NikkenkyoNews Vol.21 国際産別組織BWIの第3回世界大会に参加しました!【Part1】

(連続して3回に分けてご報告します)

於:タイ バンコク

日 時:2013年12月4日(水)、5日(木)

参加者:植村、吉田

 

12月4日(水)から2日間、タイのバンコクで行われたBWI第3回世界大会に、日建協から植村議長、吉田執行委員の2名が参加しました。本大会は『JOBS FOR ALL JUSTICE FOR ALL(全ての人に雇用を、全ての人に公平性を)』をスローガンとして開催されました。

BWIは正式名称をBuilding and Wood Workers International(国際建設林業労働組合連盟)といい、94ヶ国199組織で構成される、建設及び林業に関する労働組合の世界的な組合組織です。主に、一国では解決できない国家間にわたる労働問題を解決するため、また組合組織が未発達の国に対して、法整備等の支援を行うために様々な活動を続けています。世界大会は4年に一度行われ、各国及び地域から代表団が集まります。今回開かれた第3回世界大会の出席者は総勢約900名。日本から参加したのは、BWI日本協議会のメンバーである日建協、森林労連、UAゼンセン、建設連合、全建総連から派遣された代表団総勢17名です。

会議の様子を、順を追って報告します。

 


 

(大会一日目) 開会、各種大会員の選出、活動報告、監査報告、各地域からの活動報告、パネルディスカッション、戦略計画2014-2017、戦略計画に対する討議

 

世界大会会場の執行部
左から二人目がクラウス会長

大会は、BWIクラウス会長の「BWIはITUC*1とともに組合活動を積極的に進めていく。特に独裁者や全体主義と断固闘っていかねばならない。」との挨拶で始まりました。

 

各地域からの活動報告において特に印象深かったのは、ブラジルとカタールの報告です。両国ともにFIFAワールドカップの開催地であり、関連施設の建設に伴う労働者の環境が非常に劣悪であるという内容でした。また日本からは、今回新たにBWIに加盟した全建総連の清水書記次長が代表して現況を報告するとともに、各国と共同した運動を進める決意を表明しました。

 

パネルディスカッションでは、4人の有識者が壇上で討議を行いました。興味を引いたのは中国人活動家の中国における組合活動についての話です。特に、この中国人活動家が「中国の労働運動は以前と比較して改善してきている。」と発言したことに対して、アフリカ人有識者が「そんなことはない。中国の組合組織には政府関係者もおり、そのような団体に自由な労働運動など出来るはずがない。現に政府と企業が一体となって、アフリカ人労働者に対して搾取している事実がある。」と発言しました。中国人活動家は、「同感である。しかし、中国の労働運動が前進していることは理解してほしい。」と述べており、中国の労働運動の厳しさとそこに差す少しの光明を見たような気がしました。

 

続いて、次の世界大会が開催されるまでの4年間の戦略プランが発表され、BWIがどのような戦略を持って活動をすべきかを討議しました。また、世界中の労働者に対して変革できることを訴え、「グローバルレベルでの団結があるんだ」という理解を促進することが重要であるとし、グローバルに考えグローバルに活動する決意を確認しました。BWI執行部の具体的な計画として、重点を置くのは下記の3項目です。

 

・組織化・・・労働者が団結して課題に立ち向かえるように組織化に注力する。

・交渉・・・ILO*2中核的労働基準の批准国の拡大、国際枠組み条約の締結推進などにむけてあらゆる交渉を続ける。

・効果的な法制度の整備・・・連帯行動やキャンペーンを通じて、産業政策に影響を与える制度作りに参加する。

 

*1  ITUC…国際労働組合総連合(The International Trade Union Confederation)

*2  ILO…国際労働機関(International Labour Organization)

(続く)