NikkenkyoNews Vol.40 BWI本部が来日し、BWI-JACと意見交換
於:ホテルラングウッド (東京都荒川区東日暮里)
2016年3月2日 (水)
日建協が参加する国際産別組織であるBWI (Building and Wood Workers International) 本部役員が来日し、BWI日本加盟組合協議会 (BWI-JAC) と意見交換を行いました。
BWIは2020年の東京オリンピック・パラリンピックにおける、森林認証木材の利用促進ならびに五輪関連工事での労働条件の悪化・災害防止などの取り組みについて、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会と意見交換を行い、その他、BWI-JAC、林野庁、連合、日建連などを訪問しました。
BWI-JACとの意見交換会では、アンベット・ユソン書記長から 「オリンピック、ワールドカップといった大きなスポーツイベントは、世界中の人が注目するため、ディーセントワーク (働きがいのある人間らしい仕事) の考え方を広める良い機会となる。一方で、大会開催に間に合わせるために多くの働くものの労働環境が悪くなることもある。過去、ブラジルワールドカップでは14人、カタールワールドカップの会場の建設現場では1,000人を超える死者が出ている。日本ではこのようなことのないよう働きかけていきたい。」 と意見が述べられました。
日建協からは 「安全についてはもちろんであるが、建設産業が抱える問題として職員の長時間労働や休日取得の問題が挙げられる。かつて日本では日曜日も普通に工事を行っていた。それが社会的要請の高まりから、現在は日曜日には工事を行わないのが通例となっている。日建協は、五輪関連工事などの社会的に注目度の高いプロジェクトを4週8休モデル工事に選定することで、『建設産業も土曜日は休みである』 ことを社会一般に広く浸透させていきたいと思っており、国や業界団体に訴えかけているところである。」 と伝えたほか、BWI-JACの他の構成組織とともに有意義な意見交換を行いました。
また、3月4日に行われた日建連への表敬訪問では、ユソン書記長が 「日本は労働安全面で最高の基準を持った国であると認識している。オリンピックを通じて、日本の安全に対する高い意識を世界に発信できると信じている。」 と述べ、日建連も 「安全を最優先に仕事が行われている。限られた工期の中で大変ではあるが、そこで働く技術者・技能労働者のすべてが生き生きと働き、やりがいを感じられる仕事により関連施設を作り上げてはじめて成功したといえる。」 とコメントするなど、友好的な対談が行われました。
日建協では、今後もBWI-JACの活動を通じて国内外のグローバルな労働事情に関する情報収集などを行っていきます。なお、BWIについてはCompass3月号で特集していますので、そちらも是非ご覧ください。