日建協出前講座2015 今、学生たちへ伝えたいこと!
日建協では、将来の建設産業を担う土木・建築学科の学生たちにゼネコンの仕事や魅力を正しく知ってもらうため、2006年度より全国の大学で出前講座を開催しています。これまで9大学(教育機関)で開催し、延べ3,802名の学生が受講しており、受講者のなかにはゼネコンに就職した学生も多数います。
今号では、2015年度出前講座で講師をしていただいた方の感想と、出前講座で行っている学生へのアンケートの結果を中心に紹介します。
出前講座カリキュラム
◆ 出前講座ガイダンス
◆ 受講前アンケート
◆ 「建設産業の社会的役割」 (日建協)
◆ 「建設産業の魅力について」 (加盟組合講師)
◆ 「歴史をつくる、未来をつくる。それが建設」 (DVD)
◆ 「建設産業の実態」 (日建連)
◆ 受講後アンケート
出前講座の内容
出前講座は授業にあわせて90分で行います。最初に日建協から、建設産業全体について説明し、加盟組合講師が「ゼネコンの仕事、施工管理の仕事、入社後のモチベーションの推移、若手社員の一日」などを題材に自身の体験を踏まえ講義を行います。DVD視聴後、日建連より建設産業の問題点への取り組みや女性活躍にむけた施策などを説明します。
最後に学生からの質問に答えます。
2015年度 日建協出前講座講師紹介
出前講座講師への質問
● 講義をつうじて学生たちに伝えたかったこと
● 講義を終えて感じたこと
● 今後の出前講座の活動に期待することについて教えてください。
一般社団法人 日本建設業連合会 広報部 報道担当
齊藤 克巳 部長
日建連は、出前講座での講義や資料の提供など日建協と共に活動を行っています。今後も組織の垣根をこえ、建設産業のために学生に魅力を伝える活動をしていきます。
講師 藤浪 渉さん (アサヌマユニオン)
(2015年9月3日 富士教育訓練センター 受講者48名)
「今の学生も捨てたもんじゃない。意欲ある学生も多数いる !」 ことを改めて感じた。学生がゼネコンを理解しやすくするためにも出前講座の機会が増えていって欲しい。いろんな人が講師をして、いろんな話を学生たちに聞いてもらいたい。
講師 坂田 和隆さん (大鉄工業労働組合)
(2015年10月19日 大阪産業大学 受講者69名)
ものづくりの楽しさと、建設業の役割を伝えたかった。講義に学生が興味を示してくれ嬉しく思った。準備をする上で、自身も改めて考える良い機会となった。今後も建設業の明るい話題を学生に伝えていき、興味を持たせたい。
講師 坂間 太信さん (シミズユニオン)
(2015年10月30日 東洋大学 受講者219名)
「建築施工の仕事は楽ではないが、だからこそ完成したときの感動も大きい。そして自分の作品が後世に残るやりがいのある仕事である。」 ということを伝えたかった。学生の反応を見て、建設産業の実態を伝える活動はとても重要だと感じた。
講師 東 亮さん (シミズユニオン)
(2015年11月4日 立命館大学 受講者88名)
ゼネコンを希望する学生が激減していると聞き、少しでも学生の興味を引くことができればと思った。ゼネコンはインフラ整備や災害復興事業をつうじ世のため人のためになる仕事であり、必ず自分が活躍できる場所があることを伝えたかった。
講師 横山 洋司さん (戸田建設職員組合)
(2015年11月20日 北海道大学 受講者37名)
建設業の仕事内容を具体的に、また、やりがいや魅力について正しく伝えたいと思った。講義をつうじ、所定外労働に対する学生との考え方のギャップの大きさに危機感を覚えた。残業ありきの業界の早急な体質改善が必要だ。
講師 竹中 寛さん (東洋建設職員労働組合)
(2016年1月14日 法政大学 受講者84名)
建設業界のやりがいや面白さ、幅広い職種と業務内容を伝えたいと思った。想定以上にゼネコン離れが進んでおり残念だったが、講義を機に少しでも興味を抱く学生が増えることを期待する。今後は学生と意見交換ができる講義になっていくと良いと思う。
アンケート結果
学生へのアンケート結果では、「就職で重要視すること (受講前)」 (図1) で、「安定性」 に次いで 「仕事のやりがい」 があがりました。出前講座をつうじて建設産業の 「仕事のやりがい」 を学生に伝えていくことが重要になっています。
「建設業は仕事のやりがいがあると思うか」 (図2) については、「そう思う」 と回答した学生の割合が、受講の前後で20%も増加しています。
また、「希望就職先 (受講前) 」 (図3) でゼネコンを選択していなかった74%の学生の内、「ゼネコンに就職したいと思ったか (受講後) 」 (図4) との設問で 「思った・少し思った」 と回答した合計が65%になりました。学生の自由回答でも、講座を受けたことによって、ゼネコンへ良いイメージを持った学生が増えたことがわかります。講師の熱意は確実に学生たちに伝わっています。
おわりに
建設産業の持続的な発展のためには入職者を増やすとともに入職後のミスマッチを減らしていかなければなりません。講師の熱い思いや学生たちの声を聞き、実際に働いている我々が 「この産業には本当に魅力がある」 と熱意をもって伝えていくことの重要性を改めて感じました。一人でも多くの将来を担う若者に建設産業を正しく理解してもらい、夢を持って入職して貰えるよう、日建協では今後も引き続き、出前講座をつうじ、建設産業の魅力を伝えていきます。
●土曜学習応援団で、ものづくりの魅力を伝えたい
→ http://nikkenkyo.jp/archives/6385
●久喜東小学校での実施の様子
→ http://nikkenkyo.jp/archives/6984