そこで日建協では、建築工事における長時間労働の原因を追及し、その対策を検討していくためにアドバイザー[建築]会議(Compass11月号で紹介)を立ち上げ、組合員から募集した12人の勇士と議論を重ねてきました(4月末まで8回開催)。
会議では、土曜日を休日とした工程を計画できない環境にあることが大きな要因であると考え、「建築工事における適正工期」をテーマに活動することとしました。そこで、首都圏・近畿圏で建築工事に携わる512作業所を対象に工期に関する調査を行ったところ、厳しい工期設定の実態が浮かび上がってきました。
下記グラフは対象工事の工期設定上の休日条件を調査した結果です。建築工事の約8割は受注時に休日条件が明示されていません。また、実施工程上の休日条件を見てみると、約9割の作業所が4週4休以下(4週4休+4週4休未満)という短い工期設定であることがわかりました。
まさに、休日返上を前提とした工期設定となっています。これでは、日曜日以外の作業所閉所は困難です。また、建築外勤者の残業時間が高止まりしている状況を見ると、作業所における人員配置や人員補強だけでは対応しきれていないことは明らかです。建築作業所で働く組合員が休日を取得できない大きな要因となっていることが分かります。
|
|