今時の学生 就職志向 ~さらなる魅力ある建設産業へ 今私たちにできること~

 

日建協では、将来の建設産業を担う土木・建築学科の学生たちにゼネコンの仕事や魅力を正しく知ってもらうため、2006年度より全国の大学や研修センターで出前講座を開催しています。本年度は4大学、1研修センターで開催し、合計464名に受講いただきました。過去の出前講座受講者のなかにはゼネコンに就職した学生も多数います。
ここでは、出前講座で行ったアンケートから、「学生の就職に対する意識」 について紹介します。また、出前講座開催に合わせて各大学の先生と 「今時の学生の就職に対する意識」 について意見交換を行いました。ゼネコンを希望する学生が少ないなか、どのようなことを重要視して就職先を選択しているか、ゼネコンを就職先として選んでもらうために何が必要か調査・検討しました。

学生が希望就職先としてゼネコンを選ばない理由

希望就職先としては、ゼネコンが23.0%で第1位、次いで設計事務所・コンサルタント19.4%、官公庁(公務員)16.3%の順になりました(図1)。学生は、ゼネコンは労働時間が長く、休日が取りにくいと思っており、長時間労働や慣れ親しんだ土地を離れることになる転勤・異動をしたくないということも分かりました(図2)。

「就職で重要視すること」と「ゼネコンのイメージ」の相関図

学生が就職で重要視すること

学生はゼネコンを安定性・将来性がある産業とみています。また仕事の内容や給料は重要視するとともに概ね良いイメージを持っているようです(図3)。公共性・社会貢献は、就職では重要視していませんが、良いイメージであることからさらに注目してもらうため、もっとアピールして、就職希望者を増やす取り組みを進めるべきと考えます。重要視しているにも関わらず、長時間労働や休日取得は、イメージが悪いので労働環境の早急な改善が必要です。

建設産業の魅力を伝えて頂いた講師の方々

講師の方々ご協力ありがとうございました。

学生からの感想

◆ ゼネコンは、やるべきことが多くハードだと思うが、成し遂げたときの達成感がありそうでした。(3年生 男性)
◆ 若手の1日の仕事内容など具体的な話が聞くことができ、ゼネコン入社後のイメージできて良かったです。(3年生 女性)
◆ 写真で紹介していただいた現場での雰囲気が非常に良く感じ、ゼネコンに対するイメージが変わりました。(3年生 男性)
◆ 女性の活躍の場が建設産業にも定着していることを初めて知り、ゼネコンも就職の選択肢のひとつになりました。(3年生 女性)

先生との意見交換

◆ 学生たちにとって出前講座は、建設産業の 「魅力」 や 「やりがい」 を伝えられる有意義な時間である。
◆ 今時の学生は内向き志向の子が多いので、実家から出て一人暮らしをしてまでゼネコンを選択しない傾向にある。
◆ 地元就職希望者が増えていて、官公庁(公務員)希望者の中でも国よりも県、県よりも市を選ぶ傾向がある。
◆ 基幹産業の担い手となるゼネコンへの希望就職者はここ数年2割程度だが3割までは増やしたいと思う。
◆ 地味な(かっこ悪い)仕事や難しい仕事でも、問題を克服し成し遂げた時の達成感が学生に伝わる講座にして欲しい。

出前講座を受講してみて ~ゼネコンを選ばなかった学生  受講後の変化~

学生の意識変化

ゼネコンへの就職を希望しない学生161人(図4)の半数近くが受講後に働きたいと思った、また少し思ったと回答しました(図5)。出前講座でゼネコンの魅力と講師たちの体験談などを伝えたことによりゼネコンに対する学生たちのイメージと意識が変化したのではないでしょうか。

おわりに

建設系学科の学生は程度の差はあれど、建設産業に期待を持っていると思います。今回の出前講座のように、ゼネコンの現状や取り組みを伝えることで就職希望者を増やす効果があることも分かりました。日建協は国交省、業界団体、企業に対しこのような活動を積極的に行っていただくよう働きかけています。あわせて労働環境改善にむけた建設産業の抱える諸問題解決のため政策提言を行っていきます。
また、今後もひとりでも多くの学生にゼネコンを希望就職先として選んでもらえるよう出前講座を継続していきます。

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