BWI (国際建設林業労働組合連盟) って、どんな組織?

連合・他産業

08-01日建協では、海外で働く組合員のために国外での労働環境に関する情報収集と意見発信のツールとしてBWI活動に参加しています。最近では、東京オリンピック・パラリンピック関連工事の本格稼働に伴い外国人労働者の活用も注目され、建設産業においても海外へ進出することだけでなく、受け入れる立場としても留意していかなければならない状況になりつつあります。今号では、海外における労働環境の問題解決に取り組む国際産業別労働組合組織 (GUF) の1つであるBWIについて紹介します。

BWIとは

2013/12/04 BWI世界大会 (バンコク) の様子

2013/12 BWI世界大会(バンコク)

世界的・地域的・国家的・社会的な発展において、人が第一であるとの考えのもと、労働者の権利を保護・促進し、加盟組織組合員の  “生活の質”  および  “労働条件”  の改善に全力をつくすとともに、加盟組織の活動を支持し促進することを目的に活動しています。

 

 

◆ 組織概要

名     称 : 国際建設林業労働組合連盟(BWI) (Building and Wood Workers International)
所  在  地 : スイス ジュネーブ
組合員数 : 1,200万人 (130ヶ国 328組織)
地域機構 : ヨーロッパ地域、ラテンアメリカおよびカリブ地域、アジア太平洋地域

アフリカ中東地域の4地域に分割

機関会議 : 世界大会、地域大会 (4年に1回)、地域セミナー (年1回)、国際女性委員会 他
本部役員 : 会 長 パー  オルフ  スジョー (スウェーデン)、書記長 アンベット  ユソン (フィリピン)

 

◆ 主な活動

● 加盟組織間の連帯を支援するとともに、教育、訓練、連帯行動を通じBWIの組織範囲にある労働者の組織化を支持し支援する
● 国連、ILO (国際労働機関)、その他専門諸機関の活動に関与し、加盟組織および組合員の社会的・経済的・文化的活動を保護する
国際枠組み協約 (IFA:International Framework Agreements) の締結を促進する

 

◆ 歴史的経過

1883年 : 国際大工労組結成 (のちに国際建設労組に、本部はドイツ)
1934年 : 国際建設労組と国際林業労組の合併により、国際建設林産労組連盟(IFBWW)を

結成し、26カ国77組合96万人になる

1946年 : 第二次世界大戦により壊滅的な打撃をうけたが、戦後に15カ国68組合100万人にて

再出発 (90年代ベルリンの壁崩壊後、中・東欧、ロシア、CIS諸国からの加盟が相次ぐ)

2005年 : 国際建設林産労組連盟 (IFBWW) と世界建設林業労組連盟 (WFWB) が統合し、

BWIを結成

08-02

◆ 国際労働運動の組織 (グローバルユニオンズ)

GUF (国際産業別労働組合組織) とは、各国の産業別の労働組合が国際的に集結した連合体の総称であり、現在9つの組織から成り立っています。多国籍企業のもとで働く労働者の労働環境改善など1つの国では解決しにくい問題に取り組んでいます。
また、ITUC (※1) やTUAC (※2) などと連携し、G8、G20などの政府間会合に集まった各国首脳との協議や、国際機関・多国籍企業への働きかけを行っています。

 

※1 : 連合などのナショナルセンターが加盟する労働組合の最大組織。
※2 : OECD (経済協力開発機構) に設けられた労働組合の代表からなる諮問委員会。ビジネス界の代表からなる BIAC (経済産業諮問委員会) もある。
参考 : 国際労働運動については、連合HPの国際活動ページに詳しく掲載していますのでご覧ください。
http://www.jtuc-rengo.or.jp/

BWI-JACとは

地域大会に参加したBWI-JACメンバー

地域大会に参加した
BWI-JACメンバー

BWIに加盟する日本の組織が集まった団体です。労働者の結集と組合員の雇用や労働基本権の確立、労働条件の改善とともに、BWI-JACの組織強化に向け取り組んでいます。また、BWIが国際的に取り組んでいる課題とも連動させ、アジア太平洋地域における関係組合との連携を強化するとともに、国内における産業の持続的発展に向け取り組みを進めています。

 

◆ 組織概要

名     称 : BWI日本加盟組合協議会 (BWI-JAC) (Japanese Affiliates Council)
所  在  地 : 千代田区霞が関1-2-1
加盟組合 : 森林労連、日建協、UAゼンセン、全建総連
機関会議 : 総会(年1回)、幹事会(年3~4回)
地域委員 : BWI加盟国を地域別に26グループに分けた19番目の東アジアグループ

(日本、韓国、台湾、香港、モンゴル) の代表をBWI-JAC議長が務めている

◆ 主な活動

● アジア太平洋地域内の友好と連帯、日本ILO協議会や他の国際産別組織、NGOフォーラム等との連携を深める
● 建設産業における雇用確保、労働者の処遇改善、技能訓練・開発を進めるとともに、安全衛生面の改善等の対策を加盟組合と連携し進める
● 森林認証制度の普及・拡大および森林、林業、木材関連産業の基盤の安定化にむけ、関係組合と連携し取り組みを推進する

 

BWI-JACとして、世界大会・地域大会・セミナーの場においてスピーチを行っています。日建協としては、2012年に 「日本の建設産業で働く組合員の雇用不安について」 (Compass Vol.796)、2014年に 「東京オリンピック・パラリンピック開催にむけた外国人労働者の活用について」 (Compass Vol.804) と題し、産別組織として意見発信を行ってきました。

 国際枠組み協約とは (グローバル枠組み協定)

企業 (多国籍企業) と国際産業別労働組合組織/産別/単組などとの間で協約を締結し、

ILO中核的労働基準の遵守」 や 「労働基本権の尊重」 を柱とした対話を進めていく中で、建設的な労使関係をグローバルに築いていこうというものです。労使共同社会的責任を果たしていくことで、働きがいのある人間らしい職場をつくり、ひいては企業や産業の発展につながると考えられています。

 

08-03企業の海外事業の拡大に伴い、企業が果たすべき社会的責任 (CSR) の範囲も広がっており、特に働く人々の権利を尊重する責任があります。ILO 「多国籍企業及び社会政策に関する原則の三者宣言」 やOECD 「多国籍企業行動指針」、国連 「グローバル・コンパクト」、「ISO26000 (社会的責任に関する手引き) 」 などの企業の社会的責任に関する国際ルールすべてに共通するのが人権尊重の考え方です。しかし、これらは労働基本権の尊重など社会に対するコミットメントを企業が自ら宣言するだけであり、よりCSRの実効性を高めるためにも国際枠組み協約により、労働組合とともに社会的責任を果たしていくことが有効だと考えられています。

 

【協約のメリット】

● CSRに対する真剣な姿勢を国際社会にアピールできる
● 労使対話の促進で、海外進出先での労使紛争が未然に防止できる
● GUFが労働問題の窓口と公表されるため、GUFを無視してNGO等の団体が一方的に問題を大きく取り上げにくくなる
● 労使トラブルが発生した場合、GUFのネットワークやノウハウにより早期に解決がはかれる
● 上記などのメリットにより、結果的に企業の価値や評価が高まる

 

◆ 締結している日本企業 (計3企業)
● 高島屋 (2008年:UNI、UAゼンセン、高島屋労働組合と締結)
● ミズノ (2011年:Industriall、UAゼンセン、ミズノユニオンと締結)
● イオン (2014年:UNI、UAゼンセン、イオングループ労働組合連合会と締結)

◆ BWIが締結に関わった企業(計15企業)
● イケア (1998年、スウェーデン、家具・家庭用品小売)
● ファーバーカステル (1999年、ドイツ、文具)
● ホッホティーフ (2000年、ドイツ、建設) などの建設関係企業は欧州を中心に8社

BWIアジア太平洋地域大会報告

フィリピンマニラで開催 (2015/4/9) された第3回BWIアジア太平洋地域大会に参加しました。大会では、事前に提出された17の決議事項と1つの緊急決議事項の計18事項が議決されました。

 

地域大会の様子

地域大会の様子

主な決議事項として、『2022年カタール サッカーワールドカップにおける労働者の権利確保について』 や多国籍企業 『Holcim (ホルシム) とLafarge (ラファージュ) の合併における労働者の権利確保について』 などがありました。また、『地域アクションプラン2015-2019』 が紹介され、BWIが活動を広めていくために、多国籍企業、森林に関する認証企業、セメント企業、中国企業に接触し、そこで働く労働者の組織化と、団体交渉ができる環境を作ることが基本であるとの説明がありました。
最後に、ユソンBWI書記長から 「組織を持続可能にするためには、若いリーダー達にチャンスを与え、能力を開発していくことが大事である。組織の問題は、財政的な問題だけでなく、次世代のリーダーを育成することも重要な課題である。」 との挨拶で大会を締めくくりました。

08-0408-05

08-09植村日建協前議長は、スジョーBWI会長と挨拶を交わし 「日本の建設産業において、海外での仕事が増えており、組合員が労働紛争に巻き込まれることを危惧している。ILO中核的労働基準の批准国拡大や国際枠組み協約締結の推進など、今後もBWIの取り組みに期待をしている。また、海外だけでなく、今後危惧される国内での労働問題が生じた場合には、早期解決にむけ協力をお願いする。」 と要請しました。

 

BWIは、建設産業の国際産別組織としてあらゆる国際機関や政府などへ働きかけを行い、世界で起きている労働問題の解決にむけて積極的に活動を展開しています。今後、加盟組合企業の海外への事業範囲の拡大や国内の外国人労働者の増加が予想されるなか、労働環境に関するトラブルの未然防止や発生したトラブルの早期解決をはかるためには、BWIのノウハウと組織力の活用が有効です。日建協は、これからもBWI-JACでの活動をつうじ、海外の労働事情などの情報収集とBWIとの連携強化をはかっていきます。

↑このページの上に戻る

home