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日建協議長
宮野一也 |
新年、あけましておめでとうございます。
組合員の皆さん、本年もどうぞよろしくお願いします。
昨年8月に議長に選任され、はや5ヶ月が経ちました。
この間、加盟組合の大会、会社訪問、日建協諸会議において、 加盟組合本部、支部の方々、経営者の方々 さらには業界団体、マスコミ、行政の方々とお話をさせていただきました。 |
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そのなかで、必ず話題になることは、建設業の受注が増えて、「現場の忙しさは以前にも増している」、「さらに工期が厳しくなった」、「本当に人が足りない」ということです。この言葉には、少し前までの人員削減の苦しみを乗り越えてきた私たちにとって、ほっとしたという束の間に今度は一気に忙しくなったという状況をあらわしています。
受注が伸びてきて、本来であれば、労使ともに笑みがこぼれてくるはずなのに、顔がこわばってしまう。組合執行部はもちろん、経営者の方々にとっても「がんばってほしい!」と言うものの現場の状況を想像すれば、非常に難しくなっていると感じ入る背景があると思います。現場そして内勤で働く組合員の皆さんが日に日に元気がなくなっていく状況ではないでしょうか。 |
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昨年は、企業による設備投資、消費という内需拡大により景気が上向きになってきたといわれるなかで、IT企業・投資ファンドによる株式買い取り問題、自民党圧勝内閣による今後の政策に対する期待と懸念・不安、アスベスト問題そして年末におきた耐震強度偽装問題など、社会、政治、経済ともに時勢が大きく変化し、さまざまな対応が求められています。海外では、アメリカの巨大ハリケーン、パキスタン地震と災害に見舞われた一年でもありました。
建設産業は、民間工事の拡大に伴い、建築工事は増加しておりますが、土木工事は予想を超えるほどの規模の縮小により、厳しさが拡大しています。政府は目先の財政論議で、日本の国土を守るための公共事業まで削減しているように思われます。また、厳しい契約であるものの民間工事が比較的順調とのことだけで、景気回復した、と状況判断しているようにもみえます。
その結果、私たち組合員は、雇用面では落ち着きを取り戻しつつも、賃金面へのプラスの実感は湧かず、労働時間面としては仲間が少なくなった分、以前よりも実質的には忙しい、きついという声がたくさん届いています。この厳しい労働条件に対して、私たちにとって本当の生活する幸せを呼び込むために、忙しさを少しでも改善するということを、まじめに考えなければなりません。 |
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このような厳しい労働状況を変えていくためにも、短期、中長期的な視点で、今年は次の活動を具体的に実施していきます。特に力を入れていく活動を4つ挙げます。
まずは、短期的に、近年の建設産業の繁忙に対する賃金要求として、特に一時金の要求を前向きに取り組んでいくということです。ぜひとも組合員のみなさんと団結して、前年度以上の成果を勝ち取っていきたいと思います。
次に、中期的に解決すべき労働時間短縮に向けた解決手段のひとつとして、前年度から活動している提言活動です。日建協は、組合員から特に要望の大きい「公共工事の無報酬業務を解消するために」「民間分譲マンション工事における契約体質改善にむけて」の二つのテーマを掲げ、発注者の方々との意見交換を行っています。公共工事については昨年後半、発注者の組合の都合により延期されてきましたが、今年は年初から逐次開催していきたいと思います。そのなかで、組合員が直面している課題について、加盟組合の組合員と発注者の組合員とでぶつけ合っていきたいと思います。
そして、労働時間短縮に向けて実施している時短活動もさらに力を入れていきます。具体的な活動として、作業所の統一土曜閉所運動を行っていますが、組合員の皆さんの認識度が高まり、作業所閉所率は向上しています。ただし、このような時短意識の芽生えに対し、実際の労働時間短縮にはなかなかつながっていないデータもあります。この問題に対して、建設産業の現状を把握するとともに実際に現場に伺い、なぜ、どうして難しいかを日建協本部自身で感じ取りたいと思っています。
最後に長期的な課題である、建設産業の魅力を向上させたいということです。今のところ、日建協ができうる活動のロードマップがあるわけではありませんが、建設産業がなんといっても「楽しい」、「おもしろい」という入社当時のみなさんの気持ちを思い出すためにも活動していきたいと考えています。 |
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今年は、昨年以上の好景気になり順調に建設工事が増えることを期待しつつ、労働条件の改善および実質的な賃金の向上をめざし、「働いていて楽しい」と心から思えるような生活をめざしていきたいと思います。そして、組合員の皆さんが蓄えている、従来から持ち続けているチカラをさらに大きく発揮できる状況になっていくことを願っています。
本年は、スポーツの楽しみな話題としては、冬季オリンピック(トリノ)、ワールドカップサッカー(ドイツ)、バスケットボール世界選手権(私の地元さいたま)があります。日本の活躍を大いに期待していますが、建設産業に働く私たちも負けないくらいの活躍をしたいと思います。今年一年、まずは笑って、楽しくがんばっていきましょう。 |
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