東
西組合細見⑲
Compass 2003/June.Vol.752
●設 立:1952年7月
▲力作ぞろいの社員の書の前で。後列左から谷口執行委員長、進藤副執行委員長、藤戸副執行委員長、前列左から辰巳書記長、村上執行委員長、本多執行委員。
●組合人数:約118名
小さくて家庭的
野村労働組合
今回は“なにわのウォール街”と言われる大阪市北浜の野村労働組合を訪問しました。
組合事務所のある本社社屋は昭和2年竣工の洋風建築で、近代的なビルが立ち並ぶなか“モダン”な雰囲気を醸し出しており、なかなかノスタルジックな気分にさせられます。
◆執行委員数:12名
▲手前村上執行委員長は建設外勤に所属。奥の進藤副執行委員長は不動産に所属している。 村上委員長に組合の結成、構成などをお伺いしましょう。
――組合結成は1952年(昭和27年)7月で、昨年50周年を迎えました。平成2年4月に野村建設工業株式会社は建設部門(野村建設工業株式会社)と不動産部門(野村殖産株式会社)に分社しました。現在、野村労働組合は、野村建設工業株式会社と野村殖産株式会社の2社で1つの組合となっています。4月1日現在の組合員数は、野村建設工業株式会社81名、野村殖産株式会社37名で合計118名です。
執行部役員の構成は執行委員長1名、副執行委員長3名、書記長1名、執行委員6名、会計監事1名となっています。本部執行委員の職種は建設外勤5名、建設内勤5名、不動産2名の割合で、専従はいません。執行委員会は、賃金・夏期一時金要求、冬期一時金要求、定期大会など各活動内容によって随時開催しています。
組合として特に力をいれて取り組んでいることは?
▲辰巳書記長
とくに一時金への取り組みに力を
――賃金に関する取り組みには力を入れています。とくに一時金に関しては平成12年度の水準まで回復するように取り組んでいます。また、組合活動にでは組合費収入の減少がここ数年続いているので、活動の質を落とさないことを前提に、組合運営のスリム化をはかっています。
昨年度、組合活動で成果の上がったことがあったら教えてください。
――昨年より協議を続けてきた諸手当について、一定の成果をあげることができました。また、夏期一時金が昨年度より1割程度回復しました。組合執行部のなかでは、新聞購読や出版物をやめることなどで組合財政の見なおしをはかりました。
ご自分の組合をひとことで言うと?
▲戦災を逃れ、現在もモダンな姿を残す社屋。このあたりでは有名だ。
――“小さくて家庭的”ですね。そのおかげで組合員一人ひとりの顔が見える活動を展開できます。職場集会、メール、組合アンケートを利用し、できるだけ多くの意見を徴集して活動に反映できるように努力しています。
村上委員長にお聞きします。
日建協に期待することは何でしょうか。
産業全体のイメージアップとセミナーの開催をを
――やはり産業全体のイメージアップです。とくに最近の建設業に対する世間からの冷たい視線は、作業所に勤務する私も身近に感じることがあります。また、この産業に働く私たち自身も、漠然とした先行きに不安感を持っているように感じます。日建協がこの産業に働く者の立場から、産業の魅力化に向けて積極的に意見を発信し、産業全体の健全な発展の担い手になることを期待します。
辰巳書記長にもお聞きします。
――わたしのように専従で組合活動をしていない者にとって、日建協で行なう勉強会が日々の活動にとても役立ちます。とくに組合活動に必要な、基本的なことを勉強できるセミナーなどの開催を望みます。
最後に、これだけは言っておきたいということを何でもどうぞ。
――労働環境、賃金体系、会社の諸制度改正など、組合員をとりまく環境の変化のスピードが今後ますます加速すると思われます。だからこそ、労働組合が果たすべき役割が、今まで以上に重要になっていると思います。組合員一人ひとりの、自己責任における判断が求められることもあるかとは思いますが、問題を個人で抱え込まず、また、広い視野に立ち判断するために、労働組合の活動に積極的に参加し、利用してほしいと思います。“みなさん!一生懸命やっていれば、いつかいいこともありますよ!”という感じでしょうか。
▲紅一点の本多執行委員。明るい笑顔で組合をもりたてる。
お忙しいなか、村上執行委員長、進藤副執行委員長、藤戸副執行委員長、辰巳書記長、谷口執行委員、本多執行委員に集まっていただきました。みなさん、職制を抱えながらの活動にもかかわらず、“明るく前向きに”という雰囲気がとても強く感じられ、楽しい雰囲気のなかで取材させていただきました。ご協力どうもありがとうございました。■
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