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今こそ変えるとき。建設産業における
ワーク・ライフ・バランスの実現に向けて

日建協加盟組合員の皆様、連日の活動、大変ご苦労様です。
7月31日、8月1日の第85回定期大会をもちまして、日建協の新たな年がスタートしました。
今期も引き続き「加盟組合単独では取り組む事ができない産業レベルの諸問題の解決」や「建設産業の魅力化」に向けた日建協活動を加盟組合と共に実施してまいります。

さて、一向に回復の兆しが見られないまま停滞している国内景気の煽りを受け、そこから誘発される「過度に熾烈な受注競争」や「建設産業従事者の人材不足」などの産業特有の深刻な問題に加えて、昨年来進行している未曾有の「原油価格・消費者物価の高騰」が、私たちの労働や生活を脅かしています。これらの問題の影響により、私たちが本来営むべき「労働のあり方」や、本来得られるべき「豊かな生活」を指し示す羅針盤は空転し、いまや、多くの労働者は自分達が将来に向けて進んでいくべき希望を失いつつあるのではないでしょうか。
本来、労働組合活動の本質は、法的に保護された「労働者の権利」と、経営資源として企業活動の中核をなす「労働者の地位」を後ろ盾に、人として生きていくうえでの「満足」や「よろこび」を、いかにして獲得していくべきかという点にあります。しかしながら、昨今においては、その悲痛な叫びを経営に対して主張していくだけでは、事態が一向に解決していかないのが実態です。言い換えるならば、企業側にも自らが抱える人材に対して、その能力を最大限発揮できるような労働環境や、労働意欲の創出につながる豊かな生活を提供していけるだけの体力が枯渇してきているとも言えます。

では、私たちは、どこに向かっていけばよいのでしょうか。現状に甘んずるだけで泣き寝入りしたまま事態が変わるのをじっと待てばよいのでしょうか。誰に対して改善を叫べばよいのでしょうか。

日建協では、今期、すべての活動を通じた共通理念として「建設産業におけるワーク・ライフ・バランスの実現」を掲げています。「ワーク・ライフ・バランス」の実践とは、単に長時間労働を解消していく時短推進活動のみを意味するものではありません。今の自分の「働き方」と「ライフスタイル」を同時に見直す事により、双方から得られる充実感が最大限引き出せる状態を模索していく事にあります。
適度な「ワーク・ライフ・バランス」の度合いは各個人で異なる事から、どのように調和すべきかの選択や、それに向けた行動の最終的な拠り所は一人ひとりの意思と勇気の中に宿ります。それぞれが、今の働き方や生活のあり方を見つめなおし、「どのようにしたら変われるのか」「自分にとっての有意義なバランスはいかなるものか」について考え、その実現に向けて主体的に行動していく事により、その効果が発揮されます。

しかしながら、前述のとおり現状の建設産業には「ワーク・ライフ・バランス」を選択していくだけの「ゆとり」もない硬直的かつ非常に制限の多い労働環境が存在します。したがいまして日建協は、労働環境の柔軟性を制限するものとして企業外に介在するさまざまな産業的問題の排除に取り組んでいくとともに、良好な職場環境の実現につながる各種制度の整備に向けた加盟組合内活動を支援していきます。そして、この活動を通じて一人でも多くの組合員の「ワーク・ライフ・バランス」の実現に向けた行動が実施しやすいような環境を整えていきたいと考えております。「ワーク・ライフ・バランス」の実現により生まれる一人ひとりの生活満足度の向上が、やがて労働意欲やモチベーションをもたらし、生産性の向上を通じた建設産業再生の起爆剤となることを期待しています。

今期も引き続き、日建協活動へのご支援をお願い申し上げます。


Compass Vol.778 一括PDFはこちら(11.8MB)

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