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旅に出るには
「きっかけ」がいる |
みなさんは「旅」というと、どのようなものを連想されるでしょうか? 会社であれば社内旅行のような団体旅行、奥さんと子供を連れての家族旅行、そして気ままな一人旅。また旅行会社が企画するパッケージ旅行や自由なフリー旅行。さらには豪華客船でいく世界一周旅行にバックパッカーと呼ばれる人たちが堪能している世界格安旅行など、さまざまな旅があります。
いずれの旅にしても、「旅に出よう!」と考えて計画を立てるところから始まります。しかし建設産業に従事する、特に外勤の方はこのスタートが立てにくいものです。先日旅行会社に勤務する方と話をする機会がありましたが、その中で旅行会社にとって一番のお客さんは旅行計画全てをお任せにする、子供に手がかからなくなったミセスのグループや定年退職後の夫婦ということでした。確かに駅などで見かけるバスツアーの旅行者はそういった方たちが多いように見受けられます。やはり私たちのような労働者はツアーに参加することはできないのでしょうか。
私たちが旅に出ない(出られない)理由として、「暇がない」「金がない」や「自分が休むと、職場の人に迷惑をかける」という理由をあげる人もあると思います。旅に出るには「行きたい」という気持ちを持つことや実現するための努力が必要です。時間的余裕と費用を捻出することや「みんなで我慢して休まず働く」よりも「みんなでもう少しずつ我慢しあって交代で休む」ような努力によって実現できないかと考えます。(時短特集みたいな文章になってしまいました。)最近では情報処理端末が発達し、旅先においても携帯電話で情報が取り出せたり、デジカメと小型パソコンで絵葉書ならぬ電子写真メールを送れたりします。逆に旅に出ていても簡単に連絡が入り、日常の世界に戻されてしまうこともあります。せっかくの便利な機械ですから有効に活用できないかと考えます。
あとは「きっかけ」でしょうか。もう随分過去のことですが、ある漫画家の方が奈良との県境に近い京都浄瑠璃寺と岩船寺を結ぶ当尾の里「石仏巡り」を雑誌で紹介されていました。当時関西に住んでいた私は、学校の遠足などで京都・奈良に数多く足を運んでいるつもりでしたが、そこは知りませんでした。「これは行くしかない。関西人として知らないのは恥ずかしい」と勝手に思い込み、これをきっかけとして次の休みに出かけて「不便だけど良いところだ」と満足した記憶があります。海外旅行も同じかもしれません。言葉の問題や手続きの面倒もあってなかなか腰をあげにくいのですが、仲間の「一緒に行こうよ」というような一言があれば、これをチャンスとして努力すれば実現できるかもしれません。「旅は道連れ」ということわざもあるように同行者がいれば、頼もしいですし、独りよりは楽しいでしょう。
今回、このコンパスの特集記事を記すにあたって、私も忙しさにかまけて仕事以外の旅を楽しむ事がなかったので、おもいきって旅に出かけてみることにしました。これも「きっかけ」です。 |