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日建協では9月から10月にかけて、各加盟組合への会社訪問を行い、日建協活動に対するご理解と私たちの抱える労働環境の問題点についての意見交換を行っています。
今号の誌面では特に時短推進活動について、会社側からでた意見をご報告します。

日建協より昨年実施した時短アンケートでのデータをもとに、訪問先の組合員の所定外労働時間の実態を会社側に提示し、長時間労働に関する意見交換を行うとともに「中期時短方針2008」の目標数値である「所定外労働時間月100時間以上の過重労働をなくす。」「所定外労働時間の日建協平均を月45時間以内にする。」を労使協働で取り組んでいきたいという姿勢を示しました。

【会社側からの意見】
●土曜出勤だけで40時間ちかくあるのではないか。今後は土休取得に取り組みたい。
●管理する側が所定外労働時間をしっかり把握していく必要がある。
●時短ワーキンググループにライン部長を参加させ、長時間労働の現場をピックアップし
 対策を検討することを会議の重要議題としている。
●長時間の時間外労働が1人に集中しているという場合には、増員や作業所替えをしている。
 また管理本部長名で支店長宛に作業所、氏名を明記して是正勧告書をだしている。
●11月の統一土曜閉所運動に限らず、作業所異動時休暇・ノー残業デー・

 有給休暇の取得推進・毎日30分早く帰る運動などいろいろな面での時短推進に対する
 意識付けを狙いとし、通達を出している。
●残業時間が長いのは公共の建築工事のほうである。
 施工要領書等の提出書類で多くの時間を書類作成に費やしている。
●書類の増加や配員不足により労働時間が減らない。
 書類増加の原因は発注者に対しても考えられる。
 日建協からも発注者へ受注者の環境改善にむけて働きかけてほしい。
 
以上のような意見がだされました。各社とも長時間労働に対する高い問題意識をもって時短推進に取り組んでいることがわかりました。


6月14日の統一土曜閉所運動日は加盟組合員の皆さんのご協力により、読み替えを含め、6割近くの作業所が閉所となりました。日建協ではさらに今後の閉所率を高めるべく、訪問会社に対し11月8日の統一土曜閉所運動への協力をお願いしています。

【会社側からの意見】
●運動参加当初は閉所率が最下位に近かったが、統一土曜閉所運動に関する通達を徹底し、
 組合と両輪で取り組んだ結果、閉所率が大きく向上した。
 今後は支店間の閉所率のばらつきの改善にむけて努力する。
●本部より全事業部長宛に通達を出すようにし、以後、閉所率がぐっと上がった。通達を継続する。
●各支店において安全衛生委員会等で統一土曜閉所日に休むよう働きかけている。

全体的に統一土曜閉所運動に関しては会社側からも協力的な意見が数多くだされており、運動協力への気運の高まりが感じられます。


日建協では、時短活動の加盟組合の個別取り組み項目として「作業所異動時休暇」を推奨しています。

【会社側からの意見】
●異動時休暇を取得できる人は取得でき、取得できない人は取得できていない。
 社員間で差が出ることが問題である。改善に向け、今後取り組んでいきたい。
●普段、休日が取得できていない分、作業所異動時には休暇を取得させたいが、
 配員減などで取得のためのバックグラウンドが悪くなってきているように感じる。
●異動前の作業所長が取らせるのか、異動後の作業所長が取らせるのか、責任者を
 明確にするように徹底したことで、異動時休暇の取得率が上がった。取得徹底にむけて、
 労使が話し合い、各部署の責任者が全て集まった会議の中で、異動時休暇の取得推進に
 むけて話し合った。また、異動時休暇の取得状況は、直接支店長に報告するようにしている。

作業所異動時休暇は、制度化や運用に関し問題点があるという意見の一方で、問題点を労使で協議し改善に取り組んで成果をあげている加盟組合もありました。

長時間労働に関しては会社側も深い問題意識を持ち、改善に取り組もうとしていますが、特効薬が見つからずなかなか具体的な改善にまで至らないという点で悩んでいるようです。そのなかで「統一土曜閉所運動」については、多くの会社が労使協働で取り組んでおり、徐々に閉所率も上がってきています。今後、残りの訪問予定会社に対しても、労使協働での取り組みの重要性を訴えかけていきます。
 
Compass Vol.779 一括PDF(13.1MB)
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