Page 4 - Compass809
P. 4
昨年のベアの実施状況は?  これまでのアンケートからも「仕事にやりがいがある」と感じて
いる人が多くいる一方、生活の糧である賃金が低いことで将来を
 2015 年にベアを実施した企業の過去の実施状況(図 3)をみてみる 不安視する声も多くみられます。将来の生活設計ができ「希望」が
と、ベアを実施した企業(444 社)のうち、実に7割強の企業(318 社) 持てる賃金水準にしていくことが、産業の魅力化の第一歩だと思
が 2014 年から継続してベアを実施しています。 います。

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 日建協の取り組み

71.6%  日建協では、中期的な方針として「日建協賃金政策」を策定し、私
たちの賃金が公正で魅力あるものとなるよう、建設産業に働く私た
継続 2年ぶり 3年ぶり 4年ぶり 5年ぶり 6年ぶり ちのあるべき賃金水準をめざしています。
「賃金体系の確立」「賃金水準の向上」「賃金交渉の充実」を3つの柱
7年ぶり 8年~ 9年ぶり 10年~ 11年ぶり 12年~ 14年ぶり として、加盟組合と日建協が一体となって目標を共有しながら取り
組んでいます。
15年~ 19年ぶり 20年ぶり以上 創業以来初めて

 建設産業では長年ベアを行っておらず、2015 年にようやく多くの企 賃金体系の確立
業がベアに踏み切った状況です。やはり、他産業に比べて出遅れ感が
否めないのではないでしょうか。 賃金水準の向上
 日本の労働人口が減少するなか、担い手確保・育成のためにも他産
業と比べ見劣りしない賃金水準が必要です。他産業では長年取り組ん 賃金交渉の充実
できていることからも、継続してベアを実施することが今の建設産業
には必要だと思います。 ◆ あるべき賃金水準をめざして

組合員の声  賃金政策では、建設産業で働く私たちが安心して働き続けられ
る賃金水準の指標として「日建協個別賃金」を定め、「働きがい」と
 建設産業に魅力を感じない理由(図 1)として「賃金水準が低い」と 「誇り」を持って仕事に取り組めるよう、日建協個別賃金の水準達
の回答が多くありましたが、組合員は具体的にどのように感じてい 成をめざします。
るのかみてみましょう。

20代 30代 40代 50代
子の結婚
結 婚 子の教育

幼稚園→義務教育→高校・大学→就職・結婚

車の購入 住宅購入
寮生活
第1子出生・第2子出生

社宅・借家生活 持ち家生活

 個別賃金水準は、ライフステージイメージ図(図 4)のように車
の購入や結婚、子供の出産、教育、住宅の購入、子供の結婚といった
人生において大きな出費を伴うライフイベントを想定し、その支
出をベースに必要な収入を算出したものです。具体的なライフス
テージとして、「先行ライン」「標準ライン」「必要ライン」の 3 つの
モデルを設定しています。産業別賃金カーブ(図 2)にて、3 つのモ
デルと他産業を見比べ他産業に見劣りしない賃金水準をめざして
いきましょう。

4
   1   2   3   4   5   6   7   8   9