心に響け! 熱きこの思い ~「日建協出前講座2012」を開催~

ガタンッ ガタガタガタッ ゴォォォ- 地鳴りのような大きな衝撃音とともに強い振動がからだを揺さぶった。肘掛に置いた手に自ずと力が入る。どれくらい経っただろうか、うっすらと重い瞼をあけると周囲の乗客は身支度を始めていた。「行くぞ!」同僚に声をかけられた。決して眠かったわけではないが、気持ちを引き締めるため2、3回自らの頬をたたいた。沸々と湧き上がってくる感情に身震いが止まらない。「早く学生に建設産業の魅力を伝えたい」、「この熱き思いは学生たちの心に響くのか」、高ぶる気持ちと多少の不安を胸に抱きながら、我々は寒風吹き荒む新千歳空港に降り立った。

こうして2012年の日建協出前講座が北海道の地で幕を開けました。個性あふれる講師陣の紹介とともに出前講座の様子を紹介していきます。

下図の通り建設業への新規学卒者の入職者数は、1995年をピークに減少傾向が続いています。建設投資額減少に伴う業界全体への将来性懸念、マスコミ報道によるマイナスイメージなどから、「建設産業に入職する」という選択肢が簡単に敬遠されているのかもしれません。学生たちは建設産業、その中でも「ゼネコンで働く」ということを正しくイメージできているのでしょうか。

日建協では、このような現状を危惧して、2006年より各地の大学で、土木・建築を学ぶ学生を対象に「建設産業の魅力、ゼネコンの仕事、働く喜び」を授業の一環として伝えています。その講座の名称が「日建協出前講座」です。北海道大学を皮切りに、今回は5大学(北海道大学、東洋大学(2回開催)、法政大学、名古屋工業大学、大阪工業大学)で計6回の出前講座を開催し、368名の学生が受講しました。

はじめに日建協からビデオ上映(明日をつくる建設産業)を織り交ぜながら建設産業全体(社会的役割・建設産業の魅力など)について説明しました。その後、加盟組合から招いた講師が「ゼネコンでの働き方、施工管理の仕事、入社後のモチベーションの変遷」について、良い部分も悪い部分も包み隠さず伝えました。真剣な眼差しで講師の説明に聞き入り、熱心にメモを取る学生たちの姿がとても印象的でした。

今回教鞭をとってくれた講師は、こちらの6名です。講師のみなさんは「ゼネコンで働く素晴らしさを少しでも理解して欲しい」との思いから、それぞれが徹夜(!?)で作りこんだ資料を用いて、時間の許すかぎり「熱く!熱く!熱く!」学生たちに語りかけました。感想を見ても分かる通り、熱き思いは、十分に学生たちの心に響いたようです。講師のみなさん、本当にありがとうございました。

 

「共に分かち合おう!ものづくりの喜びを」


講師 伊吹 真一さん
所属 鉄建建設職員組合
場所 北海道大学工学部

「常に現場は一発勝負-お客様に喜ばれ自分に誇れる仕事を」


講師 植松 宏明さん
所属 戸田建設職員組合
場所 東洋大学理工学部

「“アラミージョ橋”との出会い」


講師 伊澤 美幸さん
所属 ピーエス三菱労働組合
場所 東洋大学理工学部

「現場力はチームワークから」


講師 櫻井 孝さん
所属 間組職員労働組合
場所 法政大学デザイン工学部

「私が地図に残した仕事」


講師 加藤 公章さん
所属 佐藤工業職員組合
場所 名古屋工業大学工学部

「いま君たちに伝えたい3つのこと」


講師 西口 典之さん
所属 大鉄工業労働組合
場所 大阪工業大学工学部

 

アンケート結果を見ると、ゼネコンのイメージについては、「社会貢献度が高い、やりがいがある、将来性が見込める」との問いかけに対して、多くの学生が「そう思う、ややそう思う」との肯定的な回答をしています。しかし、「肉体的な心配はない、残業が少なく休みは多い、仕事と生活のバランスが良い」といった労働環境に関する問いかけに対しては、肯定的な回答は少ない結果となりました。特に「仕事と生活のバランス」については、多くの学生が就職先を決める上で「重要視する」としています。これから社会に出る次世代を担う若者にとって、ゼネコンがより魅力的な職場として映るためには、労働環境の改善が非常に重要であるということが分かります。

  • ゼネコンは悪いイメージだったが、具体的に何をして、どのように社会の役に立っているのか知ることができた。かっこいい仕事だと思った。(3年女性)
  • 興味はあるが知識は少ない業種だったため、出前講座は今後の進路を考える上で大変参考になった。(3年男性)
  • 良い部分も悪い部分も聞けて参考になった。(3年男性)
  • 数学、構造力学、土質力学など大学での知識が実際の仕事に多く関わってくることが知れた。(3年男性)
  • 女性でもゼネコンで活躍できるのか不安だったが、女性技術者のお話を聞けて少し不安が解消できた。(2年女性)
  • 今までデザイナーになることしか頭になかったが、施工管理もやりがいのある仕事だとわかった。(1年男性)
  • 働く意義、働くとは何なのかということが少しだけ理解できたように思う。自分と向き合い、今自分は何がしたいのかをしっかり考えて就活に活かしたい。(3年男性)
  • 地域に役立つ仕事、みんなでつくり上げる仕事、ゼネコンで働きたいと思う気持ちが強まった。(3年女性)

(一部抜粋)
このほかにもたくさんの感想をいただきました。

さいごに
受講した学生からは、「建設業のやりがいがよく伝わった」「ゼネコンで働きたいという気持ちが強まった」といった、嬉しい感想がたくさん寄せられました。日建協では、加盟組合員のみなさんと一緒に、これからも様々な活動を通して建設産業の魅力を伝えていきます。
~建設産業の明るい未来のために~

業界団体との連携
「建設産業の魅力を伝えたい」という思いは業界団体も同じです。日建協出前講座では、主旨に賛同いただいた日本建設業連合会(日建連)よりビデオおよびパンフレットを提供していただきました。