Nikkenkyo News Vol.37 【連合】OECD加盟50周年シンポジウムへ参加

於:ホテルグランドパレス

2014年4月8日(火)15:00~17:30

 

パネルディスカッションの様子

パネルディスカッションの様子

わが国はOECD(※1)に加盟して今年で50周年を迎え、また5月開催のOECD閣僚理事会では日本が議長国を務めます。連合は、OECDの諮問委員会であるTUAC(※2)の主要加盟組織であり、この機会に、暮らしの底上げを伴う持続的で健全な経済の発展に不可欠な政策の方向性の確認と発信を目的としてシンポジウムを開催し、日建協も連合の友好加盟組織として参加しました。以下、概要をご報告します。

 

まず始めに、連合古賀会長の主催者挨拶があり、連合の政策である「働くことを軸とする安心社会」への取り組みについて、誰もが働く安心社会が持続的かつ安定的な成長社会へと繋がるとの考えを示しました。そして、OECDの今後の取り組みに対し、世界の行動するシンクタンクとして期待している旨を伝え、挨拶を締めくくりました。

 

次に、OECDグリア事務総長の挨拶があり、36年ぶりにOECD閣僚理事会議長国を務める日本には、東南アジア諸国との繋ぎ役としても大いに期待していると述べました。また、人的資産の活用ができないと経済は衰退に向かうとし、雇用に影響を及ぼす法人税を引き下げ、消費税(付加価値税)を上げるべきだとの考えを示しました。

 

パネルディスカッションでは、エバンスTUAC事務局長は、労働組合の組織率が所得格差と相関関係にあることを示し、労働組合は格差問題解決に重要な役割を果たすと主張しました。また、ラモスOECD事務総長首席補佐官は、格差や不平等は経済成長の阻害要因となるとし、政府はより高いGDPを求めるだけでなく、国民の幸福度を重視する必要があると述べました。 最後に連合古賀会長から、連合の政策の方向性について確認と発信をすることができ有意義な会合となった旨の感謝の意を伝え、シンポジウムは閉会しました。

 

日建協は、OECDに対して意見発信するなど、広く世界の各組織と交流できる連合とのパイプを築くことは、建設産業の産別組織として必要なことだと考えています。グローバルな点においても、連合の活動に参加することで得られた情報はきちんと整理し、今後の日建協活動に効果的に活用・反映していきたいと思います。

 

※1 OECD(経済協力開発機構)

・・・先進国間の自由な意見交換・情報交換を通じて、1)経済成長、2)貿易自由化、3)途上国支援に貢献することを目的に1961年に設立された国際機関で、EU加盟国のほかアメリカ・メキシコ・韓国など日本を含めた先進34カ国が加盟している。

 

※2 TUAC(OECD労働組合諮問委員会)

・・・OECDの諸活動に対する助言を目的に、ビジネス界の代表からなるBIAC(経済産業諮問委員会)と労働組合の代表からなるTUAC(労働組合諮問委員会)が設けられている。OECD加盟31カ国にある59の労働組合ナショナル・センターが加盟しており、連合はAFL-CIO(米国)・DGB(ドイツ)に次いで世界第3位の組織規模。TUACの主要加盟組織として、連合(日本)の古賀会長がTUAC副会長を務めている。