作業所の週休2日実現に向けて

― 適正工期の設定と休める環境づくり ―

要望事項
(1) 調査フレーム
(2) 休日について
   ・工程上の休日条件について
   ・現場の声 土休取得について
   ・休日条件の明示
   ・長期休暇について
(3) 準備日数について
(4) 作業不能日について
(5) 規程様式集について
(6) 書類について
(7) 積算について
(8) IOS導入について
(9) 発注者の声
要望事項
●発注機関にむけて
1.休日条件の設定について下記のとおり望みます。
  @全ての工事を4週8休とする。
  A3大長期休暇(年末年始休暇・夏季休暇・ゴールデンウイーク)、及び適切な作業
    不能日・準備日数の設定を行う。
  B上記に関しては、契約条件として設計図書または仕様書等への明示を徹底する。
2.書類作成業務の軽減化のために、さらなる書類削減・簡素化を望みます。特に、電
  子情報でのやりとりなど、IT化の流れに沿った改善を望みます。
3.入札関係書類作成業務の効率化、軽減化のためにもコリンズ等の普及を望みます。
4.ISO導入にともない施工者の業務が煩雑になることがないよう留意願います。

●経営者にむけて
 作業所の週休2日が実現できる環境整備を望みます。
はじめに
 日本建設産業職員労働組合協議会(日建協45加盟組合59,000名)は、建設産業のホワイトカラー労働者によって組織された産業別組合です。わたしたちは、産業に働く人々の労働条件の維持、向上と、産業の健全な発展と魅力化にむけてさまざまな活動を行っています。
 労働時間に関しては、1997年4月から週40時間労働制が、一部例外はあるものの全面的に適用され、労働時間短縮に効力を発揮しました。しかし、私たちの働く建設産業は、昨今の厳しい受注環境により、外勤者の年間総労働時間が2,700時間を超えるなど、労働時間短縮に結びつかない状況が続いています。
 ところで、日建協では、週40時間労働制が適用された1997年に、発注者(中央官庁・公団・事業団・都道府県・全ての市)へ発注工期や提出書類に関するアンケート調査を行いました。その結果を「さらなる工期及び書類の改善を求めて」という提言書にまとめ、4週8休への工期設定や書類削減について労働時間短縮という観点から、関係機関に提言活動を行ってきたところです。そして昨年、週40時間労働制が適用され3年が経つことから、発注工期や書類削減のその後の推移を把握し、今後の時短推進活動の一助とするために、再びアンケート調査を実施しました。
 その結果によると、労働時間短縮が進まない大きな要因のひとつである発注工期の休日設定では、3年前と比べると4週8休の工期設定が徐々に増えていることがわかります。しかし、全体では5割と、さらに改善の余地があるように思われます。 
 また、今回は、施工者側である日建協組合員の時短アンケートとの比較も行いました。そこでは、4週8休の工期設定は進むものの、施工者側ではその実態がともなわず、「進む4週8休の工期設定、進まない現場の4週8休勤務」が顕著に表われています。世の中は、労働時間短縮にむけて動いており、他産業では総労働時間が2,000時間を切る状況ですが、わたしたちの建設産業に関しては改善が進まないようです。
 そこで、日建協では今回のアンケート調査をまとめた「作業所の週休2日実現に向けて」を作成しました。この提言書の目的は「発注者、施工者ともに適正工期の確保、書類の改善を行っていくにあたり必要な事項を考え、実行し、労働時間の短縮を実現すること」です。
 今、わたしたち建設産業で働く者は、採算を度外視した受注競争や、不良債権問題による会社存亡の危機の中で、労働条件は確実に悪化しています。それに比例して組合員からは健康に対する不安や、土日が休めない等の声が多く上がっています。日建協としては、こうした組合員の切実な声に応えるべく、時短推進を進めていきたいと考えています。関係機関の皆様のご理解とご協力をお願いします。
 最後に、当該アンケートにご協力いただきました発注者の皆様に、この場を借りて御礼申し上げます。

                                                       2001年6月
                                         日本建設産業職員労働組合協議会
調査フレーム
発注者アンケート
調査依頼数:799ヶ所
回収率:43%
 回答発注者 件数
 総合計 342
 中央官庁 7
 公団・事業団
4
 都道府県 26
 政令指定都市 7
 市:50万人以上 10
 市:50〜20万人  46
 市:20〜5万人 163
 市:5万人未満 79



       回答発注者件数














時短アンケート
回収:2,655人
 外勤者がたずさわる
  工事の発注者
人数
 中央官庁 328
 公団事業団 415
 都道府県 304
 政令指定都市 161
  254
 民間企業 1,193


●日建協が日建協加盟組合に毎年実施している、労働時間短縮に関するアンケート。
●該当データは、その中で外勤者の回答者を集計したもの。
     

Contents
休日について Part.1
工程上の休日条件について、どのように設定していますか?


●工程上の4週8休を設定している割合は、全体で5割となりました。
●前回約3割であった市の休日設定率が、今回の調査で約5割となりました。


工程上の休日設定状況 工程上の休日設定状況(調査年次比較)

意見 : 全体の流れは、4週8休の工程設定が浸透しつつありますが、中央官庁、都道府県等の行政規模の大きい発注者において、設定に頭打ちの傾向が表れています。行政規模の大きい発注者の4週8休の休日設定が進まないと、全体の4週8休設定の底上げが進まないと考えます。
さらなる改善への取り組みを要望します。

Contents
〈現場の声〉時短アンケートから Part.1
発注者の4週8休の工期設定は、徐々に進んでいますが、施工者であるわたしたち組合員のアンケート調査では、その通りに休めている組合員は1割程度です。ここでは、施工者側が休めない原因を分析しました。(時短アンケートは、2000年11月の1ヵ月間の休日取得や時間外労働等の調査です)

11月の作業所閉所日数



完全に土日閉所ができた作業所は1割にも満たない状況
11月の土日を完全に閉所できた作業所は、1割にも満たない状況です。官庁発注工事の作業所は、民間発注工事に比べれば閉所しやすい傾向があらわれいますが、全体的には閉所は月4日が一番多く、日曜日のみの閉所が主流となっています。


なぜ土曜閉所ができないか



閉所できない理由
休めない要因としては、「工程が厳しい」、「工程上の貯金をつくりたい」、「協力業者が休みたがらない」、「事務処理が多く、閉所できない」等の比率が高くなっています。

Contents
〈現場の声〉時短アンケートから Part.2
どうすれば土曜日が休めるようになるか



どうすれば休めるように
なるかについては

■「土休を組み込んだ工程管理」
■「適正な人員配置」
■「法的・社会的な土曜日の工事規制」
■「計画的に土休を取得」
■「発注者の理解」

等が上位を占めています。



組合員が望むこと


時短推進に関して、組合員が望んでいることをグラフ化しました。
「完全週休二日制の定着」を望む組合員が最も多いことがわかります。また、休日出勤等で休めないことに対しては、「代休取得のための環境整備」等の代休取得推進策に関連する要望が増えており、名目にこだわらず休みを確保したいとの思いが強いことがわかります。


意見 : 時短アンケートの結果から、4週8休で工期が設定されても、様々な要因から全ての土曜日を閉所することが難しい状況がわります。土曜閉所の阻害要因は、「工程が厳しい」、「事務処理が多く、閉所できない」等の発注者、施工者の複合的要因の他に、わたしたち施工者側でも「工程上の貯金をつくりたい」、「上司、職員に閉所の意識がない」等の要因があるとがわかります。また、「協力業者が休みたがらない」等の問題は、職人の雇用形態に起因するものであり、解決にはたいへん難しい問題も絡んでいます。
実態のともなう4週8休の工期設定をめざして、発注者の皆さんへ引き続き適正工期や書類の削減の提言を行っていく必要を感じますが、同時に、わたしたち施工者側の業務の改善も要請していく必要を感じます。

Contents
休日について Part.2
工程上の休日条件について、設計図書または仕様書に明示していますか


●設計図書または仕様書への休日条件の明示は、中央官庁を除きあまり改善がみられません。
●行政規模が小さくなるにつれて明示の割合が低くなっています。


休日条件の明示 休日条件の明示(調査年次比較)

意見:明示しないことの理由として「工期が4週8休になっている」「施工業者の判断に任せる」等の考えがありますが、施工者が発注者の休日に対する考え方を知るとともに、発注者が施工者へ休日に対する考え方を理解させるためにも、建設省の通達で示されている休日条件を明示することが必要です。

建設省通達(建設省建企第2号 平成4年4月6日付)より

1.工期の設定について
 (1)工期の設定については、4週8休(完全週休2日制)
    対応とする
 (2)積算において、供用日当りで計上する仮設材損料、機材損
    料及び建設機械賃料等は従前のとおり4週6休対応とす
    る。(積算についても、平成9年より4週8休となっている)
2.作業不能日について
 降水(降雨・降雪)等による作業不能日を特記仕様書に条件明示
 するものとする。
「特記仕様書記載事例」

工期は、雨天・休日等○○日見込み、契約の翌日から○○日間とする。尚、休日等には日曜日・祝日、夏期休暇及び年末年始休暇の他、作業期間内の全土曜日を含んでいる。
 
注)○○日は、具体的な日数を記載すること。

Contents
休日について Part.3
休日条件について、設計図書または仕様書に明示しない理由


●積算上の休日の設定は、仮設材のリース日数等に反映しており、仕様書においては、日数等の表記を行っていない。(県)
●県発行の積算基準で、全体工期のみを設定している。なお、工期については、4週8休対応となっている。(県)
●積算上については、基準であるので特にしていない。(市)
●建設工事積算資料の市販版が在り、不稼動日の考え方が示されている。建設業者はこれの理解をしている。(市)
●工程を組むための必要な資料と思われないため。(県)
●今までの慣例(県)
●月当り作業可能日数の中に含まれている。(県)
●「請負業者等提出書類処理基準」に明示しているため(市)
●基準書の標準工期の算定基準に準じているため特に明記していない。(市)
●工事毎の標準工期(4週8休)を設定しており、ここの日数は明示しなくてもこの工期に含まれているため。今後仕様書等での明示を検討予定。(市)
●県の共通仕様書に準拠し仕様書を作成しており、明示することとしていない休日の確保については、受注業者に任せている。(県)
●契約の工期に十分配慮している。(市)
●あらかじめ工期に反映されている。又は、部署により労働時間等を明記した通知文を配布しているため(市)
●休日も含んだ全体工期日数にて明示しており、業務に支障がなく施工業者においても認識されて入札に参加しているため(市)
●週40時間制対応が当然のことであるため(県)
●週休2日制導入後、周知されていると解釈しているため(県)
●労働時間短縮という時代流れの中で当然相互に理解されたものと解釈している。(市)
●技術研修会において説明を行っている。(市)
●契約上、任意と考えている。(公団)
●積算は4週8休で行っているが、任意ということで明示はしていない。(県)
●請負者には、請負者の考え方があるため、特に指定はしない。(事業団))
●請負業者に任せている。当然住民から苦情が入るので、休日は工事中止となる。(市)
●労働基準法での週所定労働時間を考慮した三省労働単価を使用していることによる。(県)
●工事共通仕様書内に設計図書に施工時間が定められていない場合で、官公庁の休日又は夜間に作業を行う場合は、書面によって提出となっている。(市)
休日について Part.4
工程上の長期休暇は連続何日設定していますか
長期休暇について、設計図書または仕様書に明示していますか



年末年始休暇 設定状況 夏季休暇 設定状況
ゴールデンウィーク休暇 設定状況 長期休暇の明示

意見:4週8休での閉所が進まない中、夏季休暇、ゴールデンウイーク、年末年始休暇は、作業所が連続して休みやすい休暇です。連続して休みが取れるように、長期休暇の明示と、日数の明示を要望します。

Contents
準備日数について
工程上の準備日数について、何日設定していますか
準備日数について、設計図書または仕様書に明示していますか



●発注者によって日数のばらつきがありますが、全体の5割以上が設定しています。
●計図書または仕様書に明示している発注者は、1割にも達していません。


工程上の準備日数の設定(調査年次比較) 準備日数の明示


明示しない理由
●契約上任意と考える
●明確な日数設定をしていないため
●特に必要ない
●工事種別、規模等の条件が一定でない
●準備日数を設定していないため
●工事監督者との協議事項のため

意見:通常必要な準備日数に、事前協議、申請等現場状況を考慮した設定が必要です。また、準備日数についての協議を発注者と施工者が対等に行うために、設計図書または仕様書への準備日数の明示が必要です。
作業不能日数について
工程上の作業不能日について設定していますか
作業不能日について,設計図書または仕様書に明示していますか



●作業不能日の設定は、前回調査と同じ4割です。
●行政規模が小さくなるに従い、設定や明示の割合が低くなっています。


作業不能日の設定(調査年次比較) 作業不能日の明示


明示しない理由(アンケートから抜粋)
●地域別の統計的なもので、契約事項と考えていない
●工程を含むための必要な資料とは思われない
●発注時の工期設定の際、含めて工期設定をしている
●随時、監査員と協議している
●積算基準の標準工期を採用のため
●請負業者の裁量の範囲と考える

意見:平成4年4月の建設省通達により、自然条件による工期への影響がでないよう、降雨、降雪等の作業不能日を考慮するよう指導しています。改善がみられない要因としては、発注者によって、作業不能日について考え方が統一されていないためと考えられます。
施工者としては、天候に左右される業態を考えると、作業不能日を考慮した工期の設定が必要です。また、施工者が工期についての考え方を理解し、発注者と対等に協議が可能となるためにも、設計図書または仕様書へ作業不能日の明示が必要です。

Contents
規定様式集について
規程の様式集がありますか。
規程の様式集以外の書類を要求することがありますか



●前回調査と比べると、規定様式集を持つ発注者は増えており、改善されてきたと言えます。
●市レベルでは、1割ほどの発注者が規定様式集を持たないようです。
●規定様式集以外の書類については、依然として2割の発注者が要求しています。


規定様式集の有無 規定集以外の書類の要求
書類について Part.1
監督員の指示が異なることにより、書類を訂正・追加させることがありますか


●書類を訂正・追加させた発注者が全体で2割と前回調査時より半減し、改善しています。

監督指示の相違による書類の追加・訂正
書類について Part.2
書類の削減及び書式の統一に関して、貴部署で取り組んでいることがありますか


●書類削減及び書式の統一について取り組む発注者は全体で3割となっています。
●行政規模の小さな市での取り組みが進んでいません。
●取り組み事例では、ITの活用が多くなっています。


書類削減・書式統一への取り組み

  発注者の取り組み例


●建設CALS/ECによる管理
●CADによる図面の電子化
●施工図面のCD-ROM化
●デジタル写真による提出
●書類の電子メールでのやりとり
●書類見直しの検討会開催
●提出書類の統一化
●ホームページの書式集掲載
                など

Contents
積算関係について Part.1
入札時に金抜き数量などで数量を公開していますか


●入札時の数量公開は進んでいると言えます。「土木・建築ともに公開」が7割を超えています。
●土木の92%(75%+17%)に比べると建築は76%(75%+1%)と、公開率は低くなっています。


入札時の数量公開
積算関係について Part.2
(財)日本建設情報センター(JACIC)のコリンズを活用していますか


●行政規模の大きい自治体や中央官庁では、活用が進んでいます。
●市レベルでの活用は、たいへん低くなっています。
  要因としては、扱う工事の規模、予算の問題などがあるようです。


コリンズの活用 コリンズを利用できない理由(市)

          コリンズを活用しない理由

●発注件数、業者数が少ない。
●オンライン化されていない。
●中小業者が多く、コリンズに登録されていない。
●地元業者との契約がもっぱらであり、必要性を感じない。
●小規模工事が多く、必要なデータが得られない。
●対象金額が高額過ぎて、市の発注工事を十分にカバーできない。
●活用すべき工事(2,500万円以上)が少ない。

意見:入札関係書類作成業務の効率化・軽減化のためにも、また、不良不適格業者の排除や公共事業の発注プロセスにおける透明性の確保のためにもコリンズ等の活用が必要だと考えます。

Contents
ISO9000sの導入について
@ISO9000sの認証取得をした業者を選定することは、発注者にとって品質管理面での効果が期待できると思いますか
AISO9000sを入札参加要件にすることを検討していますか
B発注工事へのISO9000s導入により、書類と業務は増えると思いますか



●約5割の発注者が、施工者の自主管理に期待できると考えています。
●市レベルでは、その効果を計りかねているようです。
●施工者の書類、業務が増えると考える発注者が導入期にもかかわらず約3割あります。
●入札参加条件にするという発注者は、中央官庁、公団・事業団で多くなっています。それ以外は、ほとんど検討していない状況です。


ISO9000s認証取得の効果 ISO9000sの入札参加条件
ISO9000s導入に伴う、書類と業務
意見:ISOの導入は、お互いのメリットがないと導入の意味合いがないと考えます。ISOの導入により施工者の業務が増え、労働時間の増加に繋がることが無いようご検討をお願いします。
発注者の声 Part.1
発注者と施工者の責任が不明確と思われる項目


●現地の細部における設計及び地元に十分配慮した設計がなされていない場合の対応は原則発注者であるが、現実はかなりの部分を施工者に頼っている。(中央官庁)
●三省(農水・運輸・建設)で「発注者責任研究懇談会」にてとりまとめ中であり、今後その動向が注目される。(中央官庁)
●工事現場の安全管理責任。(政令指定都市)
●第3者損害に対する責任。(政令指定都市)
●工事期間中住民の苦情があった場合、発注者の責任がどこまで要求されてしまうのか。中には金銭トラブルもありうる。(市)
●工事中に起きた自然災害による損害の負担割合。(市)
●工事施工による建物等被害の認定。(市)
●工事完了後における民地・家屋補償問題。(市)
●工事施工に伴って発生する振動、地盤沈下等に起因する事業損失に関すること。(市)
●工事内容の任意指定と設計変更の可否対象について、今後特記仕様で明示するよう検討したい。(県)
●共通仕様書に明示されている一般的な施工方法についても質問がある。(県)
●最近の山陽新幹線コンクリート事故報道によると、元請負者の果たすべき責任が履行されていないため、施工不良が当然のこどく発生している。この対策について、取組みが遅れると、ゼネコンへの国民の理解は得られず、社会的地位は向上しないのではないでしょうか。このような状態で、ISOに取り組んでも、本来の成果が得られるとは思えません。課題としては、下請負業者、資材納入者(生コン等)の指導徹底を図る必要があります。(県)
●土木工事では、工事監理については、ほとんど市職員が監督を行っている。施工者側へは相応の技術者の配置を義務付けているが監督する側の資格についてはあいまいである。その点について発注者側と施工者側での指示等について、特に安全管理に関しては責任が不明確と思われる。(市)
●基本的には図面・仕様等に基づき施工していく訳であるが、工事主目的物を完成されるための手段(仮設的なもの)については、自主施工の原則に基づき施工者の責任と解している(変更の対象としない)。上記の点について誤解している施工者も見受けられる。(市)
●仮設工の場合において、設計書と実際の施工方法が若干異なる場合がある。通常は問題ないの
 だが、万一事故等があったときのことを考え、責任を明確にする必要がある。(市)
●@設計書で地質調査・工法・仮設工法をうたっていながら、施工期間中に天候・気象等により不慮の事故が起きた場合の責任。Aコンサルに委託して設計した設計書に誤りがあり、それに基づいて施工者が工事を行い、構造物ができたがその後間違いが判明した場合、先の三者のうちだれの責任となるのかが不明確。(市)
●道路使用許可申請書(道路交通法77条1項)の申請は、どちらの責任において行うべきか、現在不明確となっていると思われる。(市)

Contents
発注者の声 Part.2
適正工期、書類の削減や業務効率上の観点から、
発注者から施工者に対する意見要望



●工事の難易度・規模により
現場技術者の適切な人数の配置を要望する。(中央官庁)
現在技術者の数が不足している様に思われるが、適正工期を守る為にも技術者の数を増やしていただきたい。(県)
●工期設定にあたっては、土・日を含む祝日及び実績に基づく休止日を加味した供用係数を設定している。
請負者がやむをえず休日作業を行う場合は、監督職員の承諾を得、代休措置とるよう願いたい。(中央官庁)
●今後電子化(CALS/ECやデジタル写真等)は加速的に進んで行く事が予想されるため、環境整備(パソコンの一人一台等)をお願いしたい。様式や手法の統一は発注者で調整すべきで、個々に実施すべきでは無い。(中央官庁)
●現場の書類等の電子化を進めてはどうか。CALS実証フィールド工事に登録すれば建設省は対応できる。(中央官庁)
●県・市町村レベルにも今後導入される建設CALSを意識し、書類の削減業務効率化として事務業務の電算化を推奨します。(県)
余分な書類を付けすぎる。工事書類について熟知していない場合が多い。(公団)
工事写真について写真管理基準を定め実施しているが、これによらず要求していない写真についても多数提出されていることが多く、各社合理的な写真管理についても検討していく必要がある。(県)
●ポイントをつかんだ適切な書類とし、書類の削減や効率化に努めるようお願いしたい。(県)
●書類削減のための書式統一、電子化は必要と思われる。しかし、会計検査のために要求する設計変更の積算の裏付け・構造物の安全性の裏付け資料は必要であるため削減は困難と考えられる。(県)
●共通仕様書等に基づく、適正な資材整理及び提出に努めてもらいたい。(県)
●2500万円以下の工事の場合、現場責任者が二つ以上の現場をかけ持ちすることがあるので、必ず専任を守ってほしい。そのために企業としてあらゆる機会に資格をとらせる為、技術者の技術力を向上させる努力をし、又、雇用関係を明確にすることをお願いしたい。このことにより、施工管理・工程管理(工期を含め)が適正に行われ、結果として品質向上につながっていくと思う。(区)
●工期については、標準工期を設定しているので実施については工程管理計画において、CPM手法で細部にわたり計画実施していただきたい。書類については、特別なもは要求していないと思う。(市)
●適正工期は今後も推進していく。(市)
●建設関係団体においても、提出書類の簡素化について統一性を持った方向で検討願いたい。(市)
●発注者は現地条件等を充分考慮した上で、設計・施工手法を提示しているが、
現場は生き物るために現地条件が異なる事態が生じた時に、適正で経済的な施工提案を今まで以上に願いたい。(中央官庁)
発注者の声 Part.3
そ の 他


●工期の設定については、早期発注により適正工期の確保に努めている。また、提出書類等の簡素化についても県の指導及び、近隣市町の意見を聞きながら検討していきたいと考えている。(市)
●建設省の基準や考え方については全国レベルで確立されており、中小の地方都市には実態として使いにくかったり、合わなかったりするものがある。(市)
●基本的に発注者は発注仕様に係る目的物とそれに関する品質保証を求めている。
ただ工事はいろんな法令に関係しているのでそれに関する書類は不可欠と思われる。(市)
●ほとんどが単年度予算であり、地元調整・用地交渉等に時間が必要であり、工期が短くならざるを得ず苦慮している。(市)
●最近入札において歩切が多めになっており、国庫補助工事等で差金を使うことになっていると使用不能となる事態が発生している。コンサルに発注した委託業務を工事発注した場合、現場に合わないことがままある。(市)
●施工者の基本である建設業法の一層の遵守、徹底を願う。(市)
●@支店における現場サポート体制が非常に悪い所がある。
A全ての現場で週40hを実施しているが、その内容は年末・年始や夏期休暇を含んでおり、4週8休とはなっておらず、問題があると考えている。
B作業者は日給月給の人も多くおり、完全週休2日にすると給料が下がることがあり、喜ばれていないのも問題があると考えている。(中央官庁)
●工事看板等にイメージアップによる市のアピール、又は花を入れて、工事現場を美しくできるよう依頼している。(市)
●ゼネコンのように施工と一体となった研究部門は他ではないし、コンサルタントからの問い合わせも多いと聞く。他社との共同開発は時代の流れなのだろうが、技術力向上のために組織の縮小は避けて欲しいと思っている。(中央官庁)

皆様のご意見もお聞かせください。
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