呂に入ったら午前様。これでは十分な睡眠はとれるはずはありません。睡眠は、私たちが生きていくうえで必要不可欠なものです。しかし、わかっていてもなかなか十分な睡眠をとれないのも現実です。「眠りたい」というのは、人間の3大欲求のひとつであり、よく眠っているというのは人間本来の姿と言えます。

秋の夜長、たまには家でゆっくり「睡眠」について考えてみませんか。

睡眠のはたらきとは?

睡眠のはたらきを知っていますか? 主に次の4つのはたらきがあります。

 

① 心と身体を癒す


睡眠には、一日の仕事で疲れた心と身体を癒す作用があります。身体と脳を休ませるためには、眠ることが必要です。特に脳は眠っている時にしか休息できません。

 

② 成長ホルモンを分泌する


人間は寝ている間に成長ホルモンを分泌します。成長ホルモンは子供だけでなく、実は私たち大人にとっても必要なものです。成長ホルモンが分泌しないことによって体内に老廃物がたまる、血管が詰まる、肌や頭皮が新しく生まれ変わらないなどの様々な弊害が出てきます。

 

③ 免疫力を高める


人間は、睡眠を十分にとることで身体の免疫力や自然治癒力が高まります。「風邪をひいたら寝るのが一番」などよく言われますが、睡眠の特性をよく言い表した言葉と言えます。一説には、ガンの芽(※)は午前0時から午前5時の間にできると言われています。また、代謝が活発な時間帯は午後8時から午前4時です。この時間帯に睡眠をとることによって免疫力を高め、ガンの芽を排除することが、ガン予防の観点から効果があると言われています。

 

※ 「ガンの芽」人間の体を形成している約60兆の細胞の内、何らかの原因で傷ついた細胞のこと。

 

 

④ ストレスを減らす


睡眠中に脳内でつくられる睡眠物質には、ストレスの原因となる有害物質を除去してくれるはたらきがあります。日ごろからストレスを抱えることが多い現代人にとって、ストレスをためないためにも睡眠をとることはとても重要です。

睡眠時間は十分とれていますか? ~建設産業は働き過ぎ!~

日建協では毎年11月、組合員約1万人を対象に労働時間に関する調査を行っています。2011年11月に実施した調査結果を見ると、2005年以降、1ヶ月間の所定外労働時間は日建協平均で60時間を超え、日建協共通目標の月45時間以内を大幅に上回っています。特に外勤技術系は80時間を超える高い値で推移しています。(図-1)また、外勤技術系においては、所定外労働時間100時間以上という割合が、建築で39.7%、土木で32.2%と、高い割合になっています。(図-2)

日建協の調査では、所定外労働時間が長い外勤勤務者ほど自分は睡眠不足と感じており、特に100時間を超えている人の8割近くが睡眠不足を感じています。睡眠不足の状態で長時間労働を続ける組合員の現状がわかります。(図-3)

睡眠時間不足が続くと・・・

長時間労働によって睡眠不足の状態が続くと、私たちの心と身体はどうなってしまうのでしょうか。

睡眠不足が続くと、私たちは慢性的に倦怠感を感じたり、ストレスがたまりやすくなる、キレやすくなるなどの状態になります。徐々に心の健康が損なわれ、うつ病などの心の病を患ってしまう可能性もあります。

身体面では、免疫力の低下により普段より風邪をひきやすくなったり、感染症にかかりやすくなります。さらに、睡眠不足による体内の糖代謝やホルモン系の異常により、高血糖、高血圧などの生活習慣病にもかかりやすくなります。

また、脳が休息できないことから著しく思考力が低下することが考えられます。頭がボーッとしている状態では、仕事に必要な判断力や記憶力、集中力などが欠如した状態で仕事をし続けることになり、作業の効率低下につながります。また、一緒にはたらく仲間を危険な状態にさらしてしまう可能性も否定できません。

図-4によると、作業所勤務中にヒヤっとしたりハッとしたことがある(ヒヤリハット)人は、睡眠不足を感じている人に多くなっています。

アンケート対象の1年間で、仕事中にヒヤリハットを経験した人は全体で8割近くにもなり、その中でも月に1回以上のヒヤリハットの経験をした人は、自分が睡眠不足だと感じている人のなかで2割にも上っています。安全面でも睡眠不足の弊害が出てきています。

理想的な睡眠時間は7時間

睡眠時間の長さと私たちの身体の関係はどうなっているのでしょうか。

アメリカの大学で睡眠時間と肥満度(BMI)の関係を調査した結果、睡眠時間が7~8時間の人の肥満度が低く、睡眠時間が短い人・長い人ともに肥満度が高いという傾向が見られました。(図-5)

また、図-6の40~79歳の男女約10万人を10年間にわたり調査した統計によると、生前に平日6.5~7.4時間の睡眠をとっていた人の死亡の危険率が一番低くなっています。

グラフを見るとわかるように、睡眠時間は短か過ぎても長過ぎても死亡の危険率は上がる傾向にあります。適度な睡眠時間の確保は、私たちの健康に密接な関係があると言えます。多少の個人差はあると思いますが、7時間睡眠は理想的な睡眠時間と言えるのではないでしょうか。

質の良い睡眠のための4つのポイント

私たちの心と身体には、「良質な睡眠」が必要です。午後10時から午前3時までの時間は成長ホルモンが多く分泌され、睡眠の『ゴールデンタイム』と言われています。

成長ホルモンは、とくに眠りはじめの3時間に集中して分泌されます。この3時間にグッスリと眠ることを意識することで、睡眠の質を高めることができると言われています。例えば、仕事で帰宅時間が遅くなった場合でも、午前0時には布団に入り、午前3時までの3時間に良質な睡眠をとることを心掛けましょう。

それでは良質な睡眠をとるためのポイントを4つ紹介します。

ポイント1 寝酒はほどほどに

適度な飲酒には、神経の緊張を緩和させ睡眠の導入を早める効果があります。しかし、それが度を超してしまうと良質な睡眠をとることができません。また、寝酒がエスカレートすると「飲まないと眠れない」という危険な状態に陥る可能性があります。やはり寝酒はほどほどにしましょう。

ポイント2 ぬるめのお湯で短めの入浴を

寝る直前に熱いお湯で入浴すると交感神経が興奮し、かえって眠りにくくなります。入浴は寝る1時間前までにすませることが理想的ですが、どうしても寝る直前に入浴したい場合は、ぬるめのお湯でさっとすませましょう。

ポイント3 寝る2時間前までに食事をとる

深夜に食事をとると消化のために身体に負担がかかり、良質な睡眠の妨げとなります。食事を早めに済ませることは、ダイエットやメタボリック対策にも効果的です。

 

ポイント4 脳をリラックスさせる

寝る前にゲームやメールをすると、脳を自ら刺激し交感神経を高ぶらせることとなり、眠りづらくなります。軽い話題の雑誌や写真集、穏やかな音楽などで脳をリラックスさせましょう。

 

以上、良質な睡眠をとるために気をつけるべきことを紹介しましたが、どれも私たちの意識次第で取り組めそうなことばかりではないでしょうか。

 

今回は、「睡眠」という身近な話題を取り上げてみました。「睡眠」をとることが、私たちの心と体にとっていかに大切かわかっていただけたことと思います。たまには早めに仕事を終わらせ、早く家に帰ってリフレッシュしませんか。そして、翌日エネルギッシュに働くためにも、「良質な睡眠」をとりましょう。

そのためにも、常に時短意識を持って仕事をすることが大切ではないでしょうか。

 

レム睡眠とノンレム睡眠

睡眠は、精神疲労の回復を担当するレム睡眠(夢を見る状態)と、肉体疲労の回復を担当するノンレム睡眠(深い睡眠状態)が、交互にある一定のリズムで訪れることによって成り立っています。朝に熟睡した感覚がある人は、寝始めの3時間に深いノンレム睡眠がとれている人です。この眠りのメカニズムを意識して、上手に睡眠をとりましょう。

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