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技術の伝承が受発注者双方の喫緊の課題
自治労（全日本自治団体労働組合）千葉県本部の市川市職員組合が開催した「公共事業のあり方について」の講演会に、受注者側として参加しました。
この講演会に参加したのは、「公共工事における無報酬業務（対価を伴わない契約外業務）を解消するために」の提言活動において、市川市職員組合技術系職場職員部会の方々と無報酬業務に関する意見交換（2005年７月５日）を行った際に参加されていた植木副委員長から、受注者側からみた契約の片務性や技術の伝承問題について発表してもらいたい、との要請をうけたためです。
講演会において、まず始めに自治労から「発注者の責務として一般競争入札の導入と総合評価方式の拡充は必要な職員の配置と体制の整備とセットで行うべきである。」との発表がなされました。
日建協からは、「工事着手に必要な様々な説明資料を発注者より過剰に要求されたり、本来、発注者の責任区分である不十分な設計図書の修正業務を求められることにより、日々、書類作成業務に負われている。そのため、最先端の現場において行われるべき技術の伝承に関して、書類作成業務に追われることで、若手社員を教育、指導する余裕がなく、技術の伝承を危惧する声が多く上げられている。」と発表しました。
講演会に参加された自治労千葉県本部の方々からは、「受発注者を問わず、現状の入札制度をより良くし、そこで働く者の労働負担を少なくすることで、技術の伝承を行っていくことが喫緊の課題である、という共通認識が持てた。今後も受発注者の垣根を越えた、今回のような意見交換を行っていき、より良い建設産業にしていきたい。」との感想がありました。
今後も日建協は、今回のような意見交換において、作業所で働く組合員みなさんの生の声を伝えることで、労働環境の改善にむけて活動していきます。
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| 日建協 青本議長 |
講演会の様子 |
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産業の魅力向上にむけて共通の課題
日建協は、建設、建設資材、木材・森林産業の各分野における、国際的な労働組合組織であるＢＷＩの日本加盟組合協議会（ＢＷＩ−ＪＡＣ）に参加しています。
ＢＷＩは135カ国、349組合で構成された組織で、加盟組合員は1,200万人にのぼり、国際的な連帯を後ろ盾として、組合員の生活の質および労働条件の改善に取り組みながら労働者の国際的地位向上を目指しています。
このたび、ＢＷＩ本部より会長を含む派遣団が来日し、日建協はＢＷＩ−ＪＡＣのメンバーとして意見交換に臨みました。派遣団にはドイツの建設産業別労働組合（ドイツ建設・農業・環境労働組合）も帯同しており、今回は主に日本とドイツの建設産業の現状や課題についての意見交換となりました。
派遣団からは、日本の建設産業で懸念されている「産業の魅力低下」について、ドイツでも労働人口の減少、高齢化、学生が将来なりたい職業としての人気の低下など、同様の傾向があり、労働組合側も経営者団体との議論を通じて対策を講じていることが紹介されました。
取り組みの一つに「職業訓練制度」があり、訓練期間中にも労働に対する対価として手当てが支給され、その原資はドイツ国内の建設関係の全ての企業が給与原資の一部を投じることが義務づけられている基金より賄われており、建設産業への入職を志す若者が労働に対する明確なイメージを持つために、重要な役割を果たしているとの説明がありました。
また、建設産業における労働時間については、行政、自治体、産業別労働組合の協働により、週40時間程度の労働時間を実現しているとのことでしたが、ここ数年は失業率が高止まりで推移しており、不安定な雇用環境のもとで「雇用と賃金確保のために、労働時間については妥協せざるを得ない状況になりつつある」という現状の課題についても述べられました。
日本、ドイツ両国においては、建設産業の業態や組織体制に差異はありますが、日本に比べてワーク・ライフ・バランスの進んでいるドイツに学ぶべき点は数多くあり、このような国際交流の機会を通じ、好事例を活動の参考にしたいと考えています。
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| 挨拶されるクラウス・ヴィーゼヒーゲルＢＷＩ会長 |
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