基本的なレイアウト――よい配置・悪い配置
A
B
では家の中に入ってみましょう。同じ造りの2件の家ですが、内部のレイアウトはまったく違います。どちらがいいと思いますか?
Aは入り口を入ると、目の前に天井まである大きな書棚があります。玄関と今を分ける装飾をかねています。Bでは、庭までまっすぐ見渡したいため、玄関を背にしてソファを広々とした空間に置きました。Bの場合、主に座る場所が玄関から庭に抜けて直進するエネルギーの流れに、背後をさらすことになります。
Bのキッチンをみてください。ドアは常に開け放してあります。バスルームも使うとき以外は少し開けています。これによって、家の中央が臭気やエネルギーにたえずさらされることになります。風水では水は難物。水を扱う場所ははっきり区切ったほうがいいのです。
ベッドの位置も違います。Bでは家族に目が届くようにと、両方のベッドルームのベッドをドアに向かい合うように置きました。これでは両方のベッドがドアを通って室内に突進してくるエネルギーにさらされることになります。とくに手前のベッドルームでは、ベッドの頭側の窓へまっすぐ突き抜けていくエネルギーの流れにさらされます。しかもBのベッドルームでは、鏡がベッドに向き合っています。ベッドルームの章で詳しく説明しますが、これでは安眠が妨げられてしまいます。
では少し細かくみていきましょう。
落ち着いたリビングにするために
リビングの家具の置きかたのポイントですが、ソファやイスは窓とドアに直接向けないようにすることです。普通の壁に寄せるか、または壁の方向に向かせるのが大原則です。ドアや窓に向けてイスを置いたら、だれだって落ち着かないでしょう。ここからはさまざまなものが入ってくるためです。イラストはリビングルームと座る場所を表しています。
ソファの位置 1 2 3 4 5 6
一般によくある間違いは、ソファと壁の間にスペースを多く取りすぎ、後部を無防備にしてしまうことです(1,4)。
もし後ろのドアが開いていたら――あるいは、すぐ後ろに窓があったら――この問題はいっそう悪化するでしょう(1,2)。
同様に片側にドアがくる位置にソファを置くのも賢明ではありません(2,5)。
また、ドアの真向かいにソファを置くのも避けるべきです(3)。というのは、ビームのようにあなたをめがけて部屋に入ってくるエネルギーの流れにさらされることになるからです。
この部屋でソファを置く最良の位置は、ドアからも窓からも離れたコーナーです(6)。後部も守られ、エネルギーにさらされることもなく、ゆったりと部屋全体を見渡して座れます。ソファは背後がどちらかの壁面に接触している必要はなく、たとえば、片方の壁とソファのアームの間に小さなサイドテーブルを置くのもいいでしょう。
では、ドアや窓の向かいには何を置けばいいのでしょう。窓の外には、電柱や建物の角のような、を送りこむ眺めがあるかもしれません。そこで、こうした邪気を防ぐ働きのある植物か、あるいは良い気をとどめる水槽を置くといいでしょう。
水周りは人体と同じ
家の中で重要なのは、なんといってもキッチンと寝室です。この二つの風水が悪いと、快適な生活が楽しめません。
キッチンとトイレやお風呂は食べて排泄するという生命を維持するプロセスそのもので、人体のシステムと同じです。そこからも重要であることがわかりますね。キッチンの入り口は玄関の正面にもってくるべきではありません(右)。入ってくる有害なエネルギーからその場を守るためです。
今はキッチンのオープン化が普及していますが、風水では、キッチンはリビングなどに通じていないことが望ましいのです。ドアがあるなら閉めたほうがいいのです。
下のイラストはキッチンのレイアウトについてのものです。
キッチンのレイアウト 落ち着かないキッチン
コンロの前に立つとドアが真後ろにきます。後ろが無防備で不安を感じるでしょう。無防備な背後
これもコンロにいてもシンクにいても、背中の後ろに開いたドアがきます。一番可能な対策は、ドアを閉めることです。窓のそばにコンロ
コンロが窓のすぐ前にあります。火は重要な力であり、その後部は守りを固めるべきなので、窓に面しているべきではありません。よいレイアウト
ここには他のレイアウトにあったような問題はありません。家族の食生活と健康はよい方向に向かうでしょう。
また、キッチンの水は、トイレやお風呂場もそうですが、穢(けが)れを流す水です。ですから、溜めずにできるだけ早く流してしまえるのがいいわけで、そのためには外へ抜ける子窓や明かりとりが欠かせません。この場合は、水や気を出す必要上、植木や水槽のように、水が溜まっているものを置くのはよくありません。というわけで、ジャングル風呂は風水的にはよくないのです。
イラストはお風呂場・トイレとキッチンの位置関係を示しています。
バスルームとトイレの位置 玄関ドアの正面
エネルギーの移動の問題があるため、玄関ドアに面しているべきではありません。適切な配置
この家を人間の体と思ってください。キッチン(胃)は、玄関ドア(口)の範囲内にあります。バスルーム・トイレ(排泄器官)は、後方にあります。これがナチュラルな配置というものです。避けたい配置
この家はナチュラルな配置の逆になっています。バスルーム・トイレが玄関ドアの範囲内にあり、キッチンが奥にあるのです。よくある配置ですが、一番に避けるべきでしょう。
キッチンの隣にバスルーム・トイレ
これはお勧めできません。選択の余地がないなら、必ず常にドアを閉めてください。衛生上もよくありません。家の中心部にバスルーム・トイレ
この家の場合、家という “からだ” の中心に排泄器官を置くことになります。風水的には、この家に住むのはやめるべきです。あるいは中央のバスルーム・トイレは完全に閉鎖し、使用しないでください。できれば移動を強くお勧めします。
ベッドルームをどうするか
ベッドルームの話をしましょう。ここはいうまでもなく、快眠をとって疲れを癒す大変重要な、リフレッシュの場です。
マンションなどで頭上に梁(はり)が出ている下で寝るのは、呼吸を乱し、結果的に精神の休息を妨げます。長期的に見て健康に影響が出ますので避けたほうがいいでしょう(左)。
また、屋根裏部屋のエネルギーは絶え間なく続く不規則な波動です(右)。ここで寝るのは、気の乱れている中での睡眠となり、仮眠など一時的な睡眠以外は避けてください。また、じっくり考え事をしたり、瞑想するにはふさわしくありません。子供の遊び場や物置に使うのが無難でしょう。
さらに、東側に朝日の入る窓があるとベリーグッドです。それがない場合、小さなランプを東側に置いてください。また、ランプは枕元より脇に置くのがいいようです。
ベッドの位置はもっとも重要で、不適切な位置にあれば、神経はたえず警戒態勢のままになります。頭のすぐ後ろ側がしっかりしていることと、足元にできるだけ空間を取ることがまず第一です。それから、左は洋服ダンスや棚など、背の高い家具を、右側はサイドテーブルなどの低い家具を置くのに適しています。
ベッドとドアの位置関係 1
2
3
4
5
6
右のイラストはベッドとドアの位置関係です。1は人が入ってきても、完全に中に入るまで誰だかわかりません。2〜4はドアからのエネルギーにさらされてしまいます。5,6は入ってくるエネルギーの流れからもはずれていますし、ドアもよく見えるので適切です。
さらに窓のある場合はどうでしょう。
窓のある場合のベッドの位置 1 2 3 4 5
1はエネルギーの流れからははずれていますが、ドアとの関係がよくありません。2は常にエネルギーの流れにさらされます。3はベッドが窓のすぐ近くではないのでいいでしょう。4は後ろが窓なので、このままでは、しっかりした支えが必要な頭の後ろ側にふさわしくありません。でも、ブラインドさえ下ろせばベッドに適した位置になります。5のベッドは、2つの壁面にある窓とドアとの関連で、もっとも賢明な位置にあります。
それから、エネルギーを反射させる鏡をベッドのそばに置くのは、寝ている間に不要なエネルギーにさらされることになり、安眠をさまたげます。イラストは鏡が及ぼす影響について表しています。
鏡がベッドに及ぼす影響 1 2 3 4 5 6
第1のルールはベッドルームのドアの向かい側に鏡を置かないこと(1・3)。鏡は入ってくるエネルギーをまっすぐはね返すため、エネルギーが室内をスムーズに循環するのを妨げます。2も窓との関係で同じことが言えます。4,5はベッドの向かいに置いた鏡から、いっそう強化されたエネルギーをベッドに送り込みます。眠っている間、たえず不安を感じるでしょう。理想は6のように洋服ダンスの内側に鏡があることです。 どうしても鏡を置く場合は、覆いをかけたりをしたりしましょう。
インテリアの光と色
色として知覚されているものは光です。光はエネルギーそのもので、その力ははかり知れないものがありますが、私たちはもう慣れっこになってしまっています。住まいの色や光は、私たちの生活の質を変えるだけでなく、陰陽の相互作用に影響する大きな要因と風水では考えます。壁や屋根の色はなかなか変えるのが難しいものですが、せめてカーテンやカーペット、テーブルクロスなどだけでも、風水を取り入れてみましょう。
部屋の中は、基本的には暖色系が吉とされます。メタリックやグレー系など、冷たい雰囲気は家内に不運を招くとされます。また、強い赤、ワインカラー、オレンジ系は影響力が強すぎて、室内には不向きです。 ベッドルームやリビング、キッチンには暖色を、寒色はバスルームや家事部屋に用いるのがいいでしょう。
少し色とインテリアの関係を紹介しておきます。
●柔らかい色調
暖かみのあるピンク、淡いピーチはベッドルームに理想的。クリーム、オフホワイト、ベージュ、ピンクがかった白、淡いラベンダーもいいでしょう。強い赤、ワインカラー、オレンジ系は影響力が強すぎるので家庭の室内には不向きです。
●黄色や強いアースカラー
黄色や強いアースカラーはキッチンに効果的。陰陽五行説にも一致します。しかし、ベッドルーム、バスルーム、リビングには不向き。
●スペクトルの青色の端
風水では青系(寒色系)は室内に不向きとしています。落ち着きたい場合の明るいブルーはOKだが、次第に内向的になる傾向があります。濃いブルーは深海の色なので特に避けたいもの。
●明るいグリーン
リラックスできて目にやさしい色。明るいグリーンはベッドルーム、リビング、バスルームもOK。ただし暗いグリーンは重すぎるので家庭には不向き。
●明るい純白
家庭内の壁にはすすめられないが、クリームや暖かい感じのオフホワイト、ベージュならどの部屋でも合うでしょう。
風水では照明を非常に重要視します。ベッドルームとだぶりますが、イラストAのように天井から吊るす照明では、ベッドの下におびただしいエネルギーが降り注ぐことになります。特に照明がベッドの頭部上にある場合はなおさらです。たとえ明かりを消しても、電気回路はそこにあり、その下部のエネルギーの動きに微妙に影響を及ぼすとされます。
ベッドとライティング A B
また、読書に便利そうに見えるイラストBのスポットライトも、健康に有害と風水では考えます。くり返しになりますが、読書用の照明はベッド脇に置くといいでしょう。
次に職場の風水を見てみましょう。
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