本文へジャンプ


カウンター
 

日建協では毎年2回、春季(4月〜5月)と秋季(9月〜10月)に加盟組合の所属企業を訪問し、日建協活動に対するご理解を求めるとともに、産業が抱える様々な問題について意見交換を実施しています。
2010年度の秋季会社訪問では、日建協が行っている2つの提言を中心に、時短推進の取り組み等、意見交換を行ってきました。たくさんの貴重な意見の中から、その一部をご紹介します。

日建協は、組合員の長時間労働の現状をふまえ、4週8休を含む不稼働日を考慮した工期で受発注できるルールづくりにむけた提言活動を、厚生労働省・国土交通省・業界団体等の関係者に対して行っています。

長時間労働により、安全・品質に影響が出るのは受注者として大きなリスクになるので、適正工期で受発注できるようなルールづくりは必要だと思う。まずは職員の長時間労働に歯止めをかける取り組みを実施していきたい。

―取締役―

4週8休というよりも日曜日を休むのが精一杯である。病院の改修工事では日曜日にしか打ち合わせができない等、どうしようもない現場もある。現状では、全休ではなく、現場単位でのローテーションで休むしかない。

―建築事業部長―

顧客のニーズは100社100様。工場、住宅、商業施設等、どの業界も厳しい環境下で競争しているので、工期に関する要望も厳しい。しかし、中には当社が提案した工期で、プロジェクトが進められるケースもある。良い建物をつくるために、しっかり休めて隅々まで目配りできるように、このようなケースを地道に広げていきたいと思う。 

―人事部長―

民間工事で4週8休というのは、20年前では思いつきもしない話であった。今回、日建協の資料を見るだけでも隔世の感がある。日建協には是非、今後もこの活動を続けて、声を出し続けて欲しい。

―人事部長―

受注者側で声を出していかなければならないと、業界団体も思っている。全体の動きから、このような機運が高まっていけば良いと思う。 

―常務執行役員―

 
 

一企業が発注者にむけて意見発信することは現状では難しいという意見がほとんどでした。しかし、職員の健康や次世代のために、長時間労働を削減していくことは重要だという考えは、すべての会社に共通した意見でした。建設産業全体の課題として、労使一体となって取り組んでいかなければならないと改めて感じました。

 
 

仕事に‘ワクワク感’が必要である。スカイツリーなど良いものもある。企業の枠を超えて、建設産業全体でアピールしていくことが必要であると思う。

―人事部長―

この産業の魅力を感じてもらわないと産業自体が衰退していく。時短をどう進めていくか各社とも悩みどころだと思う。時短が進まないと、良い人材が入職してこない原因にもなる。“ものづくり”の素晴らしさをアピールしていかなければ。

―代表取締役―

日建協は、公共工事において組合員の長時間労働の要因の一つとなっている「無報酬業務」を解消するため、国土交通省がうちだしている「設計変更ガイドライン」や「ワンデーレスポンス」等の施策を積極的に活用できるように地方整備局に対して要請しています。
(※)無報酬業務・・・設計変更書類など本来は発注者が行う業務にもかかわらず、適切な対価を得ずに受注者が行っている業務。

設計変更ガイドラインの制度は良いものであると思う。活用していかなければならない。また我々受注者も勉強しなければいけない。

―木事業本部長―

地方整備局の本局の人は施策について理解していると思うが、実際に地方整備局の工事事務所を含め現場で行われていることとは距離を感じる。各工事事務所には施策を徹底してもらいたい。

―土木部長―

制度としては充実してきていると思う。しかし、各施策は形ばかりで実態が伴っていない。日建協から実際の現場の生の声をもっと発注者に対してぶつけて欲しい。

―専務執行役員―

国土交通省以外の工事でも職員は大変苦労している。国土交通省を突破口として他の発注者にも日建協の取り組みを広げてもらいたい。 

―人事部長―

受注者に対する行政の意識が高くなっていることは感じられる。しかし、受注者が地方整備局に声を上げることで不利益はないとは言うものの、工事評点に対する懸念はどうしても持ってしまう。

―常務取締役―

今までは設計変更業務のような無報酬業務等を施工会社が行うのが当たり前という文化もあった。お互いそろそろ、責任区分を明確にしていかなければいけない。

―取締役―

 
 

設計変更ガイドラインやワンデーレスポンスなど制度としては充実してきたが、まだまだ現場まで浸透していないという意見が多数ありました。また、実際に活用すると受注者に不利益が生じる可能性を懸念した声も多く、まだまだ課題も多いのが現状です。日建協はこの課題の解決を目指して地方整備局にむけて意見発信を続けていきます。

 
 

意識の改革が必要である。残業することが美徳で、休むことがサボるといった感覚が、日本人にはまだある。その考え方をまず変えないといけない。

―人事部長―

全産業的に3Kが重要だと言われている。「給料」「休暇」「勤務地」だ。休暇もそのうちの1つであり、休めない産業では魅力がない。大半の若い人の望みは「給料そこそこ、休暇が取れて、近所で暮らしたい」だ。しかし、現状の建設業ではこれは難しい。魅力アップのために会社も努力していく。

―専務執行役員―

課題は山積みだが、会社は何より人が財産である。リフレッシュする時間を上手く取って仕事に励んでもらい、生産性を向上して業績向上できればと思う。施主からの工期短縮の要望もあるが、社員の健康やモラルアップは何より大切である。時期的に取り組みにくいだろうが、改善を進めていきたい。色々と知恵をいただければ、と思う。 

―代表取締役―

 
 

今回の会社訪問を通じて、会社側も日建協の提言に関して理解していることがわかりました。そして提言が実現することを組合員だけでなく、会社側も強く望んでいます。一企業だけでは解決できない建設産業の課題を日建協が取り組むことは、産業別組織として必要だと、強く感じてもらえました。会社訪問での意見交換をきっかけに、この提言活動が労使一体となり、産業を挙げての大きな流れになるよう継続して取り組んでいきます。

 
 


Compass Vol.788 一括PDF(11.1MB)

次のページへ   前のページへ

●このページのトップへ ●Compassバックナンバーへ ●ホームへ
・年頭所感 ・広報資料館 ・広報資料館-別館 ・ちょっとひといき…アウトドアでコミュニケーション
・Life&Money 講座 ・秋の会社訪問を終えて ・トピックス ・土曜閉所運動キャッチフレーズ大募集
・加盟組合交流日誌 ・続東西組合細見11…東鉄工業労働組合 ・舫い ・クロスワード

 Compass788