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  身近な控除について

第3回目の今回は、私たちの生活に身近な税金の控除である「配偶者を対象にした控除」と「生命保険料控除」の2つの所得控除について、ご紹介します。ちなみに所得控除とは、納税者各人の所得を計算する際に考慮されなかった、その納税者の生活状況などから、税の負担を調整するためのものです。

●配偶者を対象にした控除について(所得税法第83条など)
配偶者を対象とした控除には、「配偶者控除」と「配偶者特別控除」の2種類の控除があります。 「配偶者控除」は給与収入が103万円以下の配偶者がいる納税者に対して行なわれます。  しかし、給与所得者において、配偶者控除では、配偶者の給与収入が103万円を超えた場合、納税者本人の配偶者控除を受けられなくなり、納税額が増えてしまいます。その一方で、事業所得者(青色事業専従者)においては、配偶者への給与支払が認められ、給与所得者より優遇されています。  そこで、夫婦片働き給与所得者の税負担を調整するために、これまで「配偶者特別控除」として、扶養する配偶者の年収が141万円に満たない場合、その金額に応じて、納税者が段階的に控除を受けることができていました。

☆配偶者特別控除を受けるための要件 
本人の給与収入が1231万円以下であること。
青色事業専従者、事業専従者でないこと。(給与所得者であること。)
本人と配偶者が生計を一にしていること。
配偶者の給与収入が103万円を超え、141万円未満であること。

配偶者関連控除適用表
配偶者の給与収入 適用される控除
103万円以下 配偶者控除
103万円超141万円未満 配偶者特別控除
141万円以上 控除は適用されない
以前は配偶者の所得が0円であった場合、「配偶者控除」と「配偶者特別控除」をダブルで受けることができましたが、平成17年度の法改正により、現在は、「配偶者控除」しか受けることができなくなっています。

●生命保険料控除について (所得税法第76条など)
生命保険料控除には、「一般の生命保険料控除」と「個人年金保険料控除」と2種類があります。 「一般の生命保険料控除」は、傷害保険や契約期間が5年未満の貯蓄性の高い保険など以外の保険契約であれば年間に払い込んだ額に応じて、控除されます。 「個人年金保険料控除」は、老後資金の準備手段として、保険会社などに保険料を払い込み、契約年齢に達したところで、年金として受け取る保険契約に加入しており、以下に掲げる要件を満たす場合に、「一般の生命保険料控除」とは別枠で、控除されます。

☆個人年金保険料控除を受けるための要件
年金受取人が、保険料を支払う本人かその配偶者であること。
保険料の払い込み期間が10年以上であること。
確定年金、有期年金の場合は、年金支払日の被保険者の年齢が60歳以上で、
支払期間が10年以上であること。
日建協が運営している日建協積立年金制度には、「積立コース」と「年金コース」の2種類があり、そのうち「年金コース」については、「個人年金保険料控除」を受ける要件を満たした制度となっています。

●控除を受ける手続き
所得税
年間払い込み保険料 一般の生命保険料・個人年金保険料控除額
 2万5千円以下  払い込み保険料の全額
 2万5千円超5万円以下  払い込み保険料×50%+1万2千5百円
 5万円超10万円以下  払い込み保険料×25%+2万5千円
 10万円超  5万円
個人住民税
年間払い込み保険料 一般の生命保険料・個人年金保険料控除額
 1万5千円以下  払い込み保険料の全額
 1万5千円超4万円以下  払い込み保険料×50%+7千5百円
 4万円超7万円以下  払い込み保険料×25%+1万7千5百円
 7万円超  3万5千円

次回は、今国会で決定された2006年度税制改正のポイントをご紹介したいと思います。

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