1997年12月作成
さらなる工期及び書類の改善を求めて
工期及び書類等に関する発注者調査結果

目  次









要望事項
調査フレーム
休日条件について
準備日数について
作業不能日について
書類について
会計検査について
積算関係について
週40時間労働制についての発注者の声
おわりに


はじめに
日建協では、これまで労働条件の向上を図るため、様々な視点から問題提起を行い、また提言活動を行っています。その活動の一環として、96年度は現場の方を対象に、工期及び書類に関する実態調査を行いました。その調査結果をもとに、地方建設局及び地方自治体等の発注者を訪問し、現場の声を伝えるとともに、問題点及び改善に対しての課題の把握に努めました。そして、現場の状況と発注者の取り組み状況及び、行政、発注者、施工者への要望事項を項目ごとにまとめた提言集『適正工期の確保と書類の削減・書式の統一をめざして』を作成しました。この提言集は日建協加盟組合の約2万の全現場と、約800の全国の発注者に配布しています。
しかし、訪問による情報収集だけでは限りがあるため、多くの発注者の状況及び意見を集約するために、提言集の配布と同時に工期及び書類に関するアンケートを、発注者(中央官庁・公団・事業団・都道府県・全ての市)にお願いしました。

今回この調査により得られた結果と、3年前の『工期条件調査報告』及び昨年度の自治体訪問結果との比較を行い、工期条件の設定や書類についての現状と問題点、ならびに改善状況を把握し要望事項をまとめました。


 日建協ではこの調査結果と、発注者からいただいた週40時間労働制への取り組み状況や課題等の貴重な意見を参考として、今後も労働条件の向上に向けた活動を展開し、ひいては建設産業の魅力化につなげていきたいと思います。



要望事項
@ 週40時間労働制が全面適用されたことに伴い、全ての工事の休日設定を4週8休とし、設計図書または
   仕様書等への休日条件の明示
を望みます。
A 適正工期確保のために、3大長期休暇(年末年始休暇・夏期休暇・ゴールデンウイーク)及び適切な作
   業不能日・準備日数の設定
を行い、設計図書または仕様書等への明示を望みます。
B 書類作成業務の軽減化のために、書類の削減・簡素化及び監督職員の指示の統一を望みます。
   また、効率性を高めるために、書式の統一を望みます。
C 会計検査対策用として、過剰な書類及び資料を要求しないよう望みます。
D 入札関係書類作成の軽減化のため及び公平性・透明性確保のために、全自治体でコリンズの活用を望み
   ます。
E 積算業務の効率化及び平等な競争を確保するために、設計数量の公開を望みます。



調査フレーム
         集 計 件 数 : 調査依頼件数 760件  回答発注者数 347件  回収率 46%

回答発注者内訳
中央官庁   11件   3% 公団・事業団   6件   2%
都道府県   31件  31% 政令指定都市   13件   4%
市(50万以上)   8件   2% 市(20〜50万)   51件  15%
市(5〜20万)  161件  46% 市(5万未満)   64件  18%
民間公益企業   2件   1% 総合計  347件 100%



休日条件について

● 改善は進むものの、まだまだ少ない4週8休設定
設 問:工程上の休日について、どのように設定していますか。


現 状:
工程上の休日については、全体では約4割が4週8休で設定しています。
発注者別にみると国・県・政令指定都市等行政規模が大きい発注者は、7割前後で4週8休の休日の設定をしています(図-1)。3年前の調査結果と比較すると、全体 的に改善されてきています(図-2)。しかし、市のなかでも行政規模が小さくなるに したがい、4週8休の休日設定の割合が低くなっています。


意 見:
全体の流れとして、徐々に4週8休の休日条件が浸透してきています。作業所における完全週休2日制の定着をはかるために、週40時間労働制が全面適用されたことを契機として、全工事への4週8休の休日条件の導入が必要です。



● ほとんど進んでいない休日条件の明示
設 問:休日について、設計図書または仕様書に明示していますか。


現 状:
設計図書または仕様書への休日条件の明示については、全体で2割弱しか明示しておらず、発注者別でみると行政規模が小さくなるにしたがって明示の割合が低くなっています(図-3)。この数字は3年前の調査結果と比較してみてもあまり改善されていません(図-4)。


意 見:
施工者が発注者の休日に対する考え方を知るとともに、発注者が施工者に休日に対する考え方を理解させるためにも、建設省の通達で示されている休日条件を明示することが必要です。



● 長期休暇としての認識が薄いゴールデンウイーク(GW)
   設計図書または仕様書への条件明示は2割以下

設 問:工程上長期休暇は、連続何日設定していますか。(年末年始・夏期休暇・ゴールデンウイーク)
設 問:長期休暇について、設計図書または仕様書に明示していますか。





現 状:
長期休暇の内、年末年始休暇については、3日以上設定している発注者が全体で2/3あり、休暇としています(図-5)。
夏期休暇については、全体で5割以上の発注者が3日以上設定しています(図-6)。GW休暇になると全体で約3割の発注者
しか設定していません。(図-7)。
長期休暇をそれぞれ3年前の数字と比較すると、年末年始休暇(71%→66%)・夏期休暇(55%→55%)・GW休暇(26%→21%)と改善が進んでいません。設計図書または仕様書への明示は、休日条件明示と同様に明示している発注者が2割にも満たないのが現状です(図-8)。
意 見:
従来から慣例となっている夏期休暇や年末年始休暇については、休日条件設定を進めるとともに明示が必要です。
さらに、一般的な長期休暇となってきているGW休暇についても、3大長期休暇のひとつとして、休日条件設定及び明示を望みます。





準備日数について

● 準備日数の設定は6割 設計図書または仕様書への条件明示はわずか
設 問:工程上の準備日数について、何日設定していますか。
設 問:準備日数について、設計図書または仕様書に明示していますか。


現 状:
準備日数については、発注者によって日数のばらつきはありますが、全体で6割以上の発注者が設定しています(図-9)。設計図書または仕様書へ明示している発注者は、全体で1割にも満たないのが現状です(図-10)。


意 見:
昨年の現場実態調査によると、「すぐに着工できなかったために工程が厳しくなった」、と答えた作業所が約4割もありました。通常必要な準備日数に、事前協議・申請等現場状況を考慮した準備日数の設定が必要です。
また、準備日についての協議を発注者と施工者が対等に行うために、設計図書または仕様書への準備日数の明示が必要です。





作業不能日について

● 準備日数の設定は6割 設計図書または仕様書への条件明示はわずか
設 問:工程上の作業不能日について、設定していますか。
設 問:作業不能日について、設計図書または仕様書に明示していますか。





現 状:
作業不能日については、全体で約4割の発注者が設定していますが(図-11)、発注者の行政規模が小さくなるにしたがって、設定している割合が低くなっています。
設計図書または仕様書への明示については、全体で1割にも満たないのが現状です。(図-12)
3年前と比較しても、作業不能日の設定は改善が進んでいません。(図-13)


意 見:
建設省でも、自然条件による工期への影響がでないよう、降雨、降雪等の作業不能日を考慮するように指導しており、現場条件に適応した工期を確保するためには、作業不能日を考慮した工期の設定が必要です。
また、施工者が工期についての考え方を理解し、発注者と対等に協議できるためにも、設計図書または仕様書へ、作業不能日の明示が必要です。

建設省通達(建設省建企第2号 平成4年4月6日付)より

1.工期の設定について
  (1)工期の設定については、4週8休(完全週休2日制)対応とする。
  (2)積算において、供用日当たりで計上する仮設材損料、器材損料および建設機械賃料等
    は従前のとおり4週6休対応とする。

2.作業不能日について
   降水(降雨・降雪)等による作業不能日数を特記仕様書に条件明示するものとする。
[特記仕様書記載例]
 工期は、雨天・休日等○○日見込み、契約の翌日から○○日間とする。
 なお、休日等には日曜日・祝日、夏季休暇及び年末年始休暇の他、作業期間内の全土曜日
 を含んでいる。
* 積算については平成9年度より、4週8休対応とする通達が出ている。




書類について

● 規定様式集のない発注者が約2割 規定以外の書類要求も3割
設 問:規定の様式集がありますか。
設 問:規定様式集以外の書類を要求することがありますか。


現 状:
規定の様式集を持たない発注者が、都道府県では1割、また市においては2割近くもあります(図-14)。
また、規定様式集以外の書類を要求をした発注者が全体で3割もあります(図-15)。


意 見:
規定の様式集がないと、現場では計画的な書類作成が行えないため、全ての発注者が、規定様式集を持つことが必要です。
また、規定様式集があるにもかかわらず、別途書類を要求した発注者が3割もあることが、書類の増えている一因となっているため、様式集以外の書類をできる限り要求しないことを望みます。



● 指示の相違による書類の追加は約4割。書類削減へ取り組む発注者は約3割
設 問:監督職員の指示が異なることにより、書類を訂正・追加させることがありますか。
設 問:書類削減および書式統一に関して、貴部署で取り組んでいることがありますか。



     発注者の取り組み例:

  ・工事写真の削減
  ・庁内の書式の統一、又様式サイズの統一
  ・様式集のフロッピーディスク化
  ・県の管理基準に統一する方向で検討
  ・書類の見直し検討会の設置

現 状:
監督職員の指示が異なることにより、書類を訂正・追加させた発注者が全体でみると4割もあります(図-16)。
また、全体で3割の発注者が、書類削減及び書式の統一について取り組んでいます。発注者別でみると中央官庁に比べて地方自治体の取り組みが遅れています(図-17)。


意 見:
監督職員の指示の不徹底が、書類の訂正、追加等の不用な作業を生じさせています。このような現状を少しでも改善するために、監督職員の指示の統一を望みます。
また、現在建設省を中心に、地建と自治体の書式の統一、電子化、写真の削減等の、書類についての改善が取り組まれています。書類作成業務の軽減化のためには、書類削減・書式の統一への取り組みが、全国の地方自治体に浸透することを望みます。





会計検査について

● 会計検査のための書類要求が2割以上
設 問:会計検査のために規定様式集以外に要求することがありますか。



会計検査のために要求した書類

・設計変更が生じた場合のバックデータとなる基礎資料及び写真資料
・構造計算書
・工事写真帳のダイジェスト版
・工法変更の場合の比較設計などの資料
・ケーソン沈下追跡データ
・積算標準施工外の施工をした場合の資料
・各種材料の納入伝票、交通整理員の日報等

現 状:
「会計検査のため」を理由に、規定様式集以外の書類を要求した発注者が、全体で約2割もあります。要求した主な書類は以下の通りです。(図-18)


意 見:
会計検査を理由に、規定以外の別途書類を要求することは、書類が減らない原因の一つとなっています。
日建協が行った会計検査院との意見交換会でも、会計検査院からは「会計検査としての特別な書類は要求していない」との回答を得ており、過剰な書類を要求しないよう望みます。



● 積算・実施相違時の対応は約6割が書類で対応
設 問:会計検査のために規定様式集以外に要求することがありますか。

現 状:
積算と実施工が異なったときの会計検査に対する対応は、全体をみると口頭による対応ですましている発注者は3割にすぎず、約6割(書類・写真訂正17%+積算比較書41%)の発注者が書類での対応を行っています。特に市においては、書類による対応の割合が高くなっています(図-19)。


意 見:
会計検査院との意見交換の中で、「積算はあくまで標準的なものを示すものであり、積算と実施工が異なった場合においても、積算が一般的であれば指摘しない」、という回答を得ています。従って、積算と実態に違いがあっても口頭で正しく説明し、過剰な会計検査用書類の削減が必要です。
また、建設省でも以下のような指示を出しています。

     建設省「指定・任意の正しい運用について」より
      (会計検査への対応について)

 会計検査においては、積算基準と実態が異なっているのではないかという指摘が行われることがありますが、個々の現場の実態で積算基準の適用範囲等が合っているのであれば、基準と実態の乖離があっても問題になることは原則としてありません。
 従って、仮に積算と実態の違いがあったとしても、積算の考え方と個々の現場の事情をきちんと説明することが大切です。

9


積算関係について

● 遅れている建築工事の数量公開
設 問:入札時に金抜き数量等で数量を公開していますか。

現 状:
数量公開の割合については、土木では9割以上(66%+25%)が公開されていますが、建築では 2/3(66%+1%)にとどまっており、土木に比べると低い割合になっています(図-20)。


意 見:
数量表の公開は、積算業務の軽減化につながり、労働時間の短縮につながると思います。また、公平な競争をするためには、数量表の公開をはじめとする情報公開が必要です。



● なかなか進まぬコリンズの活用 1割以上の自治体がコリンズを知らない
設 問:(財)日本建設情報総合センター(JACIC)のコリンズを活用していますか。


コリンズを活用しないその他の理由

・使い勝手が悪い
・現在特に必要としていない。
・活用すべき工事がない。
・活用の仕方が良くわからない。
・県の動向をみて決める。又は県独自のシステムを導入する。

現 状:
コリンズは、ほとんどの中央官庁では活用が進んでいますが、行政規模が小さい自治体ではあまり活用されていません。全体でみると活用している発注者は約1割になってしまいます(図-21)。
コリンズを活用しない理由の中で、コリンズを知らないと答えた発注者が、今でも1割(41件/347件)以上ありました(図-22・表-1)。


意 見:
入札関係書類作成業務の効率化・軽減化のためにも、全国的なコリンズの活用が必要だと思います。また、公共工事の発注プロセスにおける、透明性確保のためにもコリンズの活用が必要です。





週40時間労働制についての発注者の声

● 発注者の取り組み
〜指導・指示〜
・建設業関係団体に対し、「週40時間労働制の実施について」のパンフレットを配布し、団体会員への周知を依頼していると共に、建設業者と直接接触する建設業許可申 請などの際に配布し併せて周知に努めている。
・週休二日制を加味した工期設定及び週40時間労働に対応した積算を行い、週40時間労働制が実施できる環境整備について、発注者側の指導と、国などの関係機関と連 携を取りながら、完全実施されるよう建設業団体を通じての指導などを行う。
・本市では建設関係各課との連絡調整会議を毎年2回開催しており、その場で建設業の週40時間労働制に対応した工期の設定をするよう指示している。


〜積算・工期・発注時期〜
・今年度7月より週40時間労働制に対応した積算を実施するとともに、労働時間短縮のために工事の平準化に努めている。
・平成9年度より工期については、週40時間労働制、作業不能日数を考慮した工期を算出している。また特記仕様書に作業不能日数、休日などを条件明示している。
・平成9年8月1日の歩掛改定により、損料等4週8休対応への見直しを行っており、週40時間に対応している。
・「標準工期」及び「作業不能日数」の見直しを実施した。
・工期積み上げの場合、不稼働率を4週8休で考えている。
・積算上は従来より週40時間で設定している。また発注者側の都合により工程が遅れる場合は、契約変更を行っている。
・積算基準の改正(労務費・機械経費等損料・供用日日数率・諸経費等)に基づいた積算を行っている。発注時にはこの改正された趣旨の説明を行っている。
・97年度より休祝日、気象条件による休業休止日数及び土曜閉庁日を考慮し、不稼働割増率1.5を採用している。
・現況を正確に把握するため、工事日数実態調査を実施し、工期の適正を一層徹底させていく。
・設計書に添付する現場説明書の一般的事項の中に、労働基準法に則り週40時間労働を遵守すること、及び労務費については週40時間を考慮している旨を明記している。
・週40時間は国民的な問題として捉え、発注時期を早める努力をしている。
・平成3年頃より年度末竣工の集中を防ぐため、単独事業費の25%位を債務負担行為で12月頃に発注し平均化を図っている。


〜その他〜
・月に一度受注者との安全パトロール。年に一度市内の登録全業者との懇親会を行い意見交換しており、できるだけその意見を取り入れることとしている。
・工事写真管理の簡素化のため、電子媒体による提出を試行している。
・本市には(社)〇〇建設業協会が組織されており、ここでは平成6年度から、建設業の週40時間労働体制への取り組みの一環として、一年単位の変形労働時間制の休日 カレンダーを製作し、各事業所はもとより本市の工事発注課へも配布されている。工事発注課では、これを参考に雨天などを見込んで適正な工期を設定している。


● 発注者の現状と課題
〜国に関すること〜
・年度内に質の良い工事の完成を目標としているが、国庫補助決定時期が遅れると、外部仕上作業などが冬期間になる公算が大きくなり、労働時間短縮との調整を危惧している。
・補正予算があると、尻が決まっているため適正な工期がとれない。又、補助事業も、県・国の内示が遅れるため、適正工期は難しい。


〜発注者に関すること〜
・夏場と冬場とで区別して考えないと、週40時間を1年間を通して実行することは難しい。
・建設業界での労働時間の短縮についても重要な課題であると認識しているが、当市においては、継続的な工事が多いため、用地交渉・気候・決算などの条件の中で、どう しても3月の年度末に工期が集中してしまう。
・地方自治体においては週40時間の意識は低いようである。また、技術職員不足により発注が遅れることもある。
・以前と比較し労働時間の短縮と作業員の高齢化で工期が長くなっているよう見受けられる。工期・工事内容等の見直しが緊急課題として検討する必要性を感じている。
・道路改良工事においては、用地交渉に相当の日数を要する場合がある。この場合工事の工期にしわよせせざるをえず、標準工期に無理なお願いをせざるをえない。繰越手続きすべきだが事務手続き上しない場合も出てくる。極力繰越工事となるよう努力する。
・年度末近くに発注する工事に関しては、なかなか正規の工期がとれないのが現実である。
・当年度工事予定箇所について各部局及び企業と占用者会議をし、発注時期の調整をしているが、予算及び地元調整の問題があり、発注時期が確定できず、工事発注後受注者を含め再度協議するため、受注者がすぐに着工できない場面があるので、発注者としてもこのへん改善していく。


〜施工者に関すること〜
・小規模な業者が多く、実工程との差が生じるため、全体的に移行が難しい。
・入札時に指導し、又労働基準監督署とタイアップして指導しているが、施工者サイド が前向きでない。
・労働者の収入が、週40時間でも十分に賄えるような賃金体制の確立が必要と思う。
・近隣住民対策として、前から適用しているが、発注者側より現実として現場の職人な どの給料(日給・月給)に問題があり適用できないのではないか。
・土曜日については市の監督員が休みのため、事故などの対応が急に出来ないので、工 事を休むよう指導しているが、業者側では日給作業員の関係で仕事を休めないのが現 状である。
・零細企業が多く労働者も日雇用のため、現実は週40時間は難しい。建設業は一品生 産、現地生産のため、災害防止などのために完全に現場を休止することが難しい。
・現在は4週6休制を採用しているが、今後は週40時間で積算したいと思っている。しかし実際、請負金額などの問題で時間短縮で施工計画をつくる業者もある。





おわりに

今回得られた調査結果をみると、適正工期の確保や書類の削減・書式の統一については、なかなか改善されていません。
ただ、わずかずつではありますが改善されている部分もあり、発注者の中には適正工期の確保や書類の削減に向け、前向きに取り組んでいるところもあります。
また、全体的に見ますと、行政規模が小さくなるにしたがい適正工期の確保や、書類の削減への取り組みが遅れています。今後は小さな自治体でも、同じように改善ができるような対応策が必要と思われます。
週40時間労働制が全面適用された今、我々の労働時間を短縮するためには、工期や書類の改善への取り組みは、これからますます重要になってくると思います。建設省が中心になって取り組んでいる適正工期の確保や書類の削減・書式の統一を、地方自治体まで幅広く浸透させていく必要があります。
日建協では今後も建設産業の魅力化に向け、関係諸官庁や経営者団体に対し、積極的な提言活動を進めていきますので、今回の冊子についての皆様のご意見、ご要望がありましたら是非お寄せ下さい。
なお、最後になりましたが、今回大変お忙しい中、工期条件等調査にご協力いただきました発注者の方々に、この場を借りて心よりお礼申し上げます