誰にとっても働きやすい建設産業を実現するために・・・男性の意見も聞いてみたい!
日建協では、誰にとっても働きやすい建設産業を実現するためには女性の視点を採り入れていくことが重要と考え、2009年度より毎年女性技術者会議を行っています。今までの会議は女性だけで行っていましたが、「男性の意見を聞いてみたい」 という昨年の参加者からの声を受け、今回は男女混合のグループでの討議としました。
基調講演
討議のテーマ
昨年 「作業所環境の改善に必要なこと」 をテーマに作成したマンダラチャート(※)の中から、「所定外労働時間削減に必要なこと」 「上司とのコミュニケーションに必要なこと」 「女性技術者を増やすために必要なこと」 「多様な働き方に必要なこと」 などの解決策に対して重要度をつけてもらいました。(※ 参照 Compass Vol.810-2016.9)
討議の進め方とねらい
こんなところに違いが
男女間で意見の差があった項目をグループ発表や討議の中からピックアップしてみました。
討議してみて
男女間に視点の差は存在し、どちらかが正解ということでは無いと思います。ここではあえてコントラストばかりを挙げましたが、実は一致している点も多くありました。まずは意見の相違を受け入れることが必要なのではないでしょうか。
出席者の感想より
◆ まずは女性技術者会議に男性も参加したという事実が何よりも良かったと思います。(女性)
◆ 男女感覚の違いを感じました。男性は社会性や組織を重んじ、問題を広い観点でとらえている。女性は、特に現実的なことで、自分自身がいかに働きやすい環境にしていくかということを重要視しているように感じました。(女性)
◆ 問題や課題については性別にかかわらず共通認識をもっていると感じましたが、重要と思うキーワードや思い浮かぶ事柄などは大きく異なっていると感じました。(男性)
◆ 性別だけでなく個々の事情により求められている対応は異なっているということに気づけました。(男性)
◆ 男性が育児に専念するシチュエーションを想像できる社会ではないことが、女性活躍の妨げになっているのではないかと感じるようになりました。(男性)
最後に
今回の女性技術者会議で感じたことは、男女間の差はやはりあるのだということでした。男性が多数を占めてきた建設産業では新たに女性の視点を採り入れることにより 「今まで分からなかった問題への気づき」 「諸課題に対する新たな解決方法」 が見つかるかもしれません。「女性視点」 をもっと採り入れていければ、長時間労働の解消や産業の魅力化などがより早く実現できるのではないでしょうか。その前提として建設産業での女性活躍を推進する必要があると考えます。
日建協では 「誰にとっても働きやすい建設産業を実現するために」 今後も活動していきます。
【会議参加者(敬称略)】
北田和加奈、日野陽子、米澤正貴(安藤ハザマユニオン)、大森一真、小河篤史、佐藤彩加(奥村職組)、加治木茂、中家詩織、横塚真帆(五洋労組)、田中絵里子、中井明日香(佐藤職組)、岡 隆之、進 綾乃(シミズユニオン)、檜山祥子(鉄建職組)、長谷川晋也、山本歩未、吉野 將(東洋職労組)、中尾将己(戸田職組)、出屋敷嘉亮(西松職組)、近藤敏人、廣井祥子(フジタ職組)、芥川亜紀子(丸彦職組)、齋藤真衣、三並友香、吉岡克樹(三井住友社組)
<加盟組合外参加者>
猪原真理子(自治労都庁職)、岩口梓(長谷工グループ労組)