NikkenkyoNewsVol.52 業界団体との定期懇談会(日建連・全建・日建経)

一般社団法人日本建設業連合会(日建連) 2016年4月8日
一般社団法人全国建設業協会(全建)   2016年3月28日
一般社団法人日本建設業経営協会(日建経)2016年4月1日

 

日建協では、建設産業に関わるものが、産業の諸課題の解決にむけて共に取り組むことが重要と考え、業界団体と意見交換を行っています。今年度も3月下旬から4月上旬に、日建連、全建、日建経と意見交換会を実施しました。
今回の意見交換では、建設産業の現状の問題点について、共通の課題認識を持つことができたと感じます。私たち組合員の労働環境改善にむけ労使で取り組むべき課題は多岐にわたりますが、今回いただいた意見を参考に、日建協は今後も解決にむけた取り組みを継続して行っていきます。

2015-52

以下、業界団体からの意見を紹介します。

 

1.労働時間の実態及び時短推進活動について

 

◇ 日建協説明概要
2015年の時短アンケート結果を用い、組合員から見た建設産業の現状について説明した後、日建協が取り組んでいる時短推進活動について紹介しました。また、業界団体に対し建設産業の魅力向上にむけて、「長時間労働の改善のため実施している時短活動への後押し」「多様な働き方が実現できる環境整備」についての協力を求め、「建設産業の持続的な発展にむけて広く意見発信すること。」をお願いしました。

 

 業界団体意見(抜粋)
・人口減少に伴い、産業として働き手の確保については問題意識を持っており、業界団体としても真摯にとらえている。
・国は工期を4週8休で算定していると言っている。しかしながら積算上の価格、つまり実勢価格は4週8休になっていない。そこに矛盾が生じている。
・「請負体質」「前近代的」「商慣習」といった問題は建設産業特有のものである。そういう問題にも対処していかなければいけない。
・転職先に公務員を選ぶ人の割合が多いが建設部門が多いのか。会員企業からも公務員に引き抜かれるという話をよく聞く。
・長時間労働で土曜日も休めない産業では魅力がない。息子を自分が働いている会社に就職させたいと思えるようにすることが第一歩だ。
・休むことが褒められるような仕組みが出来ないといけない。生産性を上げてきちんと仕事をして帰る人が評価されるような産業になるとよい。

 

2.政策提言活動報告

 

◇ 日建協説明概要
2014年度の土木・建築の提言活動を報告した後に、2015年度の国土交通省本省提言「作業所における4週8休の実現にむけて~土曜日を当たり前に休める産業であるために~」及び国土交通省の回答について説明しました。業界団体に対しては「短工期受発注の根絶のため4週8休ができる工期での契約」「業界団体独自の4週8休取り組み目標の設定」を求めるとともに、「適正な工期で発注した民間企業に対する行政からのインセンティブ」や「工期の適切性を判断する客観的指標」等について意見を求めました。

 

業界団体意見(抜粋)
・「公共工事に関しては品確法の運用指針や適正工期などの取り組みがなされているが、民間工事には何もない。今後、民間工事についても行政が縛るような仕組みを考えて徹底して欲しい」と中建審の基本問題小委員会で訴えている。
・民間工事では片務性があり、施主の力が強い。適正利潤や安全工期などの法整備を行う環境が整いつつある中、どのように民間の施主、国民一般の理解を得ていくかが課題である。そういったことを国にやってもらえれば長時間労働などの問題も改善されるのではないか。
・魅力を感じない理由にあるように、今後私たち業界団体が頑張らないといけないのは、対等といいつつ実質的には対等とはいえない受発注者間の「請負体質」と「前近代的な体質」ではないかと考えている。
・国交省は4週8休で積算しているといっているので、どこに問題があり4週8休が進んでいないのか調べている。発注者側の問題を提起するだけではなく、受注者側の問題も整理して国交省に提言をおこなう。
・モデル工事は各地整から発注されているが、実際にどうであったか評価も含めてまとめてもらう様に各地整に依頼している。

 

3.女性活躍に向けた取り組み、次世代にむけた取り組み

 

日建協説明概要
女性技術者会議及び出前講座について、開催意義や出前講座のアンケート結果などを説明しました。また、業界団体に対し「小中高生や大学生に対する出前講座等の取り組みを更に活性化していただきたい。」「既に実施されている多くの活動の継続的改良をはかり、魅力の向上につなげていただきたい。」「女性活躍を推進するために産業全体のネットワーク構築に関する検討を進めていただきたい。」等のお願いをしました。

 

◆ 業界団体意見(抜粋)
・「女性活躍」を喧伝しているが、建設産業に入職した女性のフォローの仕方について今後考えていかなければいけない。