議長メッセージ第10回 変革を促す女性組合員の声
変革を促す女性組合員の声
「鈴木さん。建設産業を変えるのは、女性の存在ですよ。もっと、女性が働きやすい環境をつくらなければなりませんね。」
建設産業のある業界団体幹部の方と懇談した折のこと、将来への期待を込めておっしゃった言葉が印象に残っています。
男女雇用機会均等法が施行された1986年以降、社会全体で女性の活躍を推進する取り組みが進んできました。日建協加盟組合のなかでも、女性組合員の割合は年々増えています。(グラフ参照)
こうしたなか、日建協では2007年より、女性の視点を活動に取り入れていくことが重要と考え、女性技術者会議を開催しています。開催12回目となる2020年度は、「自社にロールモデルとなる女性技術者がいないので、ぜひ、出産や育児を経験して働き続けている女性技術者の体験を聞く機会を作ってほしい。」との声を受けて、昨年11月に開催しました。
当日の参加者は、女性のみ。男子禁制(運営役員は除く)での開催により、なるべく本音で話しやすい会議となるよう取り組みました。Compass記事にある通り、パネラーとして参加してくださった4名の方の体験談は、参加した女性技術者の皆さんにとって多くの気づきのきっかけになったようです。
この会議終了から数カ月後には、ある加盟組合の書記長から次のような依頼がありました。
「日建協の女性技術者会議に参加した女性組合員から、『女性の活躍や定着のために、男性の育児休業を推進する必要がある。組合として、男性組合員むけに意識調査をして欲しい』との依頼があった」「組合でアンケートを実施したいので、参考になりそうな他単組のアンケート設問を教えてほしい」と。
この連絡を受けて、日建協執行部ではすぐに事例を集め返答いたしました。自社の変革を促すために労働組合に要望を伝えた女性組合員と、スピーディーかつ献身の行動をされた書記長に、心から敬意を表するとともに、労働環境の改善が進むことを切に願っています。
政府や企業が、男女共同参画社会の実現にむけて取り組む昨今。私たち組合員にとって大きなチャンスの時と言えます。さらに改革を実のあるものにするためには、制度などハード面の整備や上からの指示だけで終わらず、労働組合に集う組合員一人ひとりが、自らのありたい姿を描き、具現化するために声をあげ、行動を起こすことが不可欠です。
日建協は、これからも加盟組合の女性組合員の皆さんの声に寄り添い、誰にとっても働きやすい建設産業をめざしてして取り組んでいきます。