東西組合細見 neo18/宮地エンジニアリング労働組合
1908年創業の株式会社宮地鐵工所と、兄弟会社である1949年創業の宮地建設工業株式会社が一つになって2011年に宮地エンジニアリング株式会社が発足しました。これまで東京ゲートブリッジ、明石海峡大橋をはじめとする長大橋、東京タワー、東京スカイツリーに代表される塔体や北海道ボールパーク等の大空間構造物の建設に数多く携わり、保全事業、FRP事業(ガラス繊維強化プラスチック)にも力を入れています。
江戸時代に鳶沢甚内(とびさわじんない)という古着屋の元締めがこの一帯に住んでいたことから、「鳶沢町」と呼ばれ、後にそれが訛った日本橋「富沢町」に事務所を構え、組合員のより良い労働環境づくりに取り組んでいます。宮地エンジニアリング内には宮地建設工業と宮地鐵工所それぞれにルーツを持つ組合が存在し、組合間での交流もはかっています。
◆ 設 立:1962年1月(昭和37年) | ◆ 組合員数:約79名(2024年2月1日現在) |
◆ 本部執行委員数:12名 | ◆ 執行委員会:随時 |
◆ 支部数:2支部(東京、大阪) |
上限規制への対応や労働環境の向上にむけて
官公庁発注の工事では土曜閉所の現場が増えていますが、民間工事に関しては当社が下請けの工事もあるため、元請会社が閉所しない限り当社も休めません。当社の4週8閉所は元請次第というのが現状です。
時短については各部署で時間外労働時間を月ごとに集計しており、労使協議会の場で会社側から報告を受けています。部署ごとに時間外労働の目標時間を設定し、時間外労働の多い職員には業務のフォローなどを行っています。
また、組合員からの意見としては、福利厚生の充実を求められており、若手の離職防止にも繋がるような施策を検討中です。当社の特徴的な取り組みとして、人材獲得のため、社長や役員がリクルート活動を行い、自らの母校やOBのいない大学にも赴き、業界や橋梁の魅力、仕事の楽しさ、やりがいを学生に伝えています。
組合員同士の交流を促進!
当組合では組合員同士の交流が重要と考え、レクリエーション活動に対して費用を補助する制度があります。1人当たり10,000円、2名以上から利用が可能で、領収書や写真を提出してもらいます。鑑賞会や食事会、ゴルフなどのレジャーだけでなく、スキーなどに行った際のガソリン代や交通費に充てることもできます。利用率も増加してきており、組合員から好評を得ています。また、一昨年からはレクリエーション費用とは別に、会社から福利厚生の一環として「文化体育補助金」が支給されるようになりました。こちらは組合員だけでなく管理職や家族まで使用できるものとなっており、花見は恒例行事の一つとなっています。今後はさらに恒例行事を増やしていきたいと思っています。
定期大会の現場勤務者の参加率を増やしたい
毎年9月に行われる定期大会の委任を含めた参加率は90%超ですが、例年内勤は30名ほど、現場勤務者は若干の参加にとどまっています。現場の皆さんに意見をいただいて初めて会社に要求できることもあります。作業環境の改善や福利厚生の充実をはかる要求などをするためにも、組合員の皆さん自ら関心を持ってもらうことが大切だと思っています。内勤・外勤を問わずさまざまな意見を取り入れるべく、定期大会の現場勤務者の参加率を上げたいというのが直近の目標です。
組合員の能力向上にむけて
組合執行部の世代交代をめざして、若手を執行部に登用し能力向上をはかっています。最近では組合役員に日建協の賃金教室に参加してもらいました。今後は中央執行委員や支部役員に若手を積極的に登用できるよう、組合の魅力向上に取り組んでいきます。
人手不足の深刻化や、4月から適用となる時間外労働の上限規制への対応など、取り巻く環境も変化していくなか、労働環境が少しでもよくなるように頑張っていきたいと思います。
鐵工所にルーツを持つ社内の別組合とも交流をはかりながら、今後の組合の未来や活動の充実化をめざすお二人の熱い思いが伝わってきました。組合員の労働環境の改善にむけ真摯に取り組む執行部の姿勢を強く感じました。取材にご協力いただきました熊谷委員長、一条書記長、ありがとうございました。