ISOに関する実態調査報告2000
はじめに
日建協では、他産業に比べて異常に多い建設産業の労働時間の削減をめざし様々な取り組みを行っています。これまでに労働時間短縮の推進をめざした活動として、公共工事における適正な工期設定と提出書類の削減にむけて取り組みを続けてきました。現在では、行政並びに発注者の取り組みも進み、徐々にですがその改善の兆しが見えつつあります。
しかし、その一方で、1996年に建設省(現国土交通省)が品質管理システムISO9000sの適用にむけたパイロット工事を実施してから、建設業界においてISO9000sの導入が急速に進み、その結果、組合員の間から導入に伴なう書類作成業務の増加傾向を問題視する声が高まっています。また、ここ数年の時短アンケートの自由記述欄にもISO9000s・14000sに対する不満を訴える声が多く寄せられています。
そこで、日建協では、ISOと業務効率の関係について何が問題なのか正確に把握するため、特に不満が多い外勤者のISO9000sに関する書類作成業務・運用等の実態を調査し、問題点の整理を行ないました。
建設系企業におけるISO9000sの認証取得については、ISO9000s認証取得が公共工事の入札参加資格要件などになっており、現在、大手・中堅建設会社のほとんどが認証取得をすでに終え、地方の建設会社や専門工事業者に至るまで認証取得に乗り出しています。また、行政側がパイロット工事・試行工事での結果として「工事の品質保証水準の向上には有効に機能する可能性が高い」と評価していることからも、これらISO規格の認証を維持することについて否定することはできないと考えています。
しかし、今回のアンケートの結果から、入札参加資格要件のライセンス取得のみを目的とする性急な経営判断によって、充分な検討を行わずシステムを導入した企業もあることが推測されます。それによって、ISOの品質書類と従来の品質書類などとのダブルスタンダード化を招き、書類作成業務を増加させるだけでなく、システムを形骸化させ、ひいては企業の品質保証に関する信用問題にもなりかねません。
先ずは、システムの適正な運用をはかるために組織の意識改革や職員に対する教育・啓蒙を行うとともに、各企業、各職場の実態に沿った運用内容に見直す必要があります。このことは、単に一企業の問題として捉えるのではなく、建設産業全体の信頼に関する問題として改善しなければなりません。
今、私たち建設産業で働く者の労働条件は、ISOの問題だけではなく、民間建築工事などにおける厳しい工期設定、過度な安値受注による低価格競争、更に人員削減など様々な要因によって、一人当たりの業務量が増加し確実に悪化しています。日建協としては、組合員の健康面という観点からも時短推進を粘り強く進めていきたいと考えています。関係機関の皆様のご理解とご協力をお願いします。
2001年6月
日本建設産業職員労働組合協議会
2000年ISO実態調査の概要
日建協では、時短推進に向けた取組みの一環として、2000年度の活動方針に「ISOと業務効率の関係について実態調査を行ない、問題点を整理して関係機関に改善を要請する」ことを挙げています。この調査は、外勤者の主にISO9000sに関する書類作成業務・運用等の実態を把握し、問題点を整理するために行ないました。
●調査期間:2000年11〜12月
●調査対象:外勤者540名(回答者399名 回答率73.9%)
(1)職 種
@ 外勤建築系技術職 196名 49.1%
A 外勤土木系技術職 188 47.1
B 外勤その他 12 3.0
不 明 3 0.8
備考 外勤その他:事務職7名、内勤技術系
(設計等)5名
(2)職 務
@ 作業所長 124名 31.1%
A 次席(係長、主任クラス) 179 44.9
B 係員(工事担当) 83 20.8
C その他 10 2.5
不 明 3 0.8
(3)作業所●現場の人員数(JV職員含)
@ 1人 25名 6.3 %
A 2人 60 15.0
B 3人 88 22.1
C 4・5人 94 23.6
D 6〜9人 82 20.6
E 10人以上 49 12.3
不 明 1 0.3
(4)現在従事している工事種別
@ 官公庁土木工事 162名 40.6%
A 官公庁建築工事 55 13.8
B 民間土木工事 37 9.3
C 民間建築工事 143 35.8
不 明 2 0.5(5)発注者
@ 中央官庁 55名 13.8%
A 公団・事業団 51 12.8
B 都道府県 44 11.0
C 政令指定都市 26 6.5
D その他地方自治体 41 10.3
E 民間 178 44.6
不 明 4 1.0(6)国内でのISO9000sの実務経験年数職務
@ 1年未満 33名 8.3%
A 1年以上 70 17.5
B 2年以上 148 37.1
C 3年以上 109 27.3
D 4年以上 26 6.5
E 5年以上 11 2.8
不 明 2 0.5
(7)ISO9000sが発注要件
@ なっている 33名 8.3%
A なっていない 362 90.7
不 明 4 1.0
Contents
職場でのシステムは定着していますか
「定着しているが有効に機能していない」の68.4%が最も多く、「定着していない」の13.0%を加えると81.4%と8割超す人が有効に機能していないと回答しています。かたや「定着し有効に機能している」が18.3%となっています。
定着していない理由はなんでしょうか(2つ以内で選択)
全問で「定着しているが有効に機能していない」または「定着していない」と答えた人にその理由をたずねました。その結果、「内部監査又はサーベイランスの時しか実際にやらない」の48.3%、「書類作成が管理だと勘違い」の47.4%に回答が集中し、その次に「職員のISOに対する意識が低い」の34.5%となっています。
【その他の意見】
● 協力会社の理解不足。教育が必要。
● 現場作業において、作業指示、躯体関係納まり検討がリアルタイムで求められているのに対し、作業中断等が出来ない場合が多々あるため、書類処理が後になる。
● 最優先の業務に追われがちである。(人員不足)
● 現場職員に負担が大きい為、書類作成が管理であるという意識ではないものの業務の効率化になっていない。
● 他に作成する書類が多い。
● 責任の負担が多すぎる。
● 認証取得までのプロセスでシステムが重過ぎる。
● 役所対応の資料が多く、タイムリーにISOの書類に手が回らない。
● 無駄と思える書類まで作成する必要があるから。
● 変更業務等 通常業務だけで時間がいっぱいで、ISOがどうしてもおろそかになる。
● 施工に関するISO書類は、業務量が多い為、後追いになりやすい。
● 係員への研修が必要(現場作業での団体的内容)。
● 発注者のISOに対する意識が低い。
Contents
ISO9000s導入のメリット、成果についてどのように考えていますか
「企業イメージの向上に寄与する」が36.3%と最も多く、次いで「文書化によって、品質水準の維持が図れる」の27.8%、「職員の品質に対する意識の向上に寄与する」の25.6%、「責任と権限が明確化し、組織の効率が図れる」の22.6%の順になっています。
【その他の意見】
● 発注者が取得すべきシステム。
● 請負業務としての甲と乙が必ずしも平等でない点が、ISOをより煩雑にしていると考える。また「記録」が細分化され過ぎている傾向にあるため、業務に支障をきたす場合が多い。
● 経験産業といわれる建設業で、ノウハウを伝承していくひとつの方法として有効であると考えている。
● 建設業は、工場生産と違い単一物の商品の為、ISO9000のシステムが働きにくい。
ISO9000s導入のデメリット、または必要性を感じられない理由はなんでしょうか
「文書管理が煩雑でダブルスタンダードに繋がる」が53.6%と最も多く、次いで「書類負担増による職員の品質意識・モラルの低下」の37.8%、「ISOをやっても利益には貢献しない」の32.1%の順になっています。
【その他の意見】
● 対外的というより、むしろ社内的に、ISOの為のISOとなってしまっている。
● 社内回覧に時間がかかりすぎる。(フィードバックまでの時間が長く、タイムリーでない)
● 少人数現場でも多人数現場でも同じ内容のものが要求され、前者の場合の負担は大きすぎる。
● 実施工とのギャップがある。(請負単価等において)
Contents検証1‐3 ISO9000sに関する職員に対する教育はどう行われているか
【現状】
●教育については、6割強の人が何らかのかたちで現在も教育を受けていますが、経験年数
1年未満で約2割、2年未満では1割の人が教育を受けていません。
●9割を超える人が自分の業務範囲の内容を理解していると回答していますが、経験年数
1年未満で3割の人が理解していないと回答しています。
社内でのISO9000s教育について、どのように受けていますか
「導入・改定時に教育を受けている」の37.3%が最も多く、「定期的に受けている」の27.3%を加えると、64.6%は何らかのかたちで現在も教育を受けている一方、「導入時に教育を受けたきり」の26.3%または「導入間もないので導入時教育のみ」の3.5%を加えて、29.8%は導入時のみの教育になっています。また「教育を受けていない」と回答する者が5.3%います。
上図から経験年数でみると、1年未満では「教育を受けていない」は18.2%、1年以上2年未満で10.0%となっており、2年未満の1割以上の人が教育を受けていないという結果でした。
ISO9000sについて、あなた自身は内容をどの程度理解していますか
「自分の業務範囲について理解している」が69.4%と最も多く、次いで「システム全般を理解している」の22.8%となっています。また両方加えると9割を超える人が自分の業務範囲の内容を理解していると回答しています。
経験年数でみると、1年未満では約3割の人が理解していないと答えていますが、経験年数が増えるにつれ理解していない人の割合は急速に減少しています。(下図)
Contents
要 望 2
各企業、各職場の実態に沿ったシステムの運用のみなおしと継続的改善
具体的な改善内容
●画一的な運用ではなく、職場や作業所の規模・実態に応じたシステムを見直すべきです。
●業務の効果・効率をはかるために、継続的なシステムの改善を行なうべきです。
●適正な人員配置を検討すべきです。
●書類の重複作成を可能な限りなくすべきです。
・従来の品質書類の全面廃止
・発注者、監督行政、設計事務所など指定書式の引用が可能となるマニュアルの改訂
・社内書式の統一
・改訂版への円滑な移行
●品質文書・記録管理において、コンピューター、電子媒体等の積極的に利用すべきです。
アンケート結果からの考察
●今回調査では書類作成時間が増加した理由として、「職員数減」を訴える回答が最も多く、更に作業量が減っているのにもかかわらず職員減のために増えているという回答からも、適正な人員配置が問題になっています。
●導入以前の品質書類が従来のまま残っていることと、書類作成業務が増加した理由の中で「実際の書類とのダブルスタンダード」ということからもISOと実際の品質管理とをダブルでこなしていることが読み取れます。
●書類の重複作成が、設問1‐2‐3 の導入のデメリット感じる理由の「文書管理が煩雑」、「書類増加による職員の品質意識・モラルの低下」に繋がっています。
●生産性の低下という観点からも「不必要な書類・項目がある」や、「捺印個所が多い」なども含め、各企業・職場の実態に沿ったシステムの運用の見直しをはかり、さらにシステムを維持する上で継続的な改善が必要です。
●「文書管理が煩雑」になる理由として、発注者、行政監督官庁、設計事務所などに提出する指定書式の問題がありますが、指定書式を引用(書式のフレシキシブル化)できるようにマニュアルを改訂するなど改善する必要があります。
●品質文書・記録管理の手段として、コンピューター・電子媒体等の利用や、さらにモバイルなどを利用したITの積極な活用も業務の効率化をはかる上で検討するべきです。
●サーベイランスについて、審査員の資質についての問題点が多く指摘さています。全て当事者で判断するのではなく、運用上軽微な内容以外は組織として窓口を整備し対応する必要があります。
Contents
検証2‐1
ISO9000s導入により職員の書類作成業務による負担はどうなったか
【現状】
●ISO9000s関係書類によってシステム導入以前に比べ、半数の人が1日あたりの「1時間程
度」書類作成業務が増えたと感じています。
●品質文書・記録作成時間のISO9000s初期導入時に比べ、4割強が「増えた」と回答している
一方、「減少した」と回答した人が約2割います。
●初期導入時より増えた理由としては、半数の人が「職員数減」と回答しています。また減った
理由としては、「マニュアル及び書類の過剰部分の見直しによる簡素化」が最も多く、約7割
が回答しています。
ISO9000s関係書類によって初期導入以前に比べ、
書類作成業務は1日あたり何時間増えたと思いますか
「1時間程度」が53.1%で最も多く。次いで「2時間程度」の23.3%、「変わらない」の13.0%の順になっています。また「減った」と回答した者が2%いる一方、「3時間以上」と回答している人も4%います。品質文書・記録作成時間は、ISO9000s初期導入に比べ、増えましたか減りましたか
「増加した」が43.9%で最も多く。次いで「変わらない」の33.8%、「減少した」の19.5%の順になっています。増加している理由はなんでしょうか
前問で「変わらない」または「増加した」と答えた人(310名、回答者の77.7%)にその理由をたずねました。その結果、「職員数減」の52.3%が最も多く、次いで「企業の審査員に対する過剰対応」の31.0%、「審査員の過剰要望により増加」の20.3%の順になっています。
【その他の意見】
● ISO9001の規格毎に、細かく社内(各支店毎)で決め事をしているため現場では必要ないものまで、書類作成しなければならない。
● 意味ない書類が多く、全て現場任せにしている。
● 特定の部署の自己満足により、業務が増加するような手順書になっている。
● ISOに対する発注者の要求のレベルが高すぎる為、自社のシステム以外の書類検証業務が増えている。
● 発注者側からの要求書類が多くなっており、さらに別途の様式でISOをしなければならず、二重に作成しているのが現実であるため。
● 規定・マニュアルの改訂(大きな)もなく、ほとんど導入時のままであり、作業所(要求される)にも変化がないので、変わらない。
● 「審査員の過剰要望により増加」ではないが、規格要求事項をより満足するために増加した。(グレードアップ)
● ISO導入前に比べ、監理項目、作成文書の種類が増加したため。
● 全般的にみて職員のレベルの低下
● 社内で点数評価されるためどうしても過剰に書類が多くなる。
● 発注者との書類重複(発注者は独自の書類スタイルを指定する為、我々が独自に作成した書類は、品質書類として受理されない)。
● 書式のフレキシブル化は計られているがわずかに過ぎない。
減少している理由はなんでしょうか
品質文書・記録作成時間が「減少した」と答えた人(78名、回答者の19.5%)にその理由をたずねました。その結果、「マニュアル及び書類の過剰部分の見直しによる簡素化」の67.9%が最も多く、次いで「慣れ」の62.8%、「書式のフレキシブル化」の26.9%の順になっています。今回の調査では、「公共工事のISO9000s適用による自主管理の尊重」を回答した人はいませんでした。
【その他の意見】
● ISOに関する理解度がより深くなった。
Contents検証2‐2 ISO9000s導入以前の品質書類の取り扱いはどうなったか
【現状】
●ISO9000s導入以前の品質書類は、「一部廃止若しくは転用したが殆ど残っている」と「全て
重複して残っている」を加えると半数が従来のまま残っていると回答しています。
●ISO9000s導入により書類作成業務は、「激増」を含め「増加した」と回答した人がほとんど
です。
● ISO9000s導入により書類作成業務が増加した理由としては、「発注者との書類の重複」、
「不必要な書類・項目がある」 「実際の書類とのダブルスタンダード」 「捺印個所が多い」が
主の要因となっています。
ISO9000s導入により、導入以前の品質書類の取り扱いはどうなりましたか
「一部残っているが、殆ど廃止もしくは転用した」の38.3%と「一部廃止もしくは転用したが殆ど残っている」の37.8%とそれぞれ約4割が回答しており、次いで「全て重複して残っている」の12.5%の順になっています。ISO9000s導入により、書類作成業務はどうなりましたか
「増加した」が62.2%で最も多く。次いで「激増した」の29.6%の順になっており、殆どの人が増えていると回答しています。「微減した」及び「減少した」を回答した人はいませんでした。増加している理由はなんでしょうか
前問で「激増した」、「増加した」及び「微増した」と答えた人(388名、回答者の97.3%)にその理由をたずねました。その結果、「発注者との書類の重複」の46.1%が最も多く、次いで「不必要な書類・項目がある」の42.3%、「実際の書類とのダブルスタンダード」の40.5%、「捺印個所が多い」の38.9%の順になっています。
【その他の意見】
● 管理職の多くがISOの目的、本質を理解していない為、部下が振り回され、非常にロスが多く、無意味な作業をさせられている。
● 特に「教育」に関する記録が増加している。(下請けへの「教育」を含める為)また、「検査・試験の記録」も細分化による項目増が見られる。
● 今まで口頭で済んでいたものが、文書化しなければならないことによる手間の増加。また書類内容がよく変更され、直すのに手間がかかる。
● 発注者により書式が違うことによってISO対応用と別に書類を作成する為、書類が増加している。
● 現場にとって何の役にも立たなく、ただ作るだけの書類が多い。(特にISO14000) 1回何かの教育をやると、所長方針展開や教育の記録一覧、教育内容の記録などあっちこっちも書く所がある。(つじつまあわせが大変)
Contents
検証2‐3
ISO9000sの運用にあったて業務効率の改善に期待できるものはなにか
【現状】
●改善に期待できるものとしては、「内部品質監査の際に運用の効率化・書類の簡素化を指
導」と「コンピューター・電子媒体等の利用」がそれぞれ4割の回答となっています。
●実際の内部品質監査において重要視されていることは、「品質文書・記録が手順通りに作
成され保管されているか」が5割弱で最も多いのに対して、「システムが効果的に運用され
ているか」は2割の回答になっています。
ISO9000sの運用にあたって、書類削減・業務改善の手段として期待できるものは何でしょう
「内部品質監査の際に運用の効率化・書類の簡素化を指導」の41.1%と「コンピューター・電子媒体等の利用」の40.1%が4割を超し、また「ISO9000s適用に伴ない公共工事での品質に関する発注者指定書類の廃止」の34.8%、「社内での書式の統一」の33.8%及び「協力会社の育成・教育」の30.8%が3割を超す回答になっています。
【その他の意見】
● 支店上層部の再教育。
● 計画段階の現場への書類作成の支援(社内)
● 書類の簡素化(システムの見直し、品質委員会→マネジメントレビュー)を計る。
● 適正な職員の配置
● 発注者指定書類は、絶対的なものではなく、その内容(意味するところ)を含んでいれば、各請負業者が作成する施工計画書で規定されれば、差し替えOKとする。
● イントラネット上に同じ書類がある。例えば、首都圏事業本部H.P 関東支店H.Pに同じ書類名で、バージョンの異なるものがある。または、古いものがそのままある。だれも統一しようとしてない。
● 社内でのISO担当(品質保証室)のポイントがずれている。
● 何が必要なのか不必要なのか見極め、出来るだけスリム化できるよう、現場の裁量にまかせるだけの融通性が欲しい。
● 必要と思われる事項のみ行う。マニュアル及び各部署との連携
● 建設業の場合、作業所の規模により、できる仕事量もあり、活動内容も変えるべきである。(本来許されないかもしれないが)また、一人現場等では、支店でのバックアップ体制等の整備も必要。(5.6人いる現場と一人現場で同じ活動を求められることは、当分は難しい。)
● 捺印箇所を減らす。
内部品質監査では、実際何が重要視されていますか
「品質文書・記録が手順通りに作成され保管されているか」の46.1%が最も多く、次いで「システムが効果的に運用されているか」も22.6%、「品質保証活動が文書化された手順通りに運用されているか」の21.6%の順になっています。
Contents
検証2‐4 サーベイランス・審査登録機関について、どう考えているか
【現状】
●サーベイランスについて「システム維持には必要不可欠」と考えているが最も多く、5割弱に
対し、「セレモニー的で得るものがない」も4割弱の回答になっています。
●審査登録機関・審査員については、審査員の資質についての問題点が多く指摘されてい
ます。
サーベイランスについて、どのように考えていますか
「システム維持には必要不可欠」が46.9%で最も多く、次いで「セレモニー的で得るものがない」の36.8%の順になっています。
【その他の意見】
● 業種により、管理の重要性が異なるだけでなく、個々の会社によって、特徴があるのが理解されていない。
● 各社によってその基準.手法が違うのだから外部審査は、5年に1回くらいで良いのではないか。
● サーベイランスがあるから、やっている様な所がある(極論ですが)逆になければ、ISOもやらなくなってしまいがちなので、定期的にはあってもいい。
● 書類さえ揃っていれば、指摘がない様な審査では全く意味がない。どのようにすればより良いものを手軽に行えるのかを、考える場であれば良いと思う。
● 日本語の勉強をしている様であまり意味がない。 聞く側・聞かれる側が、マッチしない。
● 抽象的表現は、使用しないほうがよい。
● 規格の理解の仕方が審査員によってバラツキがあり、困惑する。
● 内部監査だけでは、システム維持は、難しい。
● ファイル整理の良い機会になる。
● 是正処置を要求されることにより得るものがある。
審査登録機関・審査員について、問題に思っていることはなんですか
● 審査員は、建設業について理解が不足している。
● 100%規格通りの事をやる事が品質システムの向上につながるとも思えない。各企業の独自性について理解が不足している。
● JIS他に関して、内容が分かりにくい文章となっている。建設業(現場)の特異性の理解が欲しい。
● 実益となる有効な監理方法の提案や改善しようとは思っていない。
● 審査員の言葉は、具体的でなく、質問の意味すら解らない場合が多すぎる。
● 何を外勤技術者に求められているのか、審査の主旨が不明。搬入検査なのか?工程内検査なのか?品質計画書の内容なのか?何の目的としてやるか、主旨を明確にして審査して欲しい。
● 審査規定が曖昧であり、審査員の主観による指摘が多い。
● 書類の証拠は何か?証明するものはあるのか?など裁判を受けているような感じする。
● 工程・安全・原価のバランスを考慮して、より現実的なレベルで審査してほしい。
● 重箱の隅をつつくのではなく本質的な部分で捉えて欲しい。
● 品質保持のための審査となっていない。文書や記録の有無について拘りすぎている。
● サーベイランス等で最も変だと思うのは印鑑主義がはげしい。ISOは海外規格では?また責任者、所長とか捺印欄の上部の名称や肩書きに物凄く拘っており、システムにあまり関係ない所を指摘する傾向が強い。審査員が高齢の為、日本的な考えが脱却できていないのではないかと思う。
● 理想ばかり追求し、現実とは、懸け離れているような気がする。
● 被監査部署のシステムに不備を発見した場合、どのような対策あるいはどの様にシステムの変更を行えば良いか提示がして欲しい。
● 形式的なものへの注目はあるが、システムの有効性の確認及び検討について協議がないように思う。
● 各産業の特殊性を把握せずに、決まった型式のシステムを企業に押し付けているように感じる。
● ISOの本質から外れた過剰な書類を要求する。
● 一企業を本当に審査するのであれば、時間が短すぎるのではないだろうか。
● 金額高い。審査に係る費用を低減すべきである。
● 業界の人々の第2の人生のために存続するようになってはならない。
MEMO
●2000年版の改正により規格の中に「組織の規模・構造」に関する要件が追加されています。
〜序文から抜粋〜
組織における品質マネージメントシステムの設計及び実現は、変化するニーズ、固有の目標、提供する製品、用いられるプロセス、組織の規模及び構造によって影響を受ける。
【解説】
企業が構築する品質マネージメントシステムの多様性を保証するものであり、異なる業種・業態であればもちろん、同じ業種・業態であっても、企業規模や企業理念などによって異なってもよいと宣言しています。
●2000年版の改正で「継続的改善」の原則が要求され審査対象となります。
5節(経営者の責任)と6節(資源の運用監理)で計画し、7節(製品実現)で実施し、8節(測定、分析及び改善)で検証して改善する。効率的、効果的な運用を行うことによって継続的に改善する。つまりPDCAサイクルの正しい循環が求めらています。
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