現在の私たちの生活に大きく影響されるものとして、毎月の賃金や一時金から支払われる(正確には給与控除、賞与控除されます)厚生年金保険料の金額があげられます。今回の改正により、保険料13.58%(2004年9月迄)を2004年10月から毎年0.354%ずつ引き上げ、2017年9月以降は18.30%に固定されます。(保険料は労使折半)
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厚生年金保険料率引き上げによる将来の保険料 |
(年収ベース) |
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年 収 |
現在
2004年10月から
2005年8月まで |
将来
料率固定時期
2017年9月以降 |
本人負担の
増加額
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保険料率13.934% (本人負担6.967%) |
保険料率18.30% (本人負担9.15%) |
4,000,000 |
278,680 |
366,000 |
87,320 |
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4,500,000 |
305,550 |
411,750 |
106,200 |
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5,000,000 |
339,500 |
457,500 |
118,000 |
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5,500,000 |
373,450 |
503,250 |
129,800 |
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6,000,000 |
407,400 |
549,000 |
141,600 |
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6,500,000 |
441,350 |
594,750 |
153,400 |
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7,000,000 |
475,300 |
640,500 |
165,200 |
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7,500,000 |
509,250 |
686,250 |
177,000 |
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8,000,000 |
543,200 |
732,000 |
188,800 |
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8,500,000 |
577,150 |
777,750 |
200,600 |
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厚生年金保険料は2004年度から毎年9月に0.354%アップして、2017年以降18.30%へ固定されます。
なお、保険料は労使折半(本人負担50%)で計算しています。 ※保険料算出においては、単純に年収ベースに料率を掛けたものとなっています。 |
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◎私たちは厚生年金保険料をどのように収めているのか?
給料から控除
標準報酬月額に保険料率を掛けて計算されます。なお、保険料は会社と折半(1/2負担)し、被保険者(本人)の給料からその半額が控除されます。
一時金から控除
一時金にかかる保険料は、実支給額の1,000円未満を切り捨てた額(標準賞与額)に保険料率を掛けてもとめます。(労使折半1/2負担)なお、一時金の額が1回に150万円を超えた場合は、150万円を上限として保険料を計算します。
☆標準報酬月額とは
毎月の給料は手当支給額等により変動することがあります。そこで、計算を容易にするために、報酬額を30等級に区分した平均的な報酬額を標準報酬月額といいます。決定方法は年1回、原則として4月、5月、6月の給料(各種手当や交通費を含む)の平均額が標準報酬月額となります。その標準報酬月額は、毎年、各個人毎に計算され、その年の9月から翌年の8月までの厚生年金保険料算出時に使用されます。
マクロ経済スライド方式による給付水準引き下げにより将来の年金給付率が下がる
もう一つ私たちの生活に大きな影響を与えるポイントとして、将来、受け取る年金給付率が下がります。今回の改正で、将来のもらえる年金はどのように変わるのでしょうか?
※マクロ経済スライド…年金額の伸びを賃金や物価の伸びより抑えること。
■標準的な年金受給世帯の給付水準は、現在(2004年)の現役世代の平均収入の59.3%から段階的に将来(2023年)には50.2%まで下がる予定です。なお、2023年に50.2%となった以降は同水準を保つといわれています。
仮に現役世代の手取り賃金を40万円として、年金給付率から試算すると
2004年(現在)40万円×59.3%=237,200円
2023年(将来)40万円×50.2%=200,800円
差額▲36,400円(月額)×12ヶ月=▲436,000円(年額)
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