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池口
定期大会も終わり、2005年度の活動がいよいよスタートしました。今日は、日建協活動の新たなけん引役となった、宮野議長と時田、佐久間両副議長のお三方に『2005年度の活動にむけた新たな決意』と題し、所信表明をお聞きしたいと思います。
2005年度は「私たちの力を信じ、建設産業の明るい未来へ羽ばたこう。」というスローガンを掲げました。このスローガンには、建設産業で働く私たちの思いが込められています。まずは、みなさんの新年度の活動にむけた意気込みとしての『所信表明』を聞かせてください。

宮野
宮野一也 議長
私が今、建設産業で働いていて望むことは、『私たちが、現場で、事務所で、もっと明るく働いていきたい。』ということです。今まで苦しい時代を過ぎてきたからこそ、特に強く感じています。私は、現場を支援する業務の経験が長かったのですが、現場の事務所に行くと、現場の雰囲気は、事務所に入った時点でわかります。その雰囲気で、工事が順調か、不調か、人間関係が良好かはほとんど想像できました。現場の状況は、組合員の意識だけでは、管理できない点もありますが、気持ちの部分は自分で管理することができます。と言ってみても実際は、目の前の業務をこなすことが優先で、1日の作業が終わって、インターネットを開いたときに少しほっとする。面白いことがあったときだけ、「へー」と一人でつぶやき、まわりのみんなに声をかける。このような状況なのでしょう。だからこそ、気分を変えて明るい未来への第一歩として、まずは簡単にできる、『おはようございます!』と元気な声で挨拶ができる環境を、加盟組合の皆さんとつくっていきたいですね。

時田
時田 学 副議長
今年のスローガンには「私たちには十分すぎるほどの力があるのに、その力の存在に気がついてない!もっと自信をもってチャレンジしよう!」という意味が込められています。だけど、ただがむしゃらにアタックするのではなくて、日建協だったら51年、各加盟組合、加盟組合企業だったらもっと長い時間だと思いますが、先輩方が残してきた貴重な経験や足跡をしっかりと継承しながら、新しいフィールドに目をむけていきたいですね。あまたの諸先輩方が積み重ねてきた活動と思いを、引き継ぐとともに、私自身が2年間の活動で得た経験をプラスして、2005年度を駆け抜けていきたいと思っています。
ちょっと堅い話になってしまいますが、ここ数年、私たち働くものをとりまく環境が大きく変わろうとしています。労働基準法改正の動きや、60歳以降の働き方の問題など、複雑な課題が立て続けです!でも、このような時だからこそ、加盟組合同士が議論を重ね、情報を交換することが課題を乗り越えるために必要です。そのために、できることをいろいろ考えて実践していきたいです。

佐久間
佐久間信行 副議長
もし自分が鳥になったとして、目的地へむけて羽ばたく時には、いったい何が必要と考えるでしょうか?本当に自分の力だけを信じて「エイ」と飛びたっていけるのでしょうか?もちろん最後は力を信じることが必要です。しかし、目的地までの風向きはどうなのか、途中で妨げになることがないのかなど、いろいろな状態を良く掴んだ上でこそ、自信を持って羽ばたくことができるのではないでしょうか?
日建協は「まわりの様子」を掴むことができる場、とこの2年間の活動で実感しています。行政、業界団体、他産業労働組合、発注者、研究機関・・・さまざまな人たちとのつながりを活かす必要があります。私たちが自信を持って力強く羽ばたくためにも、この産業の内外を問わず、たくさんの人たちと交流し、活動していきたいです。

池口
お三方それぞれの熱い思いが伝わってきます。宮野議長は新議長としての1年目、時田、佐久間両副議長においては、日建協活動の集大成としての1年、パワーみなぎるリーダーシップに期待してます。
池口
池口 誠 事務局長
日建協は、『直接対話』と『直接参加』というキーワードで、様々な取り組みを行っています。
2005年度の日建協活動も引き続き「産業政策活動」と「加盟組合支援」を二本の柱、そして「データバンク機能」と「組織」を活動の基礎と地盤と位置づけ「働きがい」や「産業としての魅力」を含めた『労働条件の向上』を目指した行動を行います。それでは、2005年度の取り組みにおいて、みなさんの思いをどのような『行動』として進めていくかを聞かせてください。

宮野
『直接対話と直接参加』この活動は本当に重要だと思っています。直接会うと、その人の、顔の表情やうなずくなどの仕草から、相手の人の気持ちが言葉には出なくてもわかることが多いですよね。特に産業政策活動のなかの提言活動では、相手にとってあまり耳ざわりのよくない話題もあるので、相手の表情を見ることによって、いけいけになったり、ちょっとトーンを落としたりと、別に交渉術というほどではないものの、いろいろ考えながら提言してきました。そうすると、実際は、相手の人も悩んでいたんだとわかることが多々ありました。また、意見交換会などに参加した組合員のみなさんの多くは、発注者側の人の話しが直接聞けてよかったと言っています。私は、組合活動の原点はここにあり、と一人で悦に入りましたが、すべての活動において繰り返し『直接』活動により課題の解決につながっていく。このことを『強く信じて(今年のスローガンです)』、今年もどんどんやっていきます。

時田
仕事でも同じだと思いますが、労働組合の活動にとっては、『人と人とのつながり』がすべてだと思っています。組合員のみなさんも同じだと思いますが、何か相談事があったときには、やっぱりよく知っている人に相談を持ちかけますよね。私たちの活動でも、同じだと思うんです。やっぱり加盟組合のみなさんから、「相談してみよう」と思われる存在でありたいと思います。
そのためには、加盟組合の会議などに積極的に参加して、直接、話をする機会を増やしていきたいと思っています。活動のなかで、合理化・効率化を意識しなければいけない面もあるとは思いますが、私たちの活動は、人と人とのつながりのうえに成り立っているわけですから、コツコツと地道に組合員のみなさんの意見を聴いたり、理解を求めるために、足しげく通ったりすること、つまり小さな、だけど確実な活動を積み上げていくことが大事なのではないでしょうか? 私は、そういった活動が必ず実を結ぶものだと信じています。
佐久間
何か上手い手段を使って自分たちの考えを合理的に伝えていくこと、あるいは、誰か上手な人に頼んで話を効率的に進めていくこと、そういうことばかりに目が行きがちな風潮になっているとも思えます。しかし、それがコミュニケーションの全てでしょうか?
今期の日建協の活動として、広い意味での『労働条件の向上』にむけて、公共工事などを発注する側で働いている労働組合の人たちとの意見交換に組合員のみなさんに参加してもらう取り組みや、みなさんが携わっている社会資本整備の現場を他の産業で働く人たちに見てもらう取り組みなどを行っていきます。このような機会に直接参加してもらい、直接対話することで、少しでもお互いの理解が進むように取り組んでいきます。

池口
みなさんの考えからも、やはり日建協の活動は、その全てが人と人との直接対話から始まるということが理解できますね。
2005年度は、今まで以上に組合員のみなさんと顔を合わせる機会を多くつくり、心と力を合わせ、より多くのことにチャレンジしていきたいと思います。
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