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疲れた胃腸の立て直しレシピ


年末ならば忘年会に新年会、
夏休みならば故郷に帰って家族や友人と会い、食も進み、お酒も進む。
普段の健康管理はどこへやら、気付けば、アレ、ちょっと体の具合が・・・。
皆さんにも、少なからず身に覚えのあることでしょう。
 さて今回は、日ごろ酷使して悲鳴を上げている可能性の高い「胃腸」を回復させるための
「虎の巻」をご紹介いたします。

――家でできる漢方ご飯レシピ付き――

■生活が養生の基本

 人間には本来、昼間働いて夜休むという習慣があります。これは単なる習慣ではなく体内リズムと一体になっています。このリズムが、実は健康、とくに胃腸のためにはとても大切。規則正しい生活が理想とはいえ、なかなか難しいもの。体内リズムを整えるための第一歩は、一日三食、決まった時間に食事を食べること。また、朝食をおいしく食べるために寝る三時間前からは何も食べない、そして間食はやめることを守ります。こうすることで体内リズムが整い、リズムが整えば快便にもつながります。
 
■回数より間隔

 胃の生理からいえば、問題となるのは食事の回数よりその間隔です。空腹が長時間続くと胃液が胃の粘膜を刺激してびらんや潰瘍ができやすくなるのです。ですから朝食抜きで会社に行く、また、朝食を抜いたままたばこやコーヒーに手を出すことは、胃への拷問のようなものといえます。
 朝食はきちんととり、その後は5〜6時間あけて食事を取るのが体には一番いいようです。
 
■腹八分目に病なし

 では、食べすぎはなぜいけないかというと、たくさんの食物で胃壁が極端に拡張し、胃の筋力が低下してしまいます。すると胃のぜん動運動がうまく行われず、食物が胃液とよく混ざらないで十二指腸に送られてしまいます。そのためより多くの胆汁や膵液(すいえき)が動員され、消化器全体に負担をかけることになってしまうのです。つまり、胃の中に空間を持たせたほうが食物と胃液がよく混ざり、胃の運動もリズミカルになるということです。
 空腹の状態を気持ちいいと思えることも、胃腸の健康のバロメーターといえるでしょう。
 
■よく噛んでゆっくり休む

 忙しいとつい早食いになりますが、噛むことで唾液と食物が混じり合い、消化吸収されやすくなるので、噛まないと胃は余分に働くことになります。噛むことが消化の第一歩というわけです。
 噛むことの効能には胃腸の保護のほか、肥満の防止、脳の発達、ガンの予防などがあります。その裏づけとして、よく噛むとパロチンという老化防止ホルモンが分泌されることがあげられます。ひと口三十回噛むことが目安。
 また、消化活動には十分な血液が必要なため、食後すぐ動いたり入浴してしまうと、胃に十分な血液が回らなくなって、消化がスムーズにできなくなります。食後三十〜六十分はゆっくり休むように心がけたいものです。
 
■食べすぎ飲みすぎには

 付き合い酒や食べすぎが続くと、胃が張ったりガスがたまったりしがち。そんなときは、左の助骨の下をマッサージすると胃がすっきりします。このとき、両足を折り曲げて座り、助骨の下に指を押し込み、口からゆっくり息を吐きながら指先を突き刺すようにもみます。息を吐ききったらパッと指先を離す、これを二、三回くり返します。浴槽の中でゆっくりマッサージするとよいでしょう。
 また、ガスが溜まってお腹が苦しいときは、手のひらや人差し指と親指の間の合谷(ごうこく)というツボをもむのもよい方法です。少し痛いくらいに強くもみます。胃痛腹痛のみならず、どんな痛みにも効く万能ツボです。
 本格的に急性胃腸炎になってしまったとき・・・たとえば胃の痛みがひどいとか吐いてしまうとかのときは、まず24時間ぐらい食事を抜いて胃腸を休めます。その後は白湯や牛乳、果汁など水分だけを取り、症状が軽くなったらお粥などの軽いものを徐々に取るようにします。二、三日しても症状が軽減しないときは、迷わず病院に行くことをお勧めします。
 
■呼吸で整える

 胃腸は自律神経とも深い関係があるので、呼吸法がとても効果的です。就寝前や仕事の合間を利用してトライしてみてはいかがでしょう。胃腸の機能を高めるだけでなく、神経や心臓、血管など、体全体に良い影響を及ぼします。
@ 両手を重ねておへその下におき、意識をそこに集中させます。
A 背筋を伸ばして、とがらせ気味にした口から息を細く長く吐きます。
   このとき、上半身の力を抜き、頭は天から糸で吊られているような気持ちで。
B 吐き終わったら鼻から息を吸いますが、息は自然に入ってくるに任せます。
 
■ツボマッサージで整える

 胃もたれ、げっぷ、胸やけといった症状のあるときは、足の膝下のところにある“三里”というツボを押すと圧痛があるはずです。ここを小さな円を描くようにしてもみ込むと、症状がうすれます。ただし、足三里は胃酸の分泌を促すツボなので、胃酸過多の人は制酸効果のあるツボ陽稜泉を押すとよいでしょう。
 また、胃腸の働きを高めるツボは背中とお腹に数箇所あり、そこを中心にマッサージすると効き目があります。


■食べて整える

 食べて胃を整えるには、胃酸の分泌量を適量に調整し、胃や腸の消化吸収をスムーズにしてくれるものを食べるのが最適。たとえば大根には、デンプンを分解するジアスターゼという酵素が豊富です。また、潰瘍で傷ついた胃粘膜を保護するのが牛乳で、胃壁に幕を張って刺激から守ってくれます。また、荒れた胃の粘膜の修復にはほうれん草が活躍します。粘膜の免疫を高めるカロチンやビタミンCが豊富だからです。
 その他にも次のような効果的な食物をバランスよくとるように心がけたいものです。
 
●消化不良⇒消化を促進する
消化酵素にはデンプンを分解するもの、タンパク質を分解するもの、脂肪を分解するものがありますが、この3つを兼ね備えているのが納豆。納豆は栄養豊富な滋養強壮食であるばかりか、類を見ない優れた消化剤です。
また、消化によいといわれる大根の2倍のジアスターゼを含むのがヤマイモ。消化の悪い麦飯にとろろ汁をかけて食べるのもその理由からです。
タンパク質をよく消化するのはパパイヤ、イチジク、パイナップルなど。酢豚にパイナップルは理にかなっているわけです。

●胸やけ、空腹時の胃痛⇒胃酸を抑える
胃酸はpH2の強酸で金属も溶かしてしまいます。これを中和するにはアルカリ性のカルシウムを多く取るのがよいでしょう。牡蠣やワカメ、コンブなどに多く含まれます。また、胃酸過多はストレスやたばこの吸い過ぎなどでも憎悪するので、胃酸過多の煙草のみの人は気をつけてください。精神安定作用のある蓮の実、ユリ根、ナツメがおすすめです。

●お年寄り、胃弱者⇒胃酸の分泌を促進
胃痛は胃酸過多のせいだと思っている人の50%以上は、逆に胃酸が足りないというデータがあります。特に胃弱の人やシルバー世代はほとんどの場合胃酸が少ないようです。胃酸の分泌を促し、食欲を亢進させるのがアロエやニンニク、ペパーミント、生姜、シソ、梅干、ラッキョウ、ビール酵母など。香辛料にはおおむね胃酸を分泌させる作用があります。

●炎症、潰瘍を抑える
モロヘイヤ、オオバコなど、粘質多糖類を含む食品はただれを抑える働きがあります。モロヘイヤは栄養の宝庫ともいうべき野菜で、ビタミンやミネラルの含有量は野菜の中でも群を抜いています。炎症を抑えるだけでなく、免疫力を高めて炎症を予防するはたらきもあります。その意味で青汁も有効でしょう。
ビタミンUというキャベツ特有の成分は、消化作用と胃粘液の分泌を高め、潰瘍を予防します。また、プロポリスには胃炎や潰瘍の症状を和らげる作用があります。

●胃粘膜を保護する
潰瘍で傷ついた胃粘膜に皮膜を張り、保護してくれるのがアロエの皮を取ったゼリー質やハトムギ。就寝前のホットミルクもお勧めです。

 さて、胃腸に効く健康法を紹介してきましたが、大事なのはやはり、自分で自分の体を可愛がってあげることです。胃腸は「喋る臓器」と言われるほど色々なサイン(胸やけや胃痛)でSOSを知らせてくれます。その声に耳を傾けて、デリケートに接してあげることがたいせつです。おいしい食事を楽しみ、また元気に活動できるのも、健康な体があってこそ。かけがえのない自分の体、大切に扱ってあげましょう。
 最後に、家庭で手軽にできる胃にやさしいご飯と飲み物をいくつかご紹介しましょう。

家でできる漢方ご飯
●青じそ雑穀ごはん

材料(2人分)

白胡麻・・・・・・・・・大さじ1/2
十穀米・・・・・・・・・1合
だし汁・・・・・・・・・ 1カップ
塩 ・・・・・・・・・・・・小さじ1/4
青じそ・・・・・・・・・・3枚



1.米はといで30分間浸水させ、だし汁と塩を入れて炊く。
2.青じそはみじん切りにしておく。
3.1が炊き上がったら、2と胡麻をさっくりと混ぜる。
青じそには胃液の分泌を促進させる働きや健胃・整腸作用があります。古くから健康食品とされてきた胡麻とミネラルたっぷりの十穀米との組合せで、シンプルながら栄養満点のメニュー。雑穀米とはそばの実、きび、あわ、ひえ、ハトムギ、押し麦、丸麦、アマランサスなどを胚芽米にブレンドしたものです。体に必要な栄養を備えた実力派です。
●唐辛子と卵のスープ

材料(2杯分)

唐辛子・・・小1本 チンゲン菜・・・1株 卵・・・1個 ブイヨンスープ・・・600ml
A 塩・・・小さじ1/2  しょう油・・・小さじ1 胡麻油・・・小さじ1


1.チンゲン菜は、茎の部分を1p長さに、葉の部分を2p長さに切る。
2.鍋にブイヨンスープを入れて沸騰させ、縦半分に切った唐辛子と1、を入れる。
3.チンゲン菜に火が通ったら、アクをとり、溶いた卵を回し入れ、火を止める。
唐辛子の辛み成分のカプサイシンには、胃腸を温めて消化を助け、疲労回復する作用があります。意外なことにチンゲン菜にも同様の効果があります。胃のもたれや胸やけにも効果的なので、飲みすぎたあとにぜひお試しを。
●あさりのキムチクッパ
材料(2人分)
キムチ・・・70g きくらげ・・・1g 金針菜・・・4g 白胡麻 雑穀ご飯・・・茶わん2杯分 あさり(殻つき)・・・30g 大根・・・100g にら・・・20g 長ねぎ・・・10g 鶏がらスープ・・・1と1/2カップ 塩・こしょう 卵・・・1個 刻みのり


金針菜
1.きくらげ、金針菜はそれぞれ水にひと晩漬け、もどしておく。
2.あさろは軽くゆでて、身だけを殻からはずしておく。ゆで汁はとっておく。
3.キムチはざく切りにし、大根は1cm角に切る。にら・金針菜は2cmの長さに切り、きくらげはひと口大、長ねぎは斜め切りにする。
4.ご飯はざるに入れて流水で洗い、粘り気をとる。
5.鍋に鶏がらスープとあさりをゆでた汁を入れて煮立て、大根、きくらげ、金針菜を入れて中火で煮る。
6.大根が透明になったら、キムチ・あさりの身、にら、を入れて塩・こしょうで味を整える。
7.卵を溶いてに流し入れる。
8.器に盛ったら胡麻と刻みのりを添える。
キムチのカプサイシンは血行や体全体の代謝を促進します。消化器系も温め、働きを強化。胃腸の弱い人におすすめです。
●かつおのたたきピリ辛香味ソースがけ
材料
ほうれん草・・・1/2束 にんじん・・・150g 玉ねぎ・・・1/4個 かつお(たたき用)・・・300g せり・・・適量
A 塩・・・小さじ2 酢・・・大さじ2
B おろしにんにく・・・小さじ1/4 おろし生姜・・・小さじ1/2 ネギのみじん切り・・・5cm分 豆板醤・・・小さじ1/2 しょうゆ・・・大さじ1と1/2 砂糖・・・大さじ1/2 だし汁・・・1/4カップ 胡麻油・・・大さじ1
1.よく混ぜたAをかつおの表面にたたきつけ、ラップに包んで約30分間冷蔵庫に入れ、味をなじませておく。
2.ほうれん草はさっとゆでて水にとり、水を切ったら5pほどの長さに切っておく。
3.にんじんは極細千切りし、玉ねぎは薄くスライスして水にさらし、水気をきる。
4.かつおを8〜10mmくらいの厚さに切る。
5.を器に盛り、4をのせ、食べる直前によく混ぜ合わせたBのソースをかけ、上に細かく刻んだせりを散らす。
かつをは胃腸を温めて消化、吸収を助け、元気をつける滋養食品としてよく知られています。かつおのたたきとにんにくは、かつおに含まれるビタミンB1の作用を高めるベストコンビです。
●生姜ホットドリンク

材料(2人分)
クコの実・・・5g なつめ2個 生姜・・・10g シナモン・・・適量 黒砂糖・・・大さじ1 水・・・400ml

1.鍋に生姜以外の材料を全部入れ、水から15分間煮出す。
2.千切りした生姜を入れ、さらに5分間煮出す。
シナモンは発汗作用が強く、解熱・鎮痛効果にも優れる香辛料。生姜は温める作用のほか、胃腸の調子を整え、食欲増進に効果があります。体が温まることから、風邪のひきはじめにはぜひこのドリンクをどうぞ。
●生姜にんじんジュース

材料(2人分)
生姜のしぼり汁・・・少々 にんじん・・・1/2本 りんご・・・1/2個 水・・・200ml

1.にんじん、りんご、分量の水をジューサーにかける。
2.グラスに移し、生姜のしぼり汁を入れる。
胃腸が弱って食欲がないときにおすすめの1杯。生姜、リンゴともに食欲を増進させます。疲労回復、体力増進に役立ちます。疲れがたまったかな?と思ったらぜひお試しください。二日酔いで食欲のない朝にもどうぞ。
Compass/Vol.760
参考文献:  「これで安心 胃腸病 予防と治療」 発行:高橋書店
「おうちでできる漢方ごはん」 発行:渇ヘ出書房新社
「食医が見立てる症状別健康食品の選び方」発行:現代書林

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