資 料


1.民間マンション建築工事における一般情勢

@建設投資(建築)、住宅設備投資の推移


建設投資(建築)は、バブル崩壊の影響を受け、95年度には40兆円強にまで落ち込んだ。96年度には回復の兆しを見せたものの、97年度以降は下降を続け、98年度、99年度、2000年度と35兆円を割り込んでいる。
建設投資の5割以上を占める住宅投資も96年度をピークに、98年度には20兆円を割り込んだが、99年度には増加に転じ、20兆円台で推移している。

図1−1 建設投資(建築)、住宅設備投資の推移
建設統計要覧(建設省経済局調査情報課)97年度以降は建設経済研究所予測

A建設着工統計における工事費予定額、
  マンション工事費予定額の推移



建築着工統計における全建築物の工事費予定額は、建築建設投資と同様に推移している。
全建築物工事費予定額に占めるマンション工事の割合は、ここ数年30%弱で推移している。
マンション工事の工事費予定額の推移は、ほぼ住宅投資と同様の動向となっている。

図1−2 工事予定額、マンション工事予定額の推移
建築統計年報(建築着工統計)よりマンション工事は、用途別:住居専用建築物かつ構造別:鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造鉄骨造の値を集計した。

B建築着工統計における床面積の推移


建築着工統計における床面積は98年以降増加している。
図1−3 延べ床面積の推移
目次へ 建築統計年報(建築着工統計)より、マンション工事は用途別:住居専用建築物かつ構造別:鉄骨鉄筋コンクリート造、鉄筋コンクリート造、鉄骨造の値を集計した。

C販売戸数と販売価格の推移


建築着工統計における販売戸数は98年以降増加している。
マンション件数の伸びに比べ、建設投資額、マンション工事費予定額(=受注額と仮定)が横ばいであることを考えると、受注単価の下落が推定される。

図1−4 販売戸数と販売価格の推移
兜s動産経済研究所「全国マンション市場動向」
首都圏:埼玉、千葉、神奈川、東京  近畿圏:滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良


D販売価格と市街地価格指数


販売価格下落について、地価の下落が要因の一つとなっている。

図1−5 販売価格と市街地価格指数
平均販売価格を90年=100として指数化した市街地価格指数:(財)日本不動産研究所


E建築費指数と単位面積あたり工事費価格


マンション建築にかかる工事費の価格推移を90年=100とした建築費指数でみる。
建築着工統計より、uあたりの工事費予定額(≒受注額)を算出し、指数化した。
uあたりの工事費予定額の下落は、建築費指数の下落より大きく、建設材料の卸売物価がほぼ横ばいであることを考えると、建築費に見合った金額で受注できておらず、ひいては会社の収益を圧迫しているという疑問を抱かせる。

図1−6 建築費指数と単価面積あたり工事費
建築費指数:建設物価調査会「建設物価指数月報」


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